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2007年4月26日 (木)

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2007年2月12日 (月)

フットボールカンファレンス#2(非常におおまかな抜粋)2007年1/6大阪

田嶋幸三
ポジティブな面
2005年コンフェデ、ギリシャ戦、ブラジル戦、ドイツ戦
・スキルを生かした攻撃、スキルを生かした中盤の組み立てができた。特に中田英、中村。将来世界トップ10に入るためには、日本人の特徴であるスキルを生かしてつないでいくということが必要だ。

・前を向いての1対1、1対1の場面で、良い形でボールを持てば、ブラジル、ギリシャといたトップレベルのディフェンスもかわすことができる。加地、柳沢、玉田
しかし、本当に中盤でプレシャーをかけられた時に、それを実現することができるか?

・動きの質と量、攻守の切り替えの際、チャンスと判断した時に、数名ではなく5人、6人とからんで攻撃するという世界レベルの意識が近づいてきた

課題:
・フィニッシュの精度、ストライカー不在は10年以上言われていることです。どう取り組むか、FWだけの合宿やGKと合同の合宿をやっている。これらを継続してやっていきたい。完全に崩したにも関わらず、得点につなげることができなかった。

・長身のディフェンダーがいない。田中誠、宮本、茶野、他の選手、GKも含め170cm台がほとんど。こういうフィードバックはジーコにも伝えた。コンフェデの後、川崎Fのミノワ(188cm)という選手を選んだが、ジーコの順列には最後入らなかった。そこでどういう対策をしたかというと、まずクロスをきちっと上げさせない。DFはきちっと視野を確保して、いいポジションで自由に相手にやらせないという視点でやってきた。身長の高い選手は動きが遅く見えたりするが足下の技術がないように見えるが、そういう選手もきちっと育成していくことも考えていきたい。

・球際の強さ、球際での1対1の競り合いで負けることが多い。球際の厳しい1対1を実行しない。他の国と比較し、通用してるのは中田英のみ(あとは今野ぐらいか)。これを解決するには審判とのからみで解決していくしかないんじゃないかと思っている。
Wユースで中村北斗がオランダのクインシーにやられたシーン、ショルダーチャージで行ってる。このショルダーチャージはトレセンとかでも指導してきた。しかし中田英などは腰とかで行ってる。コンタクトの方法が違う。日本サッカー全体で変えていかなければいけない問題もあるんじゃないかと思っています。

・コミュニケーション、コミュニケーションができないためにヨーロッパから帰ってくる選手もいます。英語ができないとかそういう問題ではなく。試合中に自分の意見を言うことができなかったりとか。お互いの意見をフランクに言い合うことができない。試合中に自分の意志を伝えることが下手。他の国と比較して差の見られる部分。ルメールが2000年のユーロ決勝で、イタリアの左サイドが手薄になっていた時に「監督がそこを攻めるように指示したのか?」と質問したら「あれは選手達が自分達でやったんだ」と誇らしげに言った。フランスは、そういう意味でレベルの違うサッカーをしていたんだなと思う。そういうところまで日本も持っていかないといけない。
・ジーコ監督に関して「早すぎたのではないか?」という意見がある。「もっと成熟して自分で判断できる選手が多くなった時に、ジーコだったらもっと良かった」んじゃないかという方がいたんですが、そういう意味では「やれるものは早くやった方がいい」ですし、それに対応できなかったのが分かったことも、それは事実です。自由と自分で判断するバランスというものを、僕らが指導していくべきじゃないかと思いました。

・コンディション、ドイツ戦がピークになってしまった。フィジコ里内コーチがすごく反省している。ジーコのやりたいサッカーをこのドイツ戦で見せてくれました。得点場面も含めて。しかし、あの1戦で、空気が、日本国内はもちろん、地元メディアも含めて「日本が優勝候補ではないか」という風に変わった。それが選手たちにも伝染した。技術委員会では、グループの中では3番目か4番目の実力だろうと思っていました。根拠はヨーロッパでプレーしている選手が何人いて何人レギュラーなのかということです。オーストラリアは150人近くがヨーロッパでプレーしています。クロアチアやブラジルに対しては説明する必要もないでしょう。我々も10名近くがプレーしていますが、残念ながら中田英もレギュラーではなかった。レギュラーが非常に少なかった。本来であれば一番の挑戦者として向かわなければいけなかった。しかしドイツ戦の善戦で「優勝候補」のような空気になり、そのまま本戦に突入してしまった。そこは反省しないといけない。イタリアやフランスもグループリーグではあまり良くないが結果を残している。そういう点も足りないだろう。ジーコは「W杯前に2試合したい」1つは強くてうちが負けてもいい相手にしてくれ。そこでドイツです。2試合目にマルタ。ジーコが高校生とやっているように、自分達が点を取って盛り上がっていけるような相手。しかし、ドイツ戦の善戦で狂ってしまった。

・アジアと日本の差
悪いコンディションで雑な試合をしても、アジアでは勝てる(相手が崩れる)。W杯ではそれができない(相手が最後まで崩れない)。今回、ヨーロッパから選手を招集しながら予選を戦ったのは初めてです。必ずしも、いいコンディションではありませんでした。しかし、そういう中でもアジアでは結果を出せたが、W杯では、それほど甘くはなかった。

・オジェックに言われたのですが、現在のストロングポイントを、もっと伸ばさなけくてはいけない。いつもネガティブなポイントを修正するばかりではなく。短い時間かもしれないけど、世界に通用する部分が出てきました。そういう部分を伸ばして、その上で、日本の良さ、特長を生かした闘い方を追求していく。

・日本スタイルの確立
世界のサッカーの分析→足りないものを強化
日本の長所を活かす。強いメンタリティ、切り換えの速さ(攻守でのポジショニング)、コレクティブ、ディシプリン。数的優位での攻守。ボールと人が動く。

代表チームの強化
・その時にメンバーを集めて闘うだけではない。そんな簡単なものではない。それだけでは世界トップ10のレベルに到達できない。
★★さまざまな改革を重ねて~総合的なアプローチで地力を上げる
・47FA法人化、キッズプロジェクト、国体少年の部U-16化、指導者登録、トレセン改革、再教育の充実、エリートプログラム、JFAアカデミー福島、等々

技術委員長になってからの4年間、いろいろありました。アジアカップの優勝などもありました。A代表だけでなく、五輪代表なども見てきました。いろいろ努力はしてきました。結果が悪ければ、いろいろ言われるのは事実でしょう。これからもいい時や悪い時があると思います。しかし、これからも夢に向かって一緒に行きましょう。

布啓一郎(JFA-TSGの分析)
サッカーは生き物で、どの国も課題を見つけ前進した中で、2002W杯よりも進化した大会でした。2006W杯はヨーロッパで行われた大会で、さらにCLからもより長く休息を取った中で行われた大会でした。
ベスト8の内6カ国が優勝経験国。さらに選手層の厚さもあった。各国が2002W杯の教訓を生かしたチーム作りをしてきた。
2002年は日本にとって気候的な状況も含めてホームだった。伝統国・強豪国が敗退していった。しかし2006年は、その教訓を生かしてヨーロッパがホームという状況で、大きなサプライズはなかった。

・またキーワードとして「甘えの許されないサッカー」ということがあげられる。高度な技術、闘う姿勢、ハードワークの3つを高いレベルでベースとして持っている。何かを免除されるスーパースターはもはや存在しない→スーパースター観の変化。

・アジアの敗退、今大会のような条件では実力がそのまま結果にむすびついた。アジア内の闘いで通用しても、世界では通用しなかった。

攻撃の面で
1:ダイレクトプレー、攻守の切り替えの早いサッカー。守備の整備によってカウンターからの得点は減少。相手の背後を突く意識は優先順位の一番→サッカーの成熟。カウンターを受けない守備の改善。相手が守備を構築した中でも、一番ゴールに近いプレーを行う。ミドルシュートが注目された。またオフサイドルールも変更されたので、ラインを高くして守るチームはそれほど多くなかった。しかし、ラインをただ下げてるだけのチームは敗退した。20m以上の距離から当然のようにゴールを狙えることが行われていた。

2:ボールを保持しながら積極的にゲームを支配。幅と厚み。シンプルな技術の質(ファーストタッチ、パススピード)→日本は特別なことで負けたのではなくシンプルな技術が不足していた。
相手に支配されると精神的・体力的に消耗して90分間持たない。ゲームを支配する。ボールを失わない。攻撃はDFを開かせるために、サイドを有効に使っていく。また厚みも使っていく。CFが深い位置を取る。またGKも含めてボールを失わない。
サッカーは派手なプレーは少なくて、シンプルに止めてパスするということが繰り返されている。
動きの中で行われている。動きの中で状況を見て、一番いいところにファーストタッチを持っていく。一番いいところに精度の高いパスを出していく。そういうことがボールをポゼッションするためには非常に大切だ。

*得点に至る攻撃に要した時間(ボールを奪ってからの)
2002年はボールを奪ってから10秒以内での得点が53%あった。2006年では3割に変化した。まずカウンターを狙っていくんだけども、守備が良くなっていて、カウンターを受けないようになっている。でも、簡単にボールを失ってしまうと自分達が消耗してしまう。カウンターがうまく行かない時には確実にボールをポゼッションしていくということが行われた。
今大会はDF(GKも)の技術の高さが目立った。安易にクリアしないで攻撃につなげる。ボールを失わないためにも、DFであっても、スキルの高さは必要不可欠であると言える。

ボールを失わなずに相手ゴール前まで運ぶためにはスキルの高さが必要不可欠である。今大会を勝ち上がったチームは当たり前(止める、蹴るプレー)のプレーを非常に高いレベルで行っていた。

ボールを失わないためには、相手のプレッシャーを回避できるだけのパススピードが重要である。早いパススピードによりボールを受ける選手のプレーエリアが確保される。

*得点に至る攻撃時のパスの本数
ボールを奪ってからパス3本以内に得点に至ったのは2002年は55%だった。(短い時間で得点を奪っていた)、2006年は40%になっている。

*モビリティー(活動量、運動量、動きの質)
・守備を固める→守備の薄い所を攻める→スペースを自ら作り出し使うための質の高いモビリティー(ボールをコントロールする質は高いが、動きの量と質の欠如したブラジルの敗退)
組織化されたディフェンスを崩すためにボールを持たない人の動きが重要。そのためには、ボールよりも前に多くの人がいる必要がある。ボールより前に出て行くだけの運動量も必要。
(準決勝ドイツ対イタリア戦でのデル・ピエロのゴール、自陣ゴール前から一気にドイツゴール前まで上がっていって見事なループシュートを決める)

*ゴール前の質
・ラインを高くして守るチームが少なかった(GKとの1対1の場面の減少)
・クロスの有効性
・個の能力(シュートの能力や精度、ラストパスの精度)
やはり一番重要なのはゴール前の質である。勝負を決定づけるゴールを奪えるかどうかは、シュートのうまさなど、ゴール前の狭いエリアの中でも安定した技術を発揮できるかによる。このエリアの中で決定的な仕事を出来る選手がいないと勝ち上がることは難しい。
今大会、得点の多かったミドルシュートも、両足で打てるとその幅は広がる。
・ゴール前のコンビネーション

*守備
1:ボールを奪いに行く。
・前線から意図的にボールに制限を加える。(ゲームを支配されると体力的にも精神的にも消耗)
・奪われたら奪い返す(個人の責任)→攻撃へ。また奪い返しに行く→相手のカウンターを阻止する。
・チームで連動する(組織の役割)
今大会はボールを奪いに行く意識が非常に強かった。その結果、プレッシャーが非常に厳しく、「甘え」が許されないサッカーが展開されていた。また、このような守備はポジションに関わらず行われており、それはスーパースターといわれる選手であっても同様であった。ハードワークしないと全体でプレッシャーをかけることはできません。

2:緻密な守備を支える個人の守備能力
・ボールに寄せ身体を当てていく
・(ボールを奪う)チャンスを逃さない判断と決断力
・守備範囲の広さ(全員がハードワーク)
相手がいい状態だったらむやみに飛び込むなと言いがちだ。しかし、今回のW杯では、身体を寄せて当てに行くような守備が多く見られた。
しかし、奪いに行くという意識が高いだけでは、ボールは奪えない。意識だけでなく、守備スキルが高いため、チャンスを逃さず奪うことが出来るのである。スライディングで奪う力。(どうしても日本の選手は土のグランドが多いので、うまくなってはいるけど、まだまだ向上させていかないといけない)
奪うチャンスを逃さない→奪いきる。1対1の対応→奪いきる。
またスキルのみならず、一人一人の守備範囲の広さも、守備組織を支える要因の一つであった。
・判断をした中で奪いに行く。こういった守備は非常に緻密な判断の中で行われていた→無謀な守備ではない。セオリー通りのポジショニングではなく、パスを出す前から周囲の状況を見て、インターセプトできるようなポジションに変えている。時には状況を判断して自分のマークを外してもボールを奪いに行っている。

3:個人の守備力を基にチームでの緻密な守備
・制限を加えることで、確信を持ってチャレンジ(状況下でやるべきことを当たり前に行う)

★★★日本の課題
*日本の成果、いいところはあったが、それをできた時間は非常に少なかった
・守備(連動した守備)、ブロックを形成しながら状況に応じてボールを奪いに行く。
・攻撃(パスワーク)、テンポ良くパスを回してる時間もありました。

*日本の課題、攻撃
・自陣に多くの人数をかけてしまう傾向がまだある。ボール保持者が、前方にスペースがあるにも関わらず止まった状態でパスを出すことによって、パスを受けた者へのプレッシャーが強くなる→後方へボールを下げる→プレッシャーがさらにかかる。なかなかボールを前へ運べない。さらに奪われたらピンチになる。(周囲の動き出しが少なくパスの選択肢が少ないという要因もある)
対戦したブラジルなどは、選手達が周囲の状況をよく見ている。さらにパス&ムーブが良くできていた。
スキル:動きながらのスキル、プレッシャーを受けながらのスキルに、まだまだ問題がある。

攻撃の運動量、パスを出しても動きが少ない。ボール保持者の周囲が動いて相手ディフェンスを変化させないと有効な攻撃にならない。また前に出て行くことが少ない。ボランチやCBが積極的に前に出て行くことで決定的な場面を作るということが少なかった。

守備-守備の意識・対応-
・ボールを奪いに行く意識の低さ。相手に対するプレッシャーが弱い場面が多かった。
コンタクトスキル、1対1での対応。これがまずい場面も多かった。
日頃やっていない事を代表でやれといっても無理なので「国内ゲームでもハイプレッシャーな環境に」。日頃の環境を、どう変えていくのか、それもこれからの課題だろう。

まとめ
現代サッカーの方向性は日本に不利な方向には行っていない。
日本の良さを生かせる現代サッカーの方向性
日本人のストロングポイント:勤勉性、理解力、協調性、集中力、持続力
チーム全体がハードワークする「甘えの許されないサッカー」
高度な組織化→90分間をタフに闘う。攻守においてチーム全員がハードワークすることは日本人には可能。
現代サッカーは個の能力を組織で補うものではない(世界のトップレベルと比較すると、個人の技術・戦術不足を組織で補っている現状がある)
世界基準からの逆算→個の育成の必要性
個人個人の個の技術・戦術能力を高めていくこと。

日本人の技術
・ストロングポイント(多彩なフェイント、浮き球のコントロール、短い時間に多くボールをタッチできる)
・ウィークポイント(「動きながら」「プレッシャーの中」での基本、状況に応じたファーストタッチ、ポストプレー。ハイプレッシャーの中での判断能力。

ゲームを積極的に支配する
個人のスキルアップ
・look around(観る)-判断
・meet the ball(ボールに寄る)
・pass and move(パスしたら動く)、この3つの動きの習慣化
・技術・判断・動き-ボールを奪うための技術、ボールを失わないための技術-サッカーの基本
クラマーの時代から言われていること。これは全員ができているだろうか?
基本が出来ているだろうか?

日本人のウィークポイント-自立-、コーチが教えすぎていないだろうか?
・自分で判断して決断する
・自己主張するが自己責任も負う
・リスクを恐れずに挑戦する
・自由と秩序の理解ができる
・理不尽に耐えるメンタリティー

年齢に応じた長期育成と日頃のゲーム環境。

最後に、この2006年W杯が日本サッカーのターニングポイントで「あそこから変わったね」と10年後などに言えるように、次のW杯では日本がいい形で実力を出して「ここまで行ったね」と言えるようになれば素晴らしいかなと思っています。

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2007年2月 7日 (水)

フットボールカンファレンス#1(非常におおまかな抜粋)

2007年1月大阪にて開催
*AFC会長ヴェラパンの挨拶
2006年、アジアは世界のレベルに達していなかった。30年間、アジアのサッカーに関わってきた者として涙が出そうだった。プロとしての準備ができていなかったのでしょう。これを2010年に繰り返してはいけません。こういう場でしっかり総括しましょう。

*小野剛
・まず「知」を共有しましょう。「我々の」代表なのですから。
・エメ・ジャッケ「フランスのW杯での成功は30年間にわたる努力の成果である。一つの国がサッカーで成功するためには、ユースの育成と指導者の育成が鍵である」
・アンディ・ロクスブルク(UEFA技術委員長)「選手は勝手に育たない。タレントが偶然育ってくるのを待つのもいいだろう。しかし、それでは永遠に待ち続けることになるかもしれない」
・知識を共有する。ビジョンを共有する
@アンディ・ロクスブルク
・大きな大会でも小さな大会でも分析を行っている。その理由は人に「モチベーションを与える」ということです。若い選手やコーチ、プロの人々に刺激を与えるために、分析を行う。それは育成のためでもあります。そこでは一つ難問があり、「これからどうなるのか?」が見えにくいということです。
・トップレベルを考えると「スピードとスキル」、この2つが一つになっている。技術的な質が非常に重要になっていて、これからその比重は増すでしょう。
・例えば固いDFラインを突破する場合、個人技が必要でしょう。ここで中村俊輔の例を挙げます。非常にいいパスをしますが、その前にきちんと目で見てる訳ですね。オジェックは「中村はパスの先が見える選手だ。タックルはできない。ヘディングもできない。しかし天才だ」と。育成という観点から見てみると、1対1で非常に優れたプレイヤーがいるかもしれません。そこから非常にいいパスを出せるかもしれません。こういうセンスが非常に重要なのです。スピード、テクニック、技術、これを全て合わせてコンビネーションプレーができなくてはいけません。
・次は、基準、スタンダードを作らなくてはいけません。どのようにボールを保持するかなど。どのようにカウンターアタックをするかなど。
・ある一つの点でなくてはいいですが、ある一つの方向性に向かうこと。これがテクニカル・レポートの役割です。
*小野剛
・「2015年に世界のトップ10」:日本は、ここ10年20年の努力により、急速に「世界」に近づいてきた。しかし、ここから先は「世界に近づく」という意識から「打って出る」意識で立ち向かわなければ、上記の目標は達成されないだろう。そのためにはコピーでなく、日本人の良さを生かした日本方式の強化策「Japan's Way」を確立していかなくてはいけない。
・UEFAとFIFAのカンファレンスでは「日本は世界の中で最も成功している国の一つ」という認識があり、いろんな人から日本の事について聞かれた。
・さまざまなルートの中で選手が育つ環境~日本全国で一貫指導~選手の成長を第一に考えたフィロソフィー
・向かうべき方向性を決めるものは何か?
唯一、その方向性を決めることができるものは「世界のサッカー」。だから我々は「世界のサッカー」を分析しなくてはならない。少なくとも方向性だけは共有して、あとはそれぞれの個性を生かしましょう。
・選手が育つためには「ハングリー精神」が最も効き目があるものだ。だが、今の日本の状況ではそれは期待できない。

*オジェック(2006W杯について)
1:戦術的フォーメーション
・リッピ「自分が呼んだプレーヤーに自分の戦術を合わせなくてはならなかった」。我々が選手に要求を出しても選手が、それに必ず応える訳ではありません。戦術は選手に左右されるわけです。選手が戦術に左右されるわけではありません。
・大会中に使用されていたフォーメーションではトレンドは4バックになっている。5つのチームが3バックを使っている。日本と韓国は、大会中にフォーメーションを4バックに変えました。オーストラリアもメキシコも変えた。だいたいが4バックになっている。
・中盤の組織の立て方、MFを4人にするか5人にするか、これは監督の哲学によります。
4人の場合、センターに二人、ワイドに二人置く場合もあります。またダイヤモンド型に置く場合もあります。
・ゾーンの4バック、フラット4がほとんど。完全な形のスィーパーがいる場合はほとんどない。
・スクリーンプレーヤー、守備的MFのことです。DFラインの前でプレーしています、2人もしくは1人の選手がDFラインの前にいます
・ワイドMF、リッピのような監督は、サイドに選手を置く場合は、ちゃんとボールも取って攻撃もできてディフェンスもできなくてはいけないと言っています。ポルトガルのようなチームは、ロナウドやフィーゴのような典型的なウィングがいます
・クリエィティブなMF、通常、前面にいます。このドイツ大会では、このクリエィティブなMFはちょっと後退してました。イタリアの場合は、トーナメントの最初ではダイヤモンド型をとっていました。ピルロは重要な選手ですが、こちらは前面でプレーしていて、右、左のプレーヤーを補助していました。攻撃的なトッティは攻撃的な担当をしていて、クリエィティブな担当ではありませんでした。ピルロがアイデアを出していたわけです。ガーナでもそうです。
・準決勝に残ったチームは、FWはほとんどがワントップでドイツだけが2トップでした。
4-4-2か4-5-1でした。しかし、構成は違います。
・4人のGK(ブッフォン、レーマン、リカルド、ツェフ)、非常に優れています。能力として足を使って仕事をすることができる。非常に重要な事です。ラインに対しての反射がよい。ボックスの中で仕事ができて、ボールを受けることも蹴る事も出来る。これが今のGKの傾向でしょう。今までのようにボールを止めるだけではなくて、もっと進化した形のGKでしょう。もちろん小さいときから、こういうトレーニングをやらないといけない。28歳からやってもダメです。ドイツのGKカーンがいます。世界的なGKです。でもこのドイツ大会では、カーンではなくレーマンを正GKにしました。レーマンの方がピッチ上でうまく足を使えるのです。つまりGKではなく選手の一人としてあてにすることができる。これが今のGKとして最高のレベルかどうかの違いになっています。
・DFの話、準決勝に残った4つのチームDFラインは似たような構成をしています。まずセンターは、全部似たような能力を持っています。まず足技が良い。試合をストップすることができる。ボールを勝ち取ることもできる。空中戦も強いということです。それから攻撃になった時にCKから点を取ることができる。イタリアのマテラッツィなどcKから2点挙げています。4バックのサイドのプレーヤーも似ています。非常にディフェンスが組織化していてうまい。スペースを殺す。攻撃してる選手にスペースを与えないということ、サイドのディフェンスがうまい。ビルドアップもうまい。GKからボールを受け取ったら、すぐパスをすることができる。ボールを使ってゲームに参加することができる。あとはフィジカルも強い。とにかく相手選手の邪魔するだけではない。
・MF、スクリーンのペア(イタリア:ガットゥーゾとピルロ、マケレレとビエラ、フリングスとバラック、コスティーニャとマニシェ)、これは本当にお互いに補間しあって機能していました。ペアが優れていました。一人がホールディングプレーヤーとして動きました。DFラインの前で、動いたりしていました。もう一人がMFとして、建設的に攻撃に動くことができる。ダイナミックにボールを攻撃陣に渡すことができる。例えばビエラやバラック、マニシェ。
・シングルMFスクリーン(マスチェラーノ、エシエン、パルド、ヨーク、リンデロート、シャビ・アロンソ)、マスチェラーノは、特に彼の仕事としてはスィーパーの仕事がありました。とにかくDFラインの前でディフェンスをする。クリエイティブなリケルメのバックアップをする。パルドやアロンソは上がっていって、ビルドアップの面に関わっていきました。
・ワイドMF、ここは構成が監督によって違います。ワイドMFを使うところがあります。イタリア、カモラネージとペロッタは本当に戦闘的な選手で、一生懸命仕事をします。ペロッタが77分ぐらいで交代するのは疲れ切ってしまうからです。ドイツの場合はシュナイダーが右サイドでクリエィテブな役割をしていました。様々なバリエーションがあります。ブラジルのカカとロナウジーニョは素晴らしい選手ですが、ウィングの様なプレーはできないでしょう。非常に創造的なプレーヤーです。他のチームではポルトガルのようにウィングを使ったチームもありました。
・クリエイティビティ、チームの流れを変えるのは誰か(ジダン、デコ、リケルメ、トッティ、中村、アッピアー)、明らかにジダンです。ゴール数を見ると必ずしも、こういった選手が多くのゴールを挙げているわけではない。どちらかというとパスを出す役割でしょう。
・ストライカー、2トップ(クローゼ&ポドルスキ:5/3ゴール、アドリアーノ&ロナウド:2/3ゴール、トレース&ビジャ3/3ゴール、クレスポ&サビオラ3/1ゴール)。ドイツの二人の場合、二人で8ゴール挙げている。ディフェンスが非常にタイトだった。またFW以外の選手が多く点を取ったことを考えると、ドイツの場合は非常に凄いことだと思います。ワントップの場合(アンリ3ゴール、ルカ・トーニ2ゴール、パウレタ1ゴール、ドログバ1ゴール)よりも2トップの方がFWがより多く点を取っていたと思います。アンリは非常に危険なプレーヤーです。また特殊でもあります。自分の隣に人がいるのを好まないんですね。スペースを使って、例えば左サイドからスペースを使っていく、これが彼のプレースタイルです。
・トーナメントが進むにつれて4-4-2から4-5-1に変える。FWを一人削ってその代わりにDFラインの前にアンカー(を置きディフェンスを安定させたようにMFの構成を変えた所もあります。例えばイングランドです。(アンカーはハーグリーブス)最終的にこれはうまく行きませんでしたが。ブラジルもアンカーにジウベルト・シウバを入れています。こういう風に試合中やトーナメント中に構成を変えるということに対して私には答えはありません。それはみなさん指導者が決めることです。
・イタリアはダイヤモンド型から4-5-1に変えて成功しました。リッピ「4試合を終えて、システムを変更した。新たにより安全なシステムにしてプレーヤーに自信を与えた。彼らは勝つことができると確信を持ち始めた」。トッティをワントップの後ろに置いてMFを安定させた。トッティが2人のストライカーの後ろで試合をするとストライカーは増えるけれども守備がおろそかになります。そこで脆弱なスペースができます。もっと安定させるためにシステムを変えたわけです。「これでいいんだ」と納得していれば、それに信念を持つことができます。そして実現することができます。それが大事なことです。
・どのような形でゴールが取られたかということを分析しました。
・コンビネーションプレー(少なくとも3人の選手が関わる)18点、
ウィングプレー(サイドから攻撃)20点、非常に面白いのは右サイドからは16点で左サイドからは4点しか生まれませんでした。
スルーパス18点、DFとDFの間を通り抜けるボールです。トーナメントの初めの方はラインが高かったのでDFラインの後ろに非常にスペースがありました。
ソロ15点、
ダイアゴナル7点、コンパクトなディフェンスを破るには対角線を使った長いボールを出す必要があります。
ロングシュート12点、
ミス/オウンゴール10点、
速攻(カウンターアタック)18/4、ボールを奪ってから非常に早いタイミングで攻めること。全部で18点ありましたが、決勝トーナメントでは4点しかありませんでした。これはカウンターアタックの数が減少してるということです。
・コンビネーションプレー:玉田のブラジル戦でのゴール。
・サイドからの攻撃:非常に固いディフェンスがあって左側からの攻撃があって、確実なタイミングを使ってボールを通し、そこからゴールを入れる。そういう流れです。こういう形でたくさんのゴールが生まれました。
・スルーパス:どのような形でディフェンスの裏をつくかということです。片方にディフェンスを寄せて逆側からオーバーラップを仕掛けて、パスを出しディフェンスの間をついて点を取る。これも練習の成果だと思います。
・ダイアゴナル、ゾーンのディフェンスが多かったので、その仕返しがきたというところですね。
・カウンターアタック、ボールを奪ってから「こうするんだ」と決めて、それをスピードを持って実行することが大事。
・セットプレーからの得点、直接FK6点、間接FK13点(左7/右6)、CK12点(左7/右5)、PK13点、スローイン2点
直接FKはスペシャリストがいるということです。間接FKではバリエーションがありました。重要な点では左サイドからFKを蹴ってる選手は右足で蹴ってるという点です。ゴールに向かって内側に曲げるシュートですね。そういったシュートです。右サイドでは右効きの選手がゴールから離れていくパスを出してニアポストに一人選手が向かって行く。もしくはそこを越してファーサイドに向かっていく、そういう形、バリエーションがあります。
・先制点の持つ意味
先制点を取った場合
2006年、41勝、15分(7試合は0-0)、8負(2点差からの逆転は1試合、準々決勝以降は逆転なし)
2002年、39勝、16分(3試合が0-0)、9負(準々決勝以降は逆転1試合)

試合終盤の得点、76分~90分+延長戦での得点
35試合/44点の終盤の得点
*勝っているチームによる点差を広げる得点:20試合/22得点
*追っているチーム:7試合/9得点(1勝オーストラリア対日本、3-1。4引き分け、点差が縮まったケース2試合)
*同点のチーム:8試合/13得点(2引き分け、チュニジアvsサウジ、スウェーデンvsイングランド、7勝)(2得点4試合)
負けているチームが勝っているチームに対して得点を取ったケースが少なかったことです。負けているチームが点を取ろうとしているときに、後ろのDFラインがオーガナイゼーションが取れていなくて点を取られることが非常に多かったのです。

決定的な判断:交代、戦術上の変更
交代選手による戦術変更
・ポジションvsポジション(フレッシュな戦力の投入、同じポジション選手)
・より攻撃的に
・得点差を守る/試合を落ち着かせる(例:決勝でトッティに替えて、より戦闘的でディフェンスのできるデ・ロッシを入れたこと)

交代選手による得点
147点中23点(2002年、161点中21点)
勝ち越し点5点
ゲームを動かす、得点差を守る
アシストや中盤で決定的なボールを奪うということは数値化できにくいので、どうしてもゴール数ということになりますが、この大会においては交代選手の役割は大きかったと言えるでしょう。

全体的な考察と推奨
*戦術とチームフォーメーション、
アセスメントと示唆
攻守のコーディネーション

個人として何を達成したいか考えていかなければいけません。みなさん自身のおかれた位置、選手の質を理解していく必要があります。

*個人トレーニング、目的と内容
スピードとテクニック
ボールスキル
体とボールのコーディネーション
ボール有/無しで加速
方向転換/フェイント

アンリの例もありますが、トップリーグで活躍してい選手を見るとスピードとテクニックを兼ね備えています。

次に心理的な側面ですが、メンタル面で強くなくてはいけない。
メンタルの強さ、決断力、自信。
ドイツはPK戦の時に「絶対に入れるんだ」という気持だった。スイスは対ウクライナ戦の時に自信なさげにしぶしぶ蹴って、とても緊張してPKで1点も入れることができませんでした。こういう点はトレーニングして強くすることができます。

ベストヤングプレーヤー、1985年以降のプレーヤー、41人(16人は試合出場なし)、21チーム。(21歳以下)
41人しかいなかった。ドメネク「今回のW杯では、生まれながらの素晴らしい若いプレーヤーはほとんどいなかったと言わざるを得ない」
1位:ポドルスキー、2位:Cロナウド

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2006年7月21日 (金)

久米宏ジーコジャパン検証(抜粋)

久米宏特番ジーコジャパン検証(2006年7月21日、金)(抜粋です。久米宏の感想などはカット)

主に鈴木通訳の言葉の抜粋:通訳:鈴木國弘

オーストラリア戦前のジーコの指示
:オーストラリアは高いボールを入れてくるに違いないから、それに注意しろ

ハーフタイムの指示
(鈴木)1-0の、うちのリードした時のプレーの仕方があるんですね。ボールを回しながら、相手の隙を見てどこかで追加点。
ジーコ:これだけの暑さだから、とにかくボールを動かせ。ボールを回しながら追加点を狙え。
鈴木:慎重にやりながらも「攻めるんだ」ということは、分かっていたと思うんですよね。

後半34分の小野投入。小野への指示
鈴木:特別な指示はなかった。彼の能力、キープ力、ボールを散らす、スルーパスも出せる。この時点では絶対にボールをキープしたかった。なんとかうちがはじき返したボールを、特に中盤でセカンドボールをキープしたかった。
宮本:僕自身はボールをしっかり回すという。そして時間をつぶすという交代なのかなという印象は受けました試合中に。
中澤:守備に戻るな前でプレーしてくれと指示された小野
小野:福西さんを1人にしても大丈夫だろうと賭けにでました
(小野は前に出て攻撃的なプレーを開始する)
中村:中盤の守備が最初は二人いたのに福西さん1人という中途半端な状態になった
(番組では、この小野投入を失点への助走が始まったと指摘)

後半39分、ロングスローからの川口の飛び出しミスからの同点ゴール
同点ゴールについて
鈴木:ジーコというのは基本的なパターンを動きを選手に教えて伝達して、その後はケースバイケースで、選手の自由なチョイスを与えているわけですね。ただ、かなり長いロングスローはやってくると情報にあったわけですよ。何回か練習したんですけども、あの時に川口が、あのボールに対して出てくると。出てくるような動きをしてなかったという風に思うんです。でもそれを任せたのはジーコだし、選手が個人個人でチョイスする。でも基本的には練習でやった形をやろうよというのが、ジーコのスタンスでもあるんですけども。

1-3での敗戦後
鈴木:ショックも大きいですね。こんな展開になっちゃって。冷静に見ていられる人いないでしょう。(ジーコの終わった後の様子は?)監督は、この試合、1回も「勝て」とは言わなかったんです。勝てるような準備をしてきた訳だから、もう全力を出せ、目標に向かって。目標というのは勝つこと。「勝て」と言ったことはないんですけども、ただ「負け方」というのが厳しかったんじゃないかと。ただ、それを引きずらないようにというのが、ジーコの頭の中にあったと思う。

(番組)トルシエを規律で縛り、選手を機械の歯車のようにするサッカーと規定。ジーコは自由で攻撃的なサッカーをしたいと言った。

それへのジーコの反論(2006年5月16日)
ジーコ:規律で選手をしばれるという考えは机上の空論でしたかありません。そんなことで選手を引っ張っていけるかというと、非常に難しいと思います。大事なことは練習を通して1人1人の選手に自主性を持たせることです。そのために選手とは常に話をして、お互いの気持が分かりあえなければならないと思います。

自分たちで考えて自由にやれというジーコの考えは、今の段階の日本代表に最適だったのか?
鈴木:自由というのは「選択の自由」なの、自分たちの。基本的なゲームプランというのはあるわけですね。イメージトレや練習の時も、ずっと含めて言うんですけども。絶対に、ジーコが言うシチュエーションだけではないわけです。何百何千というシチュエーションがある中で、自分たちで判断して動いていいということ。例えば、Aという選手がボールを持って前に出た。その時は必ずカバーリングする。カバーリングするのは誰でもいいんだけれども、「お前がカバーしろ」。そういうコミュニケーションができていれば、どんな選択をしても構わない。

(中田英寿に関して)
鈴木:前の監督との色んなやり取りの中で、行き違いがあって、「もう自分はいいかな」というような思いを持っている。ジーコは「絶対に中田を呼ぶんだ」と。「いいんだ。やっぱり能力がある」と。それでジーコとヒデが30分話したんですかね。それでヒデが「それならやってみる」という形になったんです。

(番組:自分の考えをはっきり言う彼は、時としてチームから浮いてしまうことがあった。2005年3月23日テヘラン、紅白戦のさなかに中田と福西が口論になった、その時のジーコ)
ジーコ:これでいいんだ。殴り合いになれば止めに行こうと見守っていた。
鈴木:ヒデの発言の仕方、表現の仕方と、周りの受け方というのはギャップがあったんじゃないですかね。ヒデが浮いてるというのはジーコも分かるし。(食事の時も?)1人で離れて、そのうちスタッフと食べたり。そこをジーコはつくわけですね。「やり方があるだろう」。もう少し受け入れられるやり方。自分を捨ててというわけじゃないけれども、自分の要求をチームに伝えるということが大切なら、少し回り道をしてもいいんじゃないかと。そういう表現ですよね。それでジーコがね、「実は俺も昔そうだった」と。「自分はけっしてバリアーを張ってるつもりはないし、人を遠ざけているつもりもないけれども、何か人が寄ってきてくれない」。でも自分はチームメイトなわけです。なんとかしてというと、やっぱりどうしても自分が他の選手のところに自分から入っていくしかない。そういう努力をしないと、もう一皮むけないぞと話したことを覚えていますね。

(ジーコは何よりチーム内の雰囲気を大切にした。長い時間共に過ごすことによって生まれるチームの和。選手へのリスペクト)
鈴木:ジーコが「俺が監督だったら」という話を一回したことがあるんですよ。まず雰囲気作りから始めるなと。Jリーグってすごいハードなスケジュールで、選手達は本当に疲れ切っているわけですよ。だからサッカーで一杯一杯になっているんで、代表に来たらアットホームな形で、ご苦労さんと。みんなエリート集団なんだから、自分たちで楽しんでサッカーやろうよ。だけど国を背負っているわけですけども、そういう雰囲気作りからやりたいと言ってましたね。(マスコミの前で選手の悪口を言わないと?)絶対に言わないですよね。(1人になった時は言うんじゃないですか?)ぶつぶつはいいますよ。それは俺に対して言ってるんじゃなくて、独り言言ってるのは聞こえるわけですよね。「なんであのボールが入らないんだ。なんでこうなったんだ」というようなことは言ってますよ。絶対に公の場では言わないですよ。通訳してて思うんだけども「どうやってかばうんだろう」と。なんか独特な、ちょっと支離滅裂かなと思うような理由をつけながらかばうわけですよ。素人が見ても、こいつ最低だと思うときでも、どんな理由をつけてもかばうわけですよ。自分が大事にしてる選手をボロボロになりながら守ってきたわけですね、最後まで。

クラマー氏(現在81歳)登場
クラマー:(ジーコは選手が自分たちで考える、自由を与えたんですが、これは日本には早すぎるという意見もありますが)まったくそんな事はありません。「日本には早すぎる」ということはないのです。監督は色々な約束事を設けることはできます。しかし、約束事を消化するのはあくまでプレーヤー自身なんです。監督は試合に出ることはできません。つまり所詮ベンチからは何もできないのです。だからこそ、プレーヤー個々に自由がなくてはならないし、その場その場での瞬間の判断ができなくてはならない。つまり自主性を持っていないといけないのです。川淵や釜本に聞いてみてください。私は彼らに自由を与えました。その理由は彼らの個性を伸ばすためです。個々の選手が生まれながらに持っている才能を引き出し、それを伸ばすためには自由が必要なんです。私はジーコのやり方に賛成します。

ジーコの10歳上の姉姉(マリア・ジョゼー):(4,5,6,7歳ぐらいのジーコはどんな子供でしたか?)。ジーコはとにかく几帳面な子供でした。いつもお兄ちゃんが遊んでくれるわけじゃなかったので、よくひとりでサッカーゲームをやってました。でも、それがいつもフラメンゴ対フラメンゴなので、必ずフラメンゴが勝つんです(笑)。しかも試合の結果を丁寧にノートに書き込んでいました。そのノートも整理して大切に保管するそんな子供でした。(ジーコの華奢だった身体について)栄養士の指導のもとで食事療法もしていたんですが、ジュースが見あたらないと「僕のジュースはどこ」って探してました。私は毎日、オレンジやニンジンやトマトが入ったミックスジュースをジーコのために作っていました。

2006年1月のジーコ
ジーコ:(ブラジルにいるジーコさんと日本にいるジーコさんは違うんですけれども)今は仕事を離れて子供や家族に囲まれていますので、そりゃ仕事中の顔とは違いますよ。(監督の面白さはどこにありますか?)フラメンゴの時とは違って、私の満足や喜びは選手としてゴールを決めたり良い試合をすることではありません。大事なことは日本代表チームをちゃんと機能させることです。そのために重要なことは若い選手を成長させ一流プレーヤーにすることです。以前から私はいつも言っていることなんですが、日本人のヒーローが必要です。そこで初めて日本のサッカーは成長すると思います。今は監督でいることが私の喜びです。でも少し髪が薄くなりました。白髪も増えたし、(監督してなかったら、もうちょっと良かったですか?)多分ね。この白髪だけど、こっちは小笠原でこっちは中村そして中田。名前がついてるんです(笑)。

6/14ボン(クロアチア戦前)
ジーコは守備のシステムを3バックから4バックに変更した。そして珍しいことがあった。ジーコが中田ヒデを呼んで、「あまり前に出すぎることがないように」注意した。これまで中田にはほとんど注文を出していなかったジーコ。何かが変化していた。

6/16クロアチア戦前にボンにある日本食レストラン「上條」にて選手達だけで決起集会を開く。注文はすき焼きだった。笑い声が響いていたそうだ。店主は話の内容に関しては、全く触れず。(あえてとぼけてたのかな?)

(6/17)試合前日のフランケンシュタディオンでの公式練習、通常、ピッチの上で行われるミーティングが、この日に限ってはロッカールームで行われた。ジーコはスタッフを外に出し、選手だけに話しかけた。「私の指示通りに動いてくれ」。細かい戦術は選手同士の話し合いに任せてきたジーコが。今までにない言い方だった。

鈴木通訳:ずっと今まで4年間そうだったんですけれども、選手達がそれぞれ自分の考えを言い合うというのは、このチームは普通だったんですよね。でも、やはりクロアチア勝負ですよね。クロアチアに負けたら全然可能性がない訳ですから。第1戦に負けた事によって、選手達も次は勝たなくてはならない。そうすると気ばかり焦ってしまって、自分で「こうしなくちゃいけない。ああしなくちゃいけない」。あれだけの人数がいるわけですから、23人がもうほとんど考え方が別ですね。話し合ってはいるんですけども、そこでまとまったものが出てこなかった場合、後で悔やみ切れないという気持がジーコにあったので、「ここは自分に任せてほしい」と。良くても悪くても自分が責任を取る。自分の指示通りやってくれと。クロアチアに対して、どういう守備的なものを取るのか。相手のエンドに行ってボールを取られますよね。その時に、そこではプレッシャーをかけずに、全員が一回引くんだと。ハーフウェイラインまで。

ジーコの指示:守備に関すること。相手の陣内でボールを奪われた場合、その場所ですぐにボールを奪い返しに行くのか、それとも一度全体が下がって立て直すのか、その判断は今まで選手に任せてきた。しかしクロアチア戦を前にして、ジーコは監督としての考えを明確に打ち出した。一度全体が下がって立て直せと。

鈴木:(初めてですよね具体的な指示は?)そうですね、あの種の指示は、流れの中ではやっていたんですけども、ああいう風に具体的に指示を出したのは初めてですね。

6/18クロアチア戦
鈴木:(前半21分の川口のPKストップについて)独特の能力ですよね、能活の。この時に彼に聞いたんですけれども、最初は呼んで飛ぼうかと思ったんですって。蹴る前に、「いや、これは待った方がいい」と。「ボールに反応した方がいいと思った」というんです。

発熱が伝えられていた中村について。中村:試合前にジーコに「先発を外してもらってもかまわない」と言った。そしたらジーコは「変えられない。それで何を言われようが、自分が責任を取るから、だから「代えてくれ」とか言うな」と。

鈴木:(中村の体調に関して)熱もかなりあったんですけれども、試合の前は下がってたんですね。ドクターもこれなら行けるでしょうという判断でいったんですけども、本来の調子とはかけ離れていて、でも、それでもジーコは使うわけですよ。一発のスルーパスというのは、今まで色んな状況の中で、彼はチームを救ってきましたし、FKとかで。最終的にこういう拮抗した試合の中で、試合を決めるのは個人の技術だという考えなんですよ。

鈴木:(後半6分の柳沢のドフリーのシュートミスについて。完璧に1点取れるシーンですよね?)はい。プロとしてしょうがないですよね。騒がれてもこれは。本当にコメントするの難しいですよね。何だろう。これって。4年間、ずっと練習してきているわけですよね。特にジーコが言うのは、「どうしてあのボールが枠に行かないのか」とか、葛藤があったと思うんです。そういう点を抑えて。自分とレベルが違う下の人間の良さを発揮させながら、高めていくという忍耐力はすごいものだと思いますよ。自分でうあれば簡単に入るわけですから。なんであそこにボールが行かないという方が理解に苦しむレベルから。ずっと我慢してるわけです。彼は自分でできるだけに余計に辛かったんでしょう。何かW杯独特の雰囲気とかあったんですかねえ...。(かなりショックでした?)本当、元気なかったですね。

1990年2月6日、マラカナンスタジアムでジーコの引退セレモニー

ジーコ:(91年になぜ、日本のアマチュアの2部のチームに行くことにしたのか?)理解してもらえるかどうか分かりませんが、私が住友へ行ったのはサッカー選手として行ったのではありません。サッカーをプレーしたのは、日本サッカー発展のためでした。プロのサッカーとはどういうものなのか、プロの選手としての振る舞いはどうあるべきか。日本はサッカーのプロ化を望んでいましたので、その種の導きを必要としていたのです。

妻サンドラ:(なぜジーコは日本へ?)本当のことを言えば、私もびっくりしました。急に何か決めちゃうんです。いつもそうです。ただ約束した人は必ず果たす人です。それに彼はチャレンジが大好きなんです。いつも言うのだけれども、自分はそのために生まれたって。だから日本へ行ったのも一つのチャレンジだったんでしょう。(ジーコの欠点は?)欠点は誰にでもありますから、もちろんジーコにもたくさんあります。例えば新聞を読んでいる時に声をかけてもまるで上の空です。特にTVでサッカーを観ている時などはひどいもので、まるで人の話は聞いていません。子供たちもしょっちゅう文句を言っていますよ。

住友金属に初めて来た時のジーコの挨拶
ジーコ:どんな時でも常にサッカーをうまくなりたいと考え続けて欲しい。うまくなりたいと思って練習し続ければ必ず日本サッカー界でチャンピオンチームになれると私は確信しています。
*ジーコは情熱を持ってチームメイトにサッカーの指導を行った。その姿は鈴木によれば「鬼軍曹」のようだったという。

鈴木:(ここで住友金属の指導をしてる時は楽しそうでした?):怖いというか楽しそうといか、「全てを変えるだ」という情熱がたぎっているわけですよね。みんな同じような感じで、常に怒られてるというか。彼にとっては「怒る」という感覚じゃなかったんでしょうけど。ああいう物のしゃべり方をする人だから、それが情熱こめてしゃべるから。受ける方にとってはつらかったです。毎日。地獄のような日々でした。「明日は何を言われるんだろうか」とか。当時はジーコは上野毛(東京都世田谷区)に住んで、車運転して帰るわけですよ。自分で運転して。その時に、たまたま乗せてもらった時に、止まるたびにハンドルに頭ぶつけて「ダメだぁ!」と言うわけですよ。最初、ずっと「ダメだぁ!」を聞いてたわけですけども、「何がダメなんですか?」と聞くと「どうしようもない。俺はここで何をやっていいか分からない」と。もうあまりにもレベルが違いすぎるということですよね。一生懸命やってるんだけれども、どうにもならないと言ってるわけですよ。こちらとしてはなんとも言いようがないわけですよね。で、翌日、こちらに来るんですけど、車で。その時は別人になってるわけです。「今日もいくぞ~!」と。またうちひしがれて帰ると。その連続です、当時は。

鈴木:ファンの方達を大切にするんですね。プロとして何十年も生きていると「この人たちがいるから自分たちは生きて行けるんだ」と。入場券を買ったり、あるいはスポンサードでやってくださる方のために。だから、必然的に時間があれば必ずサインをする訳です。どんな時でもとにかく。そこら辺がプロ意識。こんな細かいとこから、いかに自分達がボール蹴って、本当、サラリーマンの人たちが羨むようなお金をもらって、いい車に乗ってられるのは、みんなこの人たちのおかげだと。あの人は、本当にそれを実行するわけです。

1993年5月16日Jリーグ開幕、鹿島スタジアムでの対名古屋戦。ジーコのハットトリック。ジーコは日本の15年間での最大の功績は開幕戦ハットトリックだと答えている。
鈴木:私は意味が分からなかった。どういうことなんですか?と。あの時に世界はJリーグが発足したというのは知識として持っているんだけれども、本当にアジアの島国、日本という所で、たまたまJリーグというプロができたという認識しかないんです。ジーコがハットトリックすることによって、そのことが世界にニュースとして流れるわけです。「ジーコもやってるんだ」と。ということは、ある程度本気なんだなと、日本という国がね。ここまでジーコを呼んでまでやるんだという。あれから世界が日本に対して注目しはじめた。本当に讃えられることができるのは、あのハットトリックだと。

日本での引退後、1994年、リオにジーコサッカーセンター設立。
ジーコ:(何もしない、休憩するという考えはないんですか?)ないですね。私は何かを生み出すということが大好きです。何もしていないと15日異常は耐えられないと思います。人生は絶えず動いていなければならないと思います。今は休んでいても新たなモチベーションが出てくると思います。今している仕事も新しい仕事につながるかもしれません。それが人間の人生ではないのでしょうか。新しい挑戦を探している人は、日常のマンネリ化にはまってしまうことがこそが危険なのです。(これまでの人生を総括すると?)神から多くの恵みをもらっていることに感謝しています。自分としても最大の努力をしました。それに対して多くの見返りを全ての面において受け取っています。

6/22、対ブラジル戦
ブラジルの先発メンバーはジーコの予想を裏切るものだった。
鈴木:情報が入ってジーコが考えてるメンバーと違ったわけです。相手のスタメンが。若手を入れてきたんですけども、これ見た時に「うわっ!」て言ったんです。「どうしたんですか?」と。「これはやばいぞ」と。「どうやばいんですか?」と。「多分、これが最強のブラジルだ」と言うわけですよ。なぜまずいかというと、彼らは運動量も豊富だし、たまたまきたチャンスなんで、ものすごくアピールしますよね。もうモチベーションも十分ということで、ある程度誤算というか、そういう部分がジーコの頭の中によぎったと思うんです。(クロアチア戦と同じメンバーできた方が良かったわけですね?)そうですね。(VTRを見ながら、この試合はいい試合でしたね?)いい試合でしたね。少なくとも前半、本当にいい試合でしたね。守備もしっかりしてたし。(前半34分の玉田のゴールについて、ジーコ、嬉しそうですねえ?)最高でしたねもう本当に。この世の春みたいな感じですね、ここまでは。本当に2点目はいるような気もしてましたし、このブラジルのディフェンスついていけないですよ、斜めの動きってついていけないんですよ。確実にゴール見てシュート。ここで見てますよね。これは素晴らしいシュートですよ。(特に玉田への指示は?)練習の時に、本当に厳しいことを言われましたね。ちょっとでもミスすると「お前は、全部枠に入れなくちゃいけないだ」というようなことで、かなり個人的にも言われてましたよね。いまいち玉田が元気なかったんですよね。本来の玉田に戻そうと監督思っていて、わざと玉田に関しては強く言ってましたね。(前半のロスタイムの失点について、)もう全く想定外ですよね。ここで1点入れられる。選手もそうだったんですけども、サポーターの方達も全員そう思ったんですけれども、あの時ね、選手が引き上げてきたわけですよ。もう全員下向いてんですよ。ここで1点取られるほど、サッカー、明暗分けることはないんですね。逆にブラジルはここで「ダーッ」と盛り上がちゃうわけです。「行けるぞ」と。あの時にジーコ初めてね、語気を荒げそうになったんですよ。「こんな点をこんな所で取られて、うーん、まあ、いいや、しょうがない」という感じでしたね。俺もそのまま訳しましたよ、同時で。「何でこんなところで点取られるんだよ!まあ、しょうがない」と。「取られたものはしょうがない。頭上げて行こう」と。選手も同じこと考えているわけですよ。だからみんなこんな風(下向いている様子)に。負けたようなベンチ、ロッカーなんですよ。(後半のビデオを見ながら)シュートをよくジーコが言っているように、(ブラジルは)常に全員がゴールを狙っているんですよ。ということはボールを回している時でも、誰1人としてボールを回すためだけに回しているんじゃないんですよね。必ず見てるんですよ、ゴールを。そこがブラジル人の凄さだと思うんだけども、ただ単にプレーしてるんじゃないですよね、常にゴールに気持が向いてるわけです。だから、強いんですよね。日本はだいぶ良くなってきたんですけれども、一時は、「日本って全然怖くない」て外国人は言っていたんですよね。特にブラジルの選手と話して、「日本全然怖くない。だってゴール全然意識してないもん。球すごく回っているんだけど、あんなの回させてるんだよ。でも韓国になると、韓国は日本より技術は下手だけど、全員がゴールに向かってくる。その怖さがある」と。(ブラジル戦後のジーコは?)選手それぞれ思いはあると思うんですよ。いろんな思いがあの中に交錯してたんですけども、うちらから見ると、本当に絶望、絶望というか、呆然自失というか、あの球回し見せられた時に。まずベンチで言ったんです「何とかなんないですか?」と。すんごい球回っているわけですよ。「お前、言っただろう。ブラジルはリードしたら、絶対、これやってくる。これやれせちゃダメなんだ」と。逆に言ったら、「ああ、始まっちゃった」という感じですね。これ始まっちゃったら、そう簡単には止められない。反則で誰かあのリズムを止めてしまうか、カード覚悟でね。それしかないんですけども、それすらやる余裕が残っていなかった。選手達も同じ事感じてたと思うんですよ。とにかく触れないわけですから、相手の体にさえ。本当に完璧なボール回しですよ。ジーコの頭の中にはリードしたら、これが常にあったんですよ。それを目の前でやられてる悔しさと、かといってどうすればいいんだと。少なくとも俺が感じたのは、あまりにもとんでもないものを感じてしますと人間涙が出てこないですよ。何がなんだか、よく分からない。この空気は何なんだろうと。で、4年間が終わってしまった。本当に日本中を巻き込んで、やって4年間、それが、こういった形で終わってしまったと。本当にいろんな気持が交錯してね、口も聞けないような状態。まともに物が判断できない状態。独特の雰囲気でしたね。

来日して15年、日本代表監督に就任して4年、ジーコは何を残したのか?

ジーコラストメッセージ:日本は私が安心して仕事をするためのサポートをしてくれました。多くの人々が私のためにしてくれたことに感謝します。今の日本は私にとって故郷です。日本に来るのはブラジルに帰るのと同じです。私の中では違いがありません。それはみなさんの愛情があるからです。私の仕事を信頼してくれた日本にありがとう。

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2006年7月18日 (火)

中田英寿引退特別番組(抜粋)

中田英寿引退特別番組、2006年7月15日(TV朝日)
オールスター(17:00~19:00)の後のGタイムに放送
29歳、(チェコ・プラハにて撮影、ブラジル戦から3日後の撮影)

ざっとしたコメントの抜粋

中田:自分がみんなの期待に100%答えられなくなった。感情を素直に出すことが難しくなっていった

6/12、対オーストラリアについて(中田)
:3試合を通じて、セットプレーでいい形ができなかった
:前半26分の得点、相手が慌てはじめる。これが自分たちにとって楽になる。
:ボランチとDFラインの間にいるキューエルとブレシアーノの対処。最初から、「坪井がキューエルにつく」とか決めてしまった方が非常に楽だった。
:後半、FWがかなり疲れていた。そこでトドメを刺しにいけるFWに交代しなかったことが分岐点だったと思います。正直、疑問だったんですけど、「なんでここでシンジなのかな?」と。後半34分。「1点は取られるだろう」という予想。シンジに守備をしてもらって、俺がトドメをさしに行く。でも、思った以上にシンジも前に出てきていた。みんなの意識が揃っていなかった。ジーコも落ち込んでいた。
:トルシエとやった後、「代表はもういいや」と思っていたが、なぜやったかというと、ジーコの人間性があった。疑問の余地はなかった。ジーコの自由。その分、責任が出る。
:ジーコは明確な指示を与えるわけではない。だから場面場面で「どうしたらいいの?」ということが多かった。4年間やってみて。現時点では、トルシエのような、全て命令されてやるやり方の方が合ってるかなと。そっから先に、もう一歩行く。自分たちで決めてやるには、早すぎたと思う。

5/14の中田コメント:精神的なものでもう一段階上に行かないと。
やる気だとか、そういうものはあるんだろうが、それを、いかに表現できるかというのは別の問題で。不安定。技術はあるけども。精神的なもの。

5/23の中田の故障の状態:左足首の故障。プレミアリーグの最終戦(5/7、対バーミンガム戦)から、ずっと痛めていた。国立スポーツ科学センター。水がたまった状態。チームメイトにも気がつかれないように。

キャプテン宮本との衝突(DFとの意見の対立)
:(中田)リスクを少なくするためにラインを高くしなければいけない。相手を自分たちのゴールに近づけないこと。押し上げること。攻撃のためではなく、失点のリスクを少なくするためにラインを上げるべきだ。オーストラリア戦について:前半に関しても、ずっとラインが低くて、後半も、ずっと自分たちのPKエリアの前、あれをやってたら、FW、中盤は、大きなスペースを走り回らないといけない。死んでしまう。自分たちのいいサッカーができなくなる。それが、あの試合の一番のミスだったんじゃないかと..。日本は自分たちのラインが低ければ低いほど、自分たちのサッカーができなくなる。高ければ高いほど、自分たちのサッカーができる。宮本の意見には納得できなかった。

:(宮本)DFを上げるのは、試合の展開しだいだ。展開では、どうしても低くなる場合もあるが、その場合でも、前線との距離が近ければ問題なかった。高ければいいとは思わない。コンパクトであればいい。

W杯、オーストラリア戦後の代表の様子:オーストラリア戦後も、変わらない、危機感を感じさせない練習があった。「集中して練習をやることが苦手なチーム」。「練習の中で厳しさを求めることが苦手なチーム」だった。一番、危惧してたところだ。ジーコが練習で怒ったのは、4年間で、後にも先にも初めてだった。クロアチア戦の3日前、選手だけの食事会、宮本と中田の発案。(しかし、16人しかサインがなかった。これは新聞情報)

対クロアチア戦の中田による検証
中田:クロアチア戦はオーストラリア戦に比べてラインが高くなってるし、それによって、早い跳ね返しができたり、そっからの早い攻撃がある程度できていたんじゃないかと思います。
「よく見れば最後まで可能性を残した。けど、正直な話、僕としては勝てた試合だと思う。それを落として非常に痛いマイナス2だと思います」
隠れてしまっていた問題、突き詰められていた問題が全部出た。膿が出た大会だったんだなという気がします。
追いつめれれているのは、オーストラリアに負けてから、すでにそこから追いつめられている。あとは開き直ってやるしかない。後半6分の柳沢のシュート凡ミス。
普段の柳沢だったら絶対にアウトサイドで蹴らないだろう。クロスは非常に早いクロスなだけに合わせるのはあれですけど、やっぱりいつも来る準備をしてることが重要じゃないかと。こういうパス回しを見ても分かるように、本当に、全員が止まっているんですよね。一つのボールに対してパスコースが少ない。みんなボールを出した後に止まっている。自分たちがパス回しをしてて苦しんで相手に追いつめられている。僕なんか、そういう、ポジショニングを考えてとは言えないから、自分たちのゴールラインに近くなったとしても、敵からのプレッシャーを絶対に受けないポジションでもらわないといけない。みんな止まっている。そして日本のバックラインでのパス回しは右からきたら左、左からきたら右で、変化がないから、相手はただ動くだけ。体の疲れより、頭の疲れを出させる。それが後ろでのボール回しの狙いなんで。相手が面倒くさいと思わせれば勝ち、そこで初めてスピードアップして前に出て行く。それがボール回しの狙いなんですけど。
(クロアチアの攻撃に対して、フクがかわされた辺りで、前半28分)。そこでDFがつめないと行けない。(まあアレックスのことだけどもね)
人数がいてもマークにつききれていない。まあ、僕も、ここでもうちょっと頑張って走らなきゃいけなかったんですけど。それを象徴するシーン(後半9分、4:6で決定的なシーンを作られたシーン)。

アレックスへの個人攻撃(つめにいかないアレックス、クロスを楽に上げさせているアレックス)後半、特に不安定。
:日本のDFは相手の前でカットするということが非常に少ない。他の国に対して比べると圧倒的に少ない。それもマークをきれいにつけようとしすぎるし、他の国のDFは、必ず前でカットしようとする。
後半0-0が続いて、やっぱり勝たないと行けない試合、僕としては前に行きたい。けども、試合の状況を見るとカウンターを受け続けて、前に行ったら、完全に穴が空いてしまって難しいなと。最終的には守ることを選択した。

チャンスのシーンでのポジショニングのミス。
:ゴール前での怖さがない。転んでもいいから点を入れる、そういう泥臭さ、そういうものがない。
どこにどういう問題があるかは、前々から分かっていたことで、みんなが真剣になって、それに向き合ってなかった。

:大事なところで相手に必ず相手の自殺点だったり、ロスタイムで得点したり、どうにかぎりぎり切り抜けていって、それによって隠れていた問題点、本当だったら出ていた問題が全部出た大会だったのかと思う。
調子の波が大きかった。
:自分たちがいいサッカーをやるときのイメージ、悪いサッカーをやるときのイメージ、何が良くて、何が問題かということに、選手全員がみんな同じイメージを持っていなかった。ジーコが激怒するほど、チームに危機感が感じられなかった。
:何が一番足りないか、「気持」。プレーをするときの覚悟、それが一番足りない。練習をやるときでも覚悟が足りないから、厳しい練習ができない。

対ブラジル戦についての検証
HPの「誇り」について:自分自身で妥協してないか、悔いなくやる。全部出す。自分の中でやり残したことがないかと。そういう言葉を使った。バラバラになりそうなチーム。
玉田のいい所:彼はシュートの精度というのはいいものがあるんで。完全にラインにはなってないじゃないですか。これだけばらばらなラインになってるのはありえない。相手がブラジルでも、自分たちのサッカーができる。

ブラジル1点目の解説:人数がいてもマークを見ていない。(中沢のボールの見方に注文をつけてる中田)それをカバーできてない坪井。(言うとかカバーするとか)同点にされた時、この試合、実質、決着がついたかなというところはありましたよね。

僕は、周りの人が思っている以上に日本代表のことを評価していて、すごいみんなうまいし、海外に行ってもできる選手がいっぱいいると思うし、それだけに、彼らが100%の力を出せないことが僕自身も悔しかったし、彼らはいい選手だけども、彼ら自身の力を100%出すやり方を知らない。それをどうやれば出せるのか?そのために4年間、ずっと言い続けてきた。結局、それが、僕の押しつけと取られる部分が、向こうにはあったんだろうし、今回の大会にしても、100%出せれば、予選突破どころか、もっと上まで行ける力が合ったにもかかわらず、100%、自分たちの力が出せなかったことが非常に悔しくて。通用しないとは思って欲しくない。ただ、100%の力を出せていないということに気付いて欲しい。
僕は「頑張る」ということは言わないようにしてる。なぜかと言うと、それは当たり前、最低ライン。そっから何ができるか、。代表だけじゃない。自分の仕事に対して全力でやるということ。あの場に立っている資格がない。今後、どうやれば自分たちが良くなるのか、それを分かって欲しかった。

中田がどうしても伝えたかったこと。最後のロッカールーム
:下手すれば、何にも残らなかった大会。最後にも関わらず。FANメールがいっぱい来て、救われたところがあった。がつがつやってる。覚悟が見えた中田浩二に声をかけた。「今日みたいな感じで続けていってくれ」覚悟を持っていると思った選手。
能活について:昔のヨシカツに戻ったようだ。大人になって大人しくなっていた部分があった。けど、昔の覚悟が出てやってたのかなと。昔の覚悟がでて良かった。

ジダンについて:普段サッカーを見ない僕に、唯一、サッカーを見たいと思わせてくれる選手だったし。彼以外ではいなかった。

日本について語れない自分がいる。世界中を旅すること。

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