オシム関連(資料)

2007年7月11日 (水)

カタール戦、いろんな考え方、リンク

セルジオ越後
http://blog.nikkansports.com/soccer/sergio/

湯浅健二
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_4.folder/07_ac.7.9.html

李春成
http://plaza.rakuten.co.jp/starsoccerbp12/diary/200707100000/

宇都宮徹壱
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/column/200707/at00013826.html

武藤文雄
http://hsyf610muto.seesaa.net/archives/20070709-1.html

個人のスポナビブログ
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/nofootballnolife/article/76

あとは7/10のスポニチに金子達仁のコラムがありましたが「魅せる試合をするというプロ意識がなかった」(苦笑)という趣旨で、唖然としました。

あとサポティスタの管理人の意見では「ユース代表の方がよっぽど大人のサッカーをしている」とあります(苦笑)

いろんな意見がありますが、オシムに与えられた厳しい条件のいろいろを考えてみた方がいいでしょうねえ。

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2007年4月26日 (木)

お知らせ、資料庫移転

オシム関連のコメントなどは、以後は
NETTARO倉庫
http://nettarosouko.cocolog-nifty.com/

の方にUPいたします。よろしくお願いいたします。

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2007年4月18日 (水)

日本代表候補トレーニングキャンプ20070418練習後のオシム監督コメント

●オシム監督(日本代表):
Q:3日間の合宿の大きなテーマと成果は?
「期間が短かったですけれど、これ以上、長い期間は取れなかったことをみなさんはご存じだと思います。年初めに計画に入れていなかったですから。これを実現させてくれたJクラブの監督さんにお礼を言いたい。選手にもご苦労様と言いたいです。これまで週2回ペースのゲームがあったけれど、今週は週中の試合が空いてオフになっているクラブも多い中、練習に来てもらって本当にご苦労様でした。でも彼らにとってはチャレンジのチャンスでもあった。頑張ったことがいちばんの成果だと思います」
Q:今日の練習試合4本の感想は?
「みなさんはどうお考えでしょうか? 今日のゲームはみなさんのために行った。それを見て、みなさんがどうお感じになったかはお任せします。ある人はある見方をします。テレビコメンテーターの言ったことをそのまま信用する人もいるかもしれません。それはメディアによりますが、ここにいる人は自分の目で試合を見たわけだから、自分の感想を持ってください」
Q:選手同士が知り合うこともテーマだったが、その成果は?
「選手同士は合宿前から知り合いだったと思います。この合宿でどのくらい深く知り合ったか私は知りません。いずれにしても、選手たちは記者やサポーターのいないところで過ごす時間を比較的多く取れたことがよかった。特に何かがあったわけではありませんが。もう1つは観客席から選手を見るのと、実際にトレーニングをするのは違うと前に言っていましたが、こうして実際にトレーニングをさせてみたことで印象が全く違いました。それが私にとってはいちばん大きいです」
Q:新しい選手たちが入って刺激が与えられたが?
「どちらがどちらに刺激を与えたのか、結果をお楽しみにというとことでしょうか。本来、代表に選ばれること自体、選手の刺激になります。すでにJリーグにこうした成果が現れていると思います」
Q:新しいボールを使ったりと、アジアカップへの準備が進められたようだが?
「新しいボールを使うことそのものが目的だったわけではありません。ボールが目的なら、合宿をせずに1つずつボールを買って選手にあげる方が安上がりでした」
Q:アジアカップを意識した練習メニューはなかったのか?
「ここで1からなぜこの合宿をしたのかという話をすると、広い範囲に及んで時間が足りません。今日のゲームを見て、準備が進んでいるかいないかが判断できるかもしれません。アジアカップまでは時間があるし、まだチームに変化が起きるかもしれません。ただ、選手についての情報はより多く集まりました。私の源は広がりました。それ以上のことはまた今後、考えたい。この試合を私も見ましたが、みなさんも見ているわけです。どういうものかきちんと見ていればうれしいです。アジアカップに行くメンバーを決める時、あるいは発表の際、私や技術委員会のスタッフに議論をふっかける必要がないようにしようと望んでいます。全員に納得してもらうのは難しいが、大部分の人に理解してもらえるようにはしたい。今回、それにあらゆる合宿で、みなさんに分かるように示しているつもりです。小さなことを積み上げるのが先につながりますから」
Q:闘莉王選手(浦和)が全体練習に合流しなかったが?
「それで? 別メニューは禁止されているのですか?」
Q:昨日、ピッチで話し合ったのは、ケガの状態の確認か?
「負傷しているのであれば、今回の合宿には呼んでいません。でも負傷するリスクが高いので、それを優先して今回のような措置を取ったわけです。彼が給料をもらっているのは浦和レッズで、浦和にとって彼は必要な人間です。無理をさせてトレーニングさせると、取り返しがつかなくなることもある。と同時に彼が確実に代表に入るというわけでもありません」

※以上が会見コメントです。以下は、報道陣でオシム監督を囲んだ際のコメントです。
Q:今回やって、改めて5月も合宿をやりたいと感じたか?
「私の考えがどうであれ、Jのクラブの監督が認めてくれるかどうか。またその返事を待って考えないといけません。それも年度計画に入っていないので。今回も各クラブが話し合いに応じてくれて、合宿を実現できた。それに感謝していますし、5月もそうしたいと考えています」
Q:今回はコミュニケーションが1つのテーマだったが、それ以外にやりたいことは?
「トレーニングをずっとご覧になっていれば分かりますが、ある部分は機能し、ある部分はうまくいかなかった。うまくいかないところを機能させるには共通意識を持たせる必要があります。しかし私のチームはまだより完璧なものを目指している段階です。ある程度メンバーを固定して、トレーニングやゲームを繰り返していればできるでしょうが、まだできていません。部分的にはできていますが。基本的にコンビは余計に走ったり、技術を発揮したりする気持ちを持たないとできない。コンビはただボールを蹴るだけではなく、走らないといけない。3人以上が折り重なってよりいいコンビになります。1人だけではコンビということにはならない。それは1人よがりのプレーでしょう。1人でできるならコンビは必要ありません。そういう中で、同じクラブから3人、4人と出ているところがありますが、クラブでできているオートマティズムが代表でも発揮されることがあれば、歓迎すべきことでしょう」
Q:メンバーを頻繁に入れ替えているから、オートマティズムを構築するところまで行かないのではないか?
「今回、何人の新しい人が入りましたか? 少なくとも15人は常に呼ばれている選手でしょう。それがチームの中心ということではいけませんか? それ以外の5~6人は常にオープンです。主力にケガが出た時に差し替えないといけないし。あとは主力に代わる選手が突発的に出てくることもあります。そういうための枠と考えてもいいでしょう。
これは記者との綱引きのようなものですが、常に同じ選手を20人呼べば、どうしてこの人を呼ばないのかとなる。逆に今回のように新しい人を呼べば、オートマティズムができないといわれる。現実はチームのベストがある程度、固まっていて、それ以外はJリーグにいる全ての選手にオープンになっているのです。ただし、ベストメンバーの考え方について、必ずしも私とみなさんの意見が一致しないかもしれませんが。どの国でも監督の記者の考えは一致したことはありません」
Q:合宿を通してリーダー役の選手は見つかったか?
「私個人は重要な問題だとは思っていません。しかし1人だけではなく、4~5人はそういうタイプがいて、しかも自分自身もクオリティを持っている選手がいれば悪くない。クオリティとはプレーの質であるわけですが、ベンチに座っていてもそういう価値を発揮できればそれがいいです。しかしそういう選手はいつもいるわけではありません。選手個々人が責任感を持つことが第一です。そういう人なら他の同僚への責任感を全うすることができます。その中からリーダーが生まれるかもしれません。ただ、今の瞬間ははっきりとリーダーといえる選手はいません。いちばんうまい選手がリーダーとも限らない。チームとしていいチームならそれでいいと思います」
Q:選手たちが代表合宿に来るたび、練習がきついとか難しいというが、クラブの内容とそれほど違うのか?
「難しくもないし、大変でもないと思います。コーチたちの方が大変です。選手はそれほど大変とは思っていません。何パーセント練習を理解したかとか、そういう数字は分からないですが、私としては単純なトレーニングをやっているつもりです。長々と説明しなくてもやれるようになるプログラムを考えています。だからミーティングを長々やる必要もありません。プランを書くことは誰にでもできますが、実際にプレーで示すことは大変です。選手たちはそれぞれクラブの監督からミーティングでさまざまな話を聞いていて、インテリジェンスを持っている選手ばかり。私からたくさん話さなければいけないという必要もありません。Jリーグの戦いからかけ離れた代表チームというのはありませんから」
Q:U-22代表が試合をしている時期に、U-20代表の選手をあえて呼んだ狙いは?
「呼んではいけないのでしょうか? 呼んだということで、私の考えをお分かりいただけないのですか? 若い選手を呼ぶことはいいことです。刺激という話が出ましたが、才能ある若手を呼ぶことは何よりも刺激になります。もしかして理解いただけない人もいるかもしれませんが。ベテランを呼べばどうしてとなるし、若い選手を呼べばどうしてという質問が出ますから。ペレが17歳で代表に入り、メッシが18歳で活躍したという記事をみなさんも書かれますが、柏木と内田を呼ぶとどうしてという質問をする。逆にこちらからどうしてと質問したいです」

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2007年3月24日 (土)

ペルー戦後、選手コメント

中村俊輔(セルティック)
今日は相手の8番(バサラル)のマークが空いていたので、自分が付くようにしていた。コートの3分の2まではボールを運ぶことができるけれど、そこから先の3分の1でどう崩していくか、シュートまで持っていけるか。ボランチが運んできたら、そこでトップ下のような形になるし、自分だったらFWみたいなプレーもできないと。(鈴木)啓太にしろ、(中村)憲剛にしろ、みんなサッカー観が似ていると思った。みんなとしゃべっていると分かる。あとはFWとの連係。誰かが誰かを意識して動くから、チームとして連動しているし、どんどん良くなると思う。自分としてはやるべきことが多かったので、チームの流れを止めないように気をつけた。やることは多いし、体調もちょっと厳しかった。新しいチームだし、自分で仕掛けることとかよりセーフティーに散らして散らして、勝負に行く瞬間が少なかった。自然とシュートも少なくなったけれど、チームに合わせるのが先決だった。変に突っかけて、ボールを取られてしまってもね。個人のプレーでリスクを負うことをしないように、ボールと人が動くことを意識した。(FKのアシストについて)1点目はGKとDFの間に3人くらい味方が固まっていたので、その中の誰かをと思って狙った。2点目は、本当はヤット(遠藤)のポジションだったんけれど、監督と目が合って首で合図されたので(自分が)蹴った。
 
■鈴木啓太(浦和レッズ)
自分たちのやりたいこと、ベースとなる部分を作れたところは多少あった。もう少しディフェンスラインと中盤との間で速いパス回しができればいい。相手は前からのプレスが強かったのでそこは臨機応変に対応して、前線に当ててチャンスを作ったりするなど、そういう部分は良かったと思う。(立ち上がりで)相手のボランチへのプレスができていなかったので、そこは修正した。高い精度があるセットプレーは日本の武器だと思う。
 
矢野貴章(アルビレックス新潟)
(前半ベンチで見ていて)相手のプレスが効いていたけど、後半は疲れてくるだろうから、裏から狙っていこうと思った。羽生さんと一緒に出て、裏を見ていてくれと言われた。今日は出場できたことで自分はいっぱいいっぱい。もっと長い時間出られるようになりたい。緊張感は特になかった。(海外組を見て)プレッシャーの中で非常に落ち着いている。見習いたい。

■高原直泰(フランクフルト)
(ゴールシーンについて)落ち着いてトラップができたので、流れのままに反転して打てた。ユウジ(中澤)に先を越されそうになったのでちょっと慌てた。俺がトラップしたのに(笑)。初めてこのチームでプレーした割には、そこそこできたと思う。中盤に引いてボールをもらったりそこからさばいたりすることはできたが、あとはゴール前でいかにボールを受けるか。チームの方向性はやっていて面白い。ボールが動けば全員で反応する。もっとそれが徹底できればボールも回る。サイドチェンジは有効だったし、加地や駒野も積極的に仕掛けていった。前(ジーコ)のチームとは全然違う。自分は何ができるかという意味で、1点取れてよかった。まあ、欲を言えば流れの中から点を取りたかった。スコアは2-0だし、失点が0だったのはよかった。FWとして結果は出せた。移動の疲れもあるが、気持ち的にはプラスになると思う。クラブに集中してプレーできたことがプラスになった。ドイツで点を取っていなければここには呼ばれなかったと思う。
 
■遠藤保仁(ガンバ大阪)
(今日はよくボールが回ったが)いや、それほどでもない。こちらは2回動けばフリーになる。ダイレクト(プレー)がまだまだ少ない。海外組2人が入ることで、タカ(高原)は前でキープできるし、シュン(中村俊)からは正確なパスが出る。ただ、全体的に攻撃の形があまり作れていない。外から何とか崩せたけれど、もっとスムーズにいきたい。ビデオとかを見て課題を見つけたい。
 
駒野友一(サンフレッチェ広島)
前半はいい形を作れたけれど、後半は相手のマークがしっかりしてきたので、崩し方を変えるとか、試合の中でもっと考えないといけない。(海外組2人について)ジーコのときからやっていたので違和感はない。シュンさん(中村俊輔)が右サイドにいて左利きで、こっちのサイドが見られるので、いいパスがいくつか来た。ただ、そこからがまだまだ。2人が入ったことで、そこにボールが入るとタメの時間ができるし、2人とも視野が広い。ボールが来ると確信して走った。(前半のおしいシュートについて)真ん中が空いていたのでそこからシュートを狙ったが、もっと枠に行かせたかった。

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ペルー戦後 オシム監督会見

印象として肉でも魚でもない。あまりよくない、という意味だ。(選手たちは)ナーバスというか、自分の力を試したいという気持ちがあまりにも強すぎたので、神経質になってしまったのかもしれない。そのために不必要なところでミスをして、ボールを奪われることが何度かあった。ペルーが欧州組を含めたフルメンバーをそろえていたら、もっと厳しい試合になっていただろう。だから、勝ったといって浮かれることはできない。それが現実だ。日本は勝ったし、内容も良かった。それは認める。ただし、勝利そのものは良いことだが、その中にはダーティーな面もあった。それから、ペルーがチャンスらしいチャンスを作れなかったという現実もあった。(そうした現実に)目を向ける方には見えるだろうし、そうでない方には見えないだろう、もうひとつ別の事柄がある。特に後半だ。後半やったようなプレーを90分間続けなければならない。それができるかどうかはまた別問題だが、日本のサッカーの目指す方向性が、今日の後半の一部の時間帯に行ったプレーに表れていた。中には、後半の残り時間が少なくなり、相手が白旗を揚げていた時間帯だから、そんなに意味はないとお書きになる方もいらっしゃるかもしれない。だが、そういう事情があったにせよ、ああいうスピーディーなタッチの少ないボール回しを、試合の最初から行わなければならないと思う。
――ペルーにチャンスらしいチャンスがなかったということだが、それはペルー側に問題があったのか、それとも日本の守備がしっかりしていたからか?
 両方だ。彼らのチーム力(の問題)もある。逆にこちらから聞きたいが、今日の試合は何らかのアンラッキーな要素によって負ける試合だっただろうか。勝利に値しない試合内容だっただろうか。そうやって議論し合うほうが、記事を書くのに役に立つと思う。だが今の質問からすると、どちらのチームを応援していたかと聞きたくなる。どちらのチームを応援していたか? という質問にだけでも、お答えいただけるだろうか。
――もちろん日本代表をいちファンの視点として見ていたが、ペルー側の視点も持つことはあまり問題にならないと思う
 私はこの結果には満足していない。そのことについてはご理解いただけただろうか。ペルーがもし欧州から選手を連れてきていたら、違う結果になっていた。日本がミスを犯す時間帯が多かったことを申し上げた。それは私が最初に申し上げた印象であり、つまり喜んではいないことを別の言葉で言ったまでだ。いい試合だったとは言ってはいない。通訳が間違っていたのかもしれないが。
――では後半のプレーが良かったというのは、具体的にどの部分だったのか
 2-0になって、若い3人のプレーヤーを投入してから、スピードが上がり、ワンタッチプレーが多くなり、エスプリの利いたプレーが随所に見られるようになった。相手がペルーであっても、こちらがこちらのプレーをできていた。それは皆さん、ご覧になっただろう。それがポジティブな面だ。もちろん、ああいうプレーをどんな相手に対しても90分間続けられることが、簡単だとは私も思ってはいない。だが、あれが理想だと申し上げている。あれが、これからの路線の方向である。だから個人で打開することに頼ってはいけない。集団的なプレーが大事なのだ。そこで意見が一致しなければ、日本のサッカーの方向性にまた違った問題が出てくるだろう。もちろん日本は議会制民主主義の国だから、いろんな意見があっても構わないが。
――前半、ペルーが元気だったとき、なかなか日本が前線にボールを出せない時間帯が続いたのはなぜだと思うか
 質問の中に答えが隠されている。つまりペルーの個々の選手は悪くなかった。観光に来たのではない、モチベーションがあったということ。彼らも、時間は限られていたにせよ、出来る限りのことをチャレンジしていた。彼らがイニシアチブを取れなくなってから、サッカーは違う展開になった。つまらない試合をするのは簡単だ。良い内容を作り上げることは難しい。私たちの側では、長い間一緒にプレーをしていない選手を加えた。すなわち、異質な選手を組み合わせたチームで、建設的なサッカーをしようとトライしたわけだ。初めて顔を合わせた選手もいれば、一部の選手は何度もボールを触りたがった。自由を認めつつも、その選手は非常に疲れていて、コンディションがよくなかった。疲れている場合、アイデアが出てこないし、ミスも繰り返す。もし別の強い相手に、前半のような戦い方で挑んだのであれば、逆に前半だけで0-2という結果になっていただろう。そうした弱点を、これから私たちは直していこうと思う。
――中村俊輔が特定のマークを持たず、相手の5バックの一番右の選手がフリーになっていて、後半そこから攻められるような場面が見られたが
 中村俊輔が弱点を持っていたということか。そういうふうに答えればいいのか? 中村俊輔が、どういうプレーができて、どういうプレーができないか、知っていての質問なのか? 彼はマラソン選手ではない。だが、以前よりは長い距離を走れるようになった。それからアイデアのある選手であることは、皆さんよくご存じだろう。そして人間だから、当然疲れる。疲れたらアイデアが出なくなる。彼の改善点を教えるとすれば、プレーのスピードを上げることは、彼の力ならできるはずだ。それは自分でも知っていること。しかし今日の試合は、彼にとって難しい試合だった。彼自身も何か特別のことをやろうという気負いのようなものがあった。プレッシャーが自分の中にあった。つまり、1本1本のパスすべてが、ナイスパスとなることを狙っていたのかもしれない。だが、世界中探してもそんな選手はいない。彼がやるべきは単純なプレーであり、天才ぶりを発揮する場面というのは何回かに1回だ。いつも天才であろうとすると、結果は無残なものになる。ただし、今日の中にもいいプレーはあっただろう。
――高原についてはどういう評価か
 試合の始まった直後はかなり苦労していた。つまり、チームに合流して間もないということでフィット感がなかった。だが、時間の経過とともにプレーはよくなった。彼も1人だけでプレーするわけではない。周囲との関係が大事になるわけだが、そこで自信がなかった。あるいはアイデアのないプレーしかできなかった。そういう状態だと、FWというポジションは難しい。しかし時間が経過するごとに非常に良くなった。高原という選手がなぜドイツ・ブンデスリーガでプレーできているか――それが偶然ではないことが分かった。
――試合の中ではタメを作ったり、テンポを遅らせることも必要だと思うが、そうしたバランスについてはどう考えているのか
 ここはサッカー学校ではない。あなたに個人的に教えてもいいのだが、サッカーで何が難しいかというと、いつキープし、いつパスを出し、どういう強さでどういう方向に、という判断だ。私はいつでもワンタッチを、と言っているのではない。だが、自分こそがチームの攻撃の起点であると思い込んだ選手、ボールをトラップして周りを見渡し、どこにボールを出そうかと、そういうプレーをする選手が1人いれば、相手チームにとっては、その選手1人をマークすればよいことになる。逆に、そういう余裕を与えないこと、それがワンタッチプレーの良さだ。高い技術を持ち、ワンタッチでくるのかウエイトするのか、予想のつかないプレーができるのが良い選手だ。それはサッカーの技術ではない、インテリジェンスだ。一般的なインテリとは、ちょっと性質の違うものだ。サッカーのインテリジェンス、一般社会のインテリジェンス、両方ある方が本当は良いのだが。中村俊輔も、時間の経過とともに分かってきたのだと思う。1つ1つのプレーのタッチ数が少なくなってきた。つまり自分で難しいことをするよりも、簡単なプレーをした方が効果的であると、彼自身が気が付いたのだろう。まあ、違う意見もあるだろうが。
――自分たちの力を示したい選手がいたとおっしゃっていたが、そういうことを気をつけるように試合前に伝えなかったのか
 試合前に何かを一言二言伝えたら、選手は変わるというのだろうか。久しぶりに日本に帰ってきた選手に、何か言えば気が楽になるとお考えだろうか。一般的には(海外組は)凱旋帰国して、非常にいいプレーをして、というようなことを考えるのではないか。それが普通の人間だろう。久しぶりに出場して2ゴール、3ゴール決める、あるいはフリーキックを決める。だがサッカーは、相手のあるスポーツだ。1人、2人でできる競技ではない。だから皆さんは、中村俊輔にプレッシャーを掛け過ぎたのだ。彼以外にも選手はいるのだから。
――中村俊輔のことを言ったのではない。焦りからミスをしないように精神的なケアを試合前にしないで、試合後に「負けていたかもしれない」と言うのはどうかと思ったのだが
 試合前のミーティングで何を話したかといえば、何も話さなかった。私が言ったのは、「自分がペルーのユニホームを着たつもりで考えろ。君たちがペルー代表だったら、今日の試合はどんな気持ちで臨んだのか。ハンディキャップがある。つまり4~5人のベストプレーヤーがいない。何を考えているのか、何をしたいのか、想像してプレーしなさい。日本に対して、どんな気持ちで向かってくるのか考えろ」。(ミーティングで話したのは)それだけだ。実際にペルー人になることはできないが、想像はできるだろう。その結果、選手が何を考えるか、あるいは私がそう話すことで選手に何を期待しているか。うまくいったかどうかは皆さんのご判断に任せる。逆に考えるなら、日本が欧州に行って、そこで試合をする。そうなったときに、試合前から「降伏します」と考えるような、そういう試合をするだろうか。少しは意地というものがあるだろう。だから、「今の君たちの考えを一時ストップして、相手の考え方を想像しろ」と。そういう話をもっと短い時間でした。だから私の目から見れば、ある選手は想像できて、別の選手は失敗していた。
――エスプリを見せた3人の選手たちは、今後出場時間は増えていくのか?
 若い選手というのは、よくない。若い選手がいないのは、もっとよくない。昨日の英字新聞で読んだのだが、ライターが何を言いたいのかよく分からなかった。そこには「若い選手を使うべきだ」というのと「ベテランの選手を使うべきだ」という意見が両方書かれてあった。「巻を使うべきだ」「巻を使うべきでない」が、同じ文章の中にあった。ひょっとしたら、何の問題もないところに火種を作るような、つまり意図的にわれわれの悪口を書く人なのかと思った。そこで今質問した人に逆質問するが、今日出場したU-22代表の選手たちが中村俊輔や高原の代わりに先発で出場していたら、そして試合に負けていたら、皆さんはどんな記事を書くだろうか。私は進むべきノーマルな道を進もうと思う。それもなるべく痛みを伴わないで、しかも中身が変わっていく。誰にも気づかれないように、大掛かりなことのないように、少しずつ若返っていく。簡単なことではないが、世界中の代表チームがその方向に進んでいる。しかし日本には、若い才能豊かな選手が少なくないことは申し上げておこう。U-22の選手には、君たちの応援団が記者の中にいるぞと伝えておこう。悪く考えないでほしい。私は何もボトルのキャップやラベルが真っ黒だと申し上げたいのではない。あるいはこれがビールであると申し上げているのでもない。今日の試合の感想は、私が考えていることと全く正反対のことを言っているわけではない。勝ったからといって、良かった良かったとは申し上げられない。次の試合がもっと良くなる余地を残しておきたい。今日の試合が良かったと言ってしまうと、それで進歩は止まってしまう。

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2007年3月23日 (金)

3/23オシム監督(日本代表)会見コメント

●オシム監督(日本代表)
「こちらから申し上げることはありません。どうぞ、質問してください」
Q:今回の注目は中村と高原の2人だが、国内組が彼らを意識しすぎるとか、リスペクトしすぎるとか、そういう雰囲気はないか?
「誰がそうなっているのか? 何もそういうことは感じていない。むしろ反対ではないでしょうか。海外から戻っていた選手の方が日本代表に適応しようとしています。どちらが優れているとかではなく、海外組と国内組の両方がお互いに注意と関心を払うことで、日本サッカーは強くなると思います。問題は何もありません。帰ってきた人たちも国内組もシャイで打ち解けるのに時間がかかると思っていましたが、心配することもなく、お互いがノーマルに振る舞っています。それは普通のことだと思います。プロの大人として正しい関係を持っています。次の質問がないようなら、帰りますよ(笑)」
Q:明日のゲームでは攻撃の中心が中村と高原ということになる。今日もいろんな組み合わせを試したが、いい形になるメドはついたのか?
「逆の考えもあります。誰を置いた方が中村と高原のよさが出るかという。2対9ですし、9人の方が多いでしょう。そっちに優先権があるという考えはないのでしょうか? 2人のためのチームなのか、2人がチームに適応しようとするのか、どっちがいいですか? いつも私は質問されてますから、こっちが答えを聞きたいです。もし2人に優先権があるなら、このチームを2人に任せて私はこの仕事をやめた方がいいかもしれません。どうですか? ワールドカップの後、みなさんがどんな記事を書いたのか、もう1回読んだほうがいいのではないですか? いずれにしても、リスペクトしあうことは大事です。2人も大事ですが、それ以外の選手も私にとっては大事です。今回、ヨーロッパの2人と初めて間近に接したわけですし、トレーニングも初めて見ました。ですが、誰があの選手なのかと見分けることができましたか? 彼ら2人が特別に目だった動きをしていたんでしょうか? 同じプレーヤーだったと思いませんか? 局面によっては独自のプレーとか、リスクの少ないプレーをしていましたが。他の選手の中にも明日試合に出たいとか、出たくないと思っている選手がいるでしょう。そういうのも普通のことです。だから帰ってきた2人にとってはラクではない状況があるんです。過度の期待が外からかかっていることを、選手たちも感じているかもしれません。彼らも人間ですよ」
Q:相手の監督がFWの枚数を何枚にするか決めかねているようだったが、明日はまず4バックで入るのか?
「まだ決めていません。いずれにせよ、何人かはDFに入ります。そうしないと試合は始められないから。でも何人かというのは大事なことですか? 加地と駒野はDFとお考えなんですか? もし彼らがずっとディフェンスラインにいるのなら4バックということになりますが。この答えでよろしいですか?」
Q:明日は選手たちにどんなプレーを期待するのか?
「ここでお話することはできません。希望と実際にやるであろうことの違いはあるかもしれません。やってほしい希望は話せますが、試合でどうなるかはまた別の問題です。選手が余計な力を入れるかもしれないし。そんなところです。まずはペルーにどういう出方をするか聞いてから話すなら別ですが、相手の監督はなかなか手の内を明かさないから。そんな答えでいいですか?
そろそろ選手たちがミックスゾーンに来る頃です。私の会見が終わったほうがいいのではないですか? みなさんが何を期待しているのか、私は分かっているつもりですが、みなさんの聞きたい言葉が出るとは期待しないでください(笑)」

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2007年3月22日 (木)

3/22練習後のオシム監督コメント

●オシム監督(日本代表):
Q:今はチーム作りのどういう段階か?
「何を話せというのでしょうか。試合が終わった後ならどういう段階は話せますが、試合が終わっていないので話せません。今日お話できるのは、選手たちが非常に疲れているのに、そういう中で必死にトレーニングをしているということ。誰も不満を言わないでやっている。それはポジティブな面です。試合がどうなるかはまた別問題ですが。今、言えるのはそのくらいです」
Q:ペルー戦に向けてはどうか?
「何を答えればいいのか分かりません。もっと分かるように質問してほしい。結果と内容のどっちが大事なのかとか、どの選手の注目しているのかとか、そういう質問があるでしょう。もちろん結果は一番大事でしょうが、どの選手を使ってどのような結果が出るかを確かめることも大事。私の考えを言わせてもらうと、勝てばもちろんいいが、結果にこだわることはないと思う。今回呼んだ選手がどのようなプレーをするかをトレーニングなどを通じて見極めたい」
Q:結果より内容が大事ということですね。
「就任会見で話したことの繰り返しになりますが、日本人のメンタル面、日本人の特性をなるべく近づけられるようなクオリティの高いゲームができればいいと思っています。今までのトレーニングやゲームで、スピードやアグレッシブにプレーできることを確認できました。運動能力の高さも日本人の特性です。それらのメリットを活用して、世界の国と戦うこと。今回も1つのものさしになるチャンスだと思います。
昨日も川崎Fがタイのチャンピオン(バンコク大学)と、浦和がオーストラリアのチャンピオン(シドニーFC)と戦いましたが、代表はまた別の物差しになります。アジアのサッカーレベルが上がっているといいますが、日本のチャンピオンである浦和や2位の川崎Fがアジア相手に簡単に勝てたかどうかは皆さんがご存知でしょう。代表といえども簡単に勝てるわけではない。日本サッカーのレベルがどこにあるのかは、Jリーグのチームの国際試合なども比較しながらを考えていかないといけない。浦和や川崎Fだけじゃなく、日本人のサッカーのレベルがどこにきているか、リアルなところを知らないといけない。必ずしもアジアと日本がかけ離れているわけではないということを理解してほしいと思います。
ましてや南米のチームとやったらどうなるのか。そういうことを考えてみてください。質問がよく分からなかったので、自分の考えを話しました(笑)」
Q:中村俊輔選手と高原選手を初召集しましたが?
「彼らは私のためにプレーしているのではなく、日本のためにプレーしているのです。そういう意味では初召集とは言いません」
Q:2人と何か話したか?
「私は日本語が話せないんで…。通訳なんか入れて話したくもないので(苦笑)」
Q:オシム監督の目指すサッカーの中での2人の役割は?
「他の選手と同じであることを強調したいです。2人にだけ期待すると負担が大きくなる。実際どんな結果が出るか分からないけれど、差別せずにノーマルに扱います。それはこれからも同じです。彼らはクレバーな選手たちだから、わざわざ遠くから呼ばれることの意味を十分理解しているでしょう。私にとってはいいプレーをするか、そうではないかの2つしかありません」
Q:松橋選手を初めて呼びましたが?
「日本人であるということで呼びました(笑)。Jの試合を注目していれば、なぜ呼ばれたか分かると思います。日本の地方にもいい選手はいる。大分は日本じゃないんですか(苦笑)。近くに呼ぶことでよりよく分かると思います」
Q:今回、海外組を呼びましたが、練習の組み合わせには意味がありますか?
「普通に分けました。一緒にプレーできると思う人たちを一緒にしました。明日また代えてみます。誰と誰がいいコンビか、仲が悪いかは明日以降、分かるでしょう。
日本代表のある程度、核になるブロックはすでにできています。みなさんが意識しているかどうかは分かりませんが、よくご覧いただければGK、常に試合に出ているDFの選手、それ以外の2~3人はほとんどの試合でプレーしています。そういうことだけでは記事が書けないというのかもしれませんが、彼らが代表の核になっています。それを軸にもっといいチームを作るということですが、それは簡単な仕事ではありません。
若い世代にもいい選手がいますが、誰を使うべきなのか決めるのも簡単ではない。下の世代の代表ではすでに呼ばれていますが、A代表として来て良かったのではないでしょうか。それ以外にもいい選手がいます。彼らは未来の希望だと思います」
Q:練習で中村俊輔、(中村)憲剛、遠藤の3人を同じグループにしていましたが?
「私は私の感想を持っています。私の考えを言うと、エレガントな選手を集めたからといって、グループがエレガントになるわけじゃない。それを示すために、エレガントなビブスを着せたわけです(笑)」

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2007年2月13日 (火)

日本代表候補トレーニングキャンプメンバー(2/15~19@千葉)

■GK:
川口 能活1975.08.15 180cm/77kg ジュビロ磐田、
山岸 範宏1978.05.17 185cm/84kg 浦和レッズ
※川島 永嗣1983.03.20 185cm/80kg 川崎フロンターレ
※林 彰洋HA 1987.05.07 192cm/83kg 流通経済大学

■DF:中澤 佑二 1978.02.25 187cm/78kg 横浜F・マリノス
坪井 慶介 1979.09.16 179cm/67kg 浦和レッズ
田中 マルクス 闘莉王 1981.04.24 185cm/82kg 浦和レッズ
阿部 勇樹 1981.09.06 177cm/77kg 浦和レッズ

今野 泰幸 1983.01.25 178cm/73kg FC東京

■MF: ※橋本 英郎 1979.05.21 173cm/68kg ガンバ大阪
羽生 直剛 1979.12.22 167cm/63kg ジェフユナイテッド千葉
加地 亮1980.01.13 177cm/73kg ガンバ大阪
遠藤 保仁 1980.01.28 178cm/75kg ガンバ大阪
中村 憲剛 1980.10.31 175cm/66kg 川崎フロンターレ
鈴木 啓太 1981.07.08 177cm/67kg
浦和レッズ 駒野 友一 1981.07.25 172cm/76kg サンフレッチェ広島
野沢 拓也 1981.08.12 176cm/70kg 鹿島アントラーズ

※相馬 崇人 1981.12.10 176cm/74kg
浦和レッズ 佐藤 勇人 1982.03.12 170cm/67kg ジェフユナイテッド千葉
田中 隼磨 1982.07.31 174cm/64kg 横浜F・マリノス
山岸 智 1983.05.03 181cm/77kg ジェフユナイテッド千葉
※藤本 淳吾 1984.03.24 173cm/69kg 清水エスパルス

■FW:播戸 竜二 1979.08.02 171cm/65kg ガンバ大阪
巻 誠一郎1980.08.07 184cm/81kg ジェフユナイテッド千葉
我那覇和樹 1980.09.26 182cm/77kg 川崎フロンターレ
高松 大樹 1981.09.08 183cm/75kg 大分トリニータ
佐藤 寿人1982.03.12 170cm/67kg サンフレッチェ広島
※矢野 貴章 1984.04.05 185cm/74kg アルビレックス新潟

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2007年2月13日、オシム監督会見

川淵 今年も(2月)15日から日本代表の合宿が始まりますが、多くの大会がキリンビールさまのサポートの元に開催されます。キリンビール株式会社には心から御礼申し上げたいと思います。今日は久しぶりにオシム監督との記者会見ということで、皆さん方との質疑応答がどういう風に繰り広げられるのか、私自身が非常に楽しみにしています。皆さんも手ぐすね引いて質問を考えてきたと思うので、ぜひ私自身も楽しませてください。

加藤 キリングループでは8年にわたる日本代表のオフィシャルスポンサーの契約を更新しました。今まで1987年からサポートさせていただいて、約30年間キリンは日本代表を支援してきました。今月23日でキリンは創業100周年を迎えるのですが、実にわが社の3分の1はサッカーの日本代表とともに歩んできたんだなと実感しております。今後はよりいっそうのサポートをしていきたいと考えております。2007年の日本代表は3月に予定されているペルー戦を皮切りに、ぜひ好調なスタートを切って、リズムに乗ってほしいと期待しています。7月には3連覇を目指すアジアカップも始まります。その直前の6月にキリンカップが壮行試合として予定されています。非常に重要な戦いになるということで、善戦を期待しています。

――3月24日のペルー戦について抱負を聞かせて下さい

オシム どんな試合になるのかということなので、一言でいえば、エレガントな試合になればいいと思っている。しかし、それは今ここではまだお約束できない。しかし、ここで今初めてキリンさんがこれほど長い間日本代表を支援して下さっていると知って、今後未来にわたっても何も心配することはないなという感想を抱いた。例えば結婚生活にたとえると、30年ほどうまくいった夫婦というものは、まあ長すぎるかもしれないが(笑)、今後大きな破たんはなさそうだ。予想はできないが、あまり心配する必要はないのではないか。今後も皆さんとの協力関係はよろしくお願いしたいと思っている。これまでのご支援の感謝の気持ちとして、創業100周年にキリンさんにおめでとうと申し上げたい。

――エレガントな試合になればいい、ということでしたが、具体的にどういったところを多くの方に見せたいと考えていますか

オシム ユニホームがエレガントになる(笑)。試合の内容がエレガントになるとはお約束できない。エレガントにしようと思っていても、試合がいったん始まってしまうと、必ずしもそうなるとは限らない。試合が終わってみて、エレガントだったのはユニホームだけだったとならないようにしたい。

欧州組を呼ぶ前に、国内組を鍛えなければならない

鋭い眼光を記者に向けるオシム監督【 スポーツナビ 】 
――ペルー戦ではヨーロッパのクラブでプレーしている選手たちを呼ぶつもりはありますか

オシム どの選手を呼ぶかは聞かない約束だったのでは?(笑) その前にあさってからの合宿がある。それが終わってから考えることになる。ヨーロッパでプレーしている選手たちについては、これまでにも何度か言っているように、いつでも彼らを戦力として計算している。ジョーカーをゲームの最初の方に出してしまうのはよい手ではない。切り札というのは適切な時に使えるようにとっておくのが一番いい。早過ぎる時期には使わない。まず切り札を切る前に、彼らを使わなくてもいいように、日本国内でプレーする選手を鍛えなければならない。その上で(ヨーロッパ組を)使うかどうかを考える。ヨーロッパでプレーする選手を呼んでより良いチームができるのかどうか、呼ぶとすればどのように呼ぶのか。私の個人的な考えだが、一番良いのは、日本のチームを作るということは、「ヨーロッパからあの選手を呼ぶのですか、呼ばないのですか」と皆さんから聞かれる必要のないチームをなるべく早く作ることだ。

――本来強い相手と戦うことを望んでいたということでしたが、対戦相手がペルーということについては満足していますか

オシム 一番良いのは例えばブラジルであるとかドイツであるとか、世界最強のチームと試合をするのが良いのだろうが、そう簡単に組めるわけではない。それから、今の質問はペルーを過小評価しているように聞こえたが、そうなのか? ペルーがどんなチームか調べた上での質問ならば、ちゃんとお答えしよう。ペルーが簡単な相手なのかどうか。ペルーだけではなく簡単に勝てる相手はこの世界にはなかなかいない。つまり、今はどんな国の代表チームであろうと、必ずこのチームには100パーセント勝ちますと言えるような相手はどこにもいない。だから、勝ってほしいという皆さんの気持ちは分かるが、それを100パーセントやれるという約束はできない。代表チームだから、どんなチームだろうが、必ず勝てる相手というのはない。そこがサッカーの面白いところでもある。どんな結果になるかは予想できない。それが魅力でもある。

(ペルー戦は)楽な試合にはならないということだけはハッキリしている。ペルーという国の名前だけでなく、選手名簿を見てほしい。代表選手がどこの国のどのクラブでプレーしているか。それを見ればペルーがどんなチームかということ以上に、リスペクトしなければいけないチームだと分かってもらえると思う。
 日本の代表選手にとっては良い試合をするチャンス、そういう相手と考えていい。結果がどうなるかは分からないが。特にアジアカップの数カ月前に行われるタイミングなのだから、アジアカップでの戦い方の具体化をそろそろ始める時期。ペルーがベストメンバーで来ることを期待している。ペルーがどんなメンバーで来るかはここで私が言わないで、皆さんに調べる余地を残しておこう。

――8月と10月の強化試合でどんなチームと対戦したいか

オシム スポンサーとサッカー協会の担当者と相談して、知恵を絞ってなるべく魅力的な相手を連れてきてほしい。だが有名で人気のあるチームを呼んでくるのは難しい。だからどんな相手でも全力を尽くす。その相手と真剣勝負することによって、日本サッカーの実力がどこまできたか物差しになる。相手を選ぶ権利は川淵さんとスポンサーに決めていただくようにお願いしたい。個人的な考えでは、日本が絶対に勝てる相手を探してきてくれと言いたいが、さっき私が否定したばかりだから難しい注文だ。

――何度も聞かれているかもしれませんが、今年1年どういうチームにしていきたいか目標を聞かせてください

オシム スローガンの「ALL FOR 2010!」にふさわしいチームを作る。先ほど(広報が)説明した、それが答えだよ。最終目標はワールドカップ(W杯)、それにふさわしいチームを作る。その途中にいくつかの障害物、ポイントがある。アジアカップはある意味で日本の実力を測る指標になる。つまり、W杯のアジア予選の予行演習になると考えることができる。アジアカップの決勝トーナメントの上位に出てくるようなチームが、W杯の予選でもライバルになるだろう。今回は良い経験になるし、チャンスだ。目標のためにアジアカップも活用するということだ。

――先ほどヨーロッパ組はジョーカーで、適切な時期に出すということを言っていましたが、アジアカップは適切な時期と考えていますか

オシム それはこちらの事情だけではなく、向こう(ヨーロッパ)のスケジュールにも合わせなければならない。あまり長い話をしたくはないのだが、皆さんがヨーロッパから選手を呼びたがっているのは分かる。だけど、呼んだらどうなるかという“副作用”を考えてほしい。例えばヨーロッパでプレーしている、ある選手を呼んだとする。日曜に(クラブで)試合があって月曜日に出発したら、成田に着くのは火曜日になる。火曜日の夜に着いて、直行してトレーニングができるか。あるいは水曜の試合にぶっつけ本番で出るか。呼ぶならば出てもらう。いいプレーをしてもらいたいが、そういう状況がある。飛行機の中で寝られなかったり、時差の問題、疲れている、そういう状況でプレーしなければならない。呼んだからにはいいプレーしてほしいだろう。その結果どうなるか。試合はともかく、終わったらすぐにヨーロッパに戻らなければいけない。それで給料をもらってる自分のクラブに合流する。ヨーロッパはどんなに競争が厳しいか皆さんご存じのはずだ。監督には権限がある。誰を使うか、遠い日本まで行って疲れている選手を使うかどうか。大阪と東京の往復とは違う。ヨーロッパなのだ。(ヨーロッパと)日本を往復してきた選手が、正常なコンディションで次の試合に臨めると監督が考えるだろうか? レギュラーの選手なら、ひょっとしたらポジションを失うかもしれない。そこでレギュラーを失った選手はもう2度と(代表に)呼べないわけだ。どうしたらいいか、皆さんの知恵も借りたい。私の考えを理解してほしい。もしヨーロッパでプレーしている選手がスーパーマンだったら話が違うが。それならば呼んでも問題ない。(質問を打ち切るように日本語で)アリガトウ(笑)。

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2007年1月 1日 (月)

オシムに聞く(2007年1月1日、BS-1にて放送分)

O(オシム監督) ジェフの監督と代表の監督では違う。課せられた義務が違う。代表監督とジェフ時代では役割が違う。ジェフ時代はもっヨーロッパに戻ることができたし、家族と過ごす時間もありました。代表チームを指導しないといけない。最後に待っているのはW杯なのです。今はアジアカップの対戦相手の情報を入手することに専念しています。
Q(山本浩アナ) クラブは、そこにいる選手に合わせたサッカーをしなければいけないが、代表はピックアップして、自分のやりたいサッカーをできるということを言われるが、そのことはどう思うか?
O それは状況によって違う。その監督が、良いチームを作るのに、どれだけ時間があるかによって違うと思う。もし代表チームに時間が無く結果だけを求められる場合、監督は自分がよく知ってる選手から優秀な選手だけを起用してチームを作りたがるものです。また必ずしも、その国のクラブチームで監督をした人だけが、その国の代表チームの監督になるわけではない。外国からきて、その国の選手やクラブを全く知らない場合もある。しかし、そういう監督でも、どのクラブが強いのかというのは関係者から聞くでしょう。強いクラブから優秀な選手を起用するものです。私はジェフから代表監督になったので違います。ジェフから4,5人いることは、それなりの理由があるものです。私は彼らのことをよく知っているからです。代表チームを始動させる場合、私が知ってる選手がいた方が良かったからです。それに彼らのことを信頼しています。プレーの傾向やスタイルに確信が持てる選手を起用したかった。浦和からも何人か起用してる。それにガンバから起用してる。ガンバも日本で一番美しい効率的なチームだ。そして何度か招集してきた時は、状況が違う。他のクラブの選手についてもよく知ることができた。そもそも代表チームは、長い時間、選手を拘束しておけるようなチームではない。中には、生まれて初めてプレーする選手たちもいる。そういう選手の寄せ集めが代表だ。つまり、いくつかの強いチームから単に11人の優秀な選手を選び出しても、強い代表チームができる訳ではないのです。Q クラブの監督と代表の監督では大きく違うのですか?
O それは私だけが感じていることではありません。それは他の代表監督も感じていることでしょう。両方の仕事を分析してみれば、全く別の仕事だということが分かるはずです。代表監督は選手を選抜してチームを作るわけです。でも一般的に言って代表監督には時間があまりない。この日本では時間がない。それに対してクラブの監督は、もっと時間がある。もっと選手の側にいることができるし、自分が望むチームを作りあげることも容易でしょう。代表監督に就任してからの仕事はクラブとは全く違うものでした。まず選手といる時間がない。選手はJリーグでプレーしなければいけないし、クラブにはクラブのスケジュールがある。代表の何人かは海外でプレーしています。そういう選手を簡単に代表に呼ぶことはできません。今は、国内にいる選手を招集して練習するしかない。代表選手は、監督の特徴をよく知っておくことも大切です。監督が何に興味があり、どんなアイデアを持っているか、その時々に何を考えているのか。代表選手は、そのことを心がけておく必要があります。その逆に、監督は選手がどんな人間であるか、何を考えているのか、またどうしたらその選手の描くプレーのビジョンを実現してあげられるか、そういったことを考えておく必要がある。それらの情報をできるだけ早く収集し、各選手をどう一つのチームとして機能させるかを考えるのが代表監督の仕事です。それ以外に、チームを作る方法はないと思います。
Q 最初の練習を見て、いろんな人がオシム教の信者になったのではないか?
O うーん、それはちょっと褒めすぎですね。サッカーはサッカーです。サッカーについての考え方は千差万別だと思うのですが、日本の選手が日本の選手であるということは替えられません。日本には日本独自のサッカーがあるんです。私は選手のキャリアやプレースタイル、メンタリティなどを把握し、日本選手の長所や短所も含めて、最大限に生かすことを手伝っているに過ぎません。もちろん、短所より長所の方が目立つようにです。日本人のサッカーはメンタリティーに関して、十分に質が高い。このスポーツに向いていると思いますよ。もしかしたら、他の国もそう感じているかもしれません。ただし、私たちは、まだその可能性に目を閉じたままかもしれません。今、その目を開けないといけない。今、何をしなけれないけないのか、自分の目で確かめないといけない。他の国のまねをせず、日本独自のサッカーをすることを容易なことではありません。人はリスクを犯したくないし間違いを犯したくないものです。他の国が国がやってるサッカーを追いかけるほうがずっと簡単です。でも過ちをおそれていては前進することはできません。
Q 日本では技術の高い選手を好む傾向があると思うが、その点に関してはどう思うのか?
O (グラフを見て)もっと上がって欲しい。まだ改善の余地があると思っている。ただ日本人が言う、個人技のレベルの高さについてですが、正直、来日した時に、その技術の高さにビックリしました。しかし、時間が経つにつれ、その技術の高さは動きが止まった時の技術の高さだと思うようになりました。つまりピッチで、そういう印象を受けた訳ですね。動きが止まった時の、いわゆる静的な技術は簡単です。それを日本人選手がみんな持っていることは、練習の中で確認できましたからね。しかし、全てのプレーは動きの中で行われます。現代サッカーで重要視される動きの中での技術は、まだまだレベルが低いと思います。技術全体のレベルをとってみれば、いくつかのヨーロッパの国を上回っているかもしれません。しかし、ヨーロッパの方が効率がいいんです。ヨーロッパの選手は動きの中で、日本の選手ができないようなプレーができるのです。運動量に関しては「これ以上走れない」ということをよく耳にしますが、そんなことはないでしょう。そういう選手は、サッカーがより多い運動量、長い走り、多くの競り合いを要求され続けることをもっと理解するべきです。イギリス人やドイツ人、身長の高い相手と比べて身体的に日本人はハンディがあることをふまえても、答えは明かです。これらの相手と対等に戦うために、自分達に欠けている部分を補わなければいけないのです。それをどうやって補うかというと、相手より運動量を多くすることです。相手が自分達より身長が高く、身体的に強い場合、より多く動く必要があります。同じ程度の走りだったら、全体的に相手が有利になってしまうのです。しかし、運動量で上回れば話が違ってきます。インテルナシオナルとバルセロナの試合をご覧になりましたよね。例えばロナウジーニョでも、動きを止めてしまえば、いつものロナウジーニョではない。例え技術の高い選手でも動きを止めてしまえばどうにもならない。これは言うまでもありません。
Q 中村俊輔のことはどう思っていますか?
O 中村俊輔のことは良く知っています。特にセルティックでコンスタントに試合に出ている今ですね。これはまず本人にとって日本代表にとっても大きいことだと思っています。率直な意見です。しかし、彼はセルティックで見せているプレーを日本代表でも見せることができるか?私は、多くの点でセルティックが自分達のプレーを中村に合わせて組立てているということを申し上げる必要があると思います。日本代表も、中村に合わせてチームを作ることができるかどうかは別の問題です。一方で、抜群の才能がある選手がいるならば、チームをその選手に合わせることを考えることも必要です。つまり中村がうまくプレーできるようにチームを組み立てます。しかし、私が思うに、いいプレーをする選手が1人だけいて、その選手のためにシステムを作るならば、成功の見込みはあまりないと思います。ですから、どちらかというと彼が、自分をチームに合わせるべきです。といっても、中村が試合に出て活躍してることを嬉しく思います。先に国内にいる選手を試してみましょう。なぜなら海外組を呼び始めたら選択肢が狭まってしまうからです。つまり海外組を使ったにも関わらず、うまく行かない、イメージ通りに行かないことが生じた場合、修正の余地がないからです。そうなると選択の余地がなくなる。もうどこからも、選手を呼べないからです。でも、現在の状況ではうまく行かないからと言っても症状の改善が期待できます。なぜならば、まだ中村、高原、中田、松井、稲本、大黒、小笠原を使っていないからです。今の段階で彼らを使ってしまうと、その後はチームの構成としてもう行くところがないからです。サントスと宮本も海外に行きますしね。彼らはとてもいい選手です。そして力にもなってくれると信じています。その彼らの力が必要な時に借りればいいのです。私は、これから既に実績のある選手にも間違いなく機会を与えます。特に彼らを使って、何をどこまでやれるのかを確認したいのです。海外にいる選手にも当然チャンスを与えます。それぐらいなら約束できますよ。
Q 高い材料だけではおいしい料理はできない思いますが、サッカーもそれに似てると思いませんか?
O 残念ながら私には大きな調理場がありません(笑)。小さな調理場で素朴な材料を使っておいしい料理ができることもありますがね。サッカーは平均的な選手が揃っていた方が良いチームを作れることがあります。そういう選手が揃っていた方が、チームはよく機能し、プレーのコンビネーションがうまくいく場合が多いのです。しかし、対戦相手が個人プレーが得意で、チーム全体も優れていた場合には、勝つチャンスはないでしょうねえ。せいぜい、1試合ぐらいは勝たしてもらえるかもしれませんが、長期間でみた場合、そういうチームに勝つ見込みはありません。その意味で、サッカーと料理は違うかもしれません。料理の場合、タマネギや、その他、普通の材料を使っても立派な料理を作ることができるでしょう。サッカーはそれとは違います。ジャガイモみたいに、そこらに転がってる選手を集めた所で、チームは作れませんからね(笑)。一方で最高の選手ばかりを集めたところで最初のうちは良い成績は期待できないでしょうねえ。そんな選手は、まずチームに適応して考え方を改める必要があるからです。それには監督とのコミュニケーションも必要になります。つまり、まず自分の個性をチームという集団に順応させて、集団全体としてうまく機能させないといけないということです。次に問題になるのは、その集団の中で、その選手が、どうしたら個性を発揮できるかということです。そうすれば第二のミラン、バルセロナ、レアル・マドリッドができたのと同じ事です。とにかく、選手には自分の個性を一度集団の中に埋没させてみて、その集団の中でこそ、自分の個性を発揮できるのだという確信を与えてやる必要があります。
Q これまでの7戦を振り返って、満足のいくものでしたか?
O いいえ、満足はしていません。例え、全勝しても満足はしてないでしょうし、負ければ、尚更です。勝っても不満は残るものです。親善試合のガーナ戦、そしてアジアカップ予選アウェイのサウジ戦で負けましたよね。アグレッシブさが足りずに結果が残せなかった試合でした。でも、それでよしとしましょう。物事を別の面から見る必要もあります。必ずしも結果が伴う必要はないと思いますよ。日本がどの程度プレーできるかが分かりましたし、次に何をすべきかが見えてきました。最後になって、「なんでこんなことができなかったんだ?」と後悔したくないのです。つまり、現状に満足することはない。サッカーは人間と同じで限界はないのです。それにサッカーはポジティブなスポーツですからね。
Q 巻と我那覇の評価について
O 二人に得点力不足の責任を押しつけるわけにはいきません。チームの得点力不足は、全ての選手に責任があります。つまり得点力不足は巻と我那覇だけではなく、全員で担うように導く必要があります。なぜならFW以外の選手も得点を決めはじめると相手は、対応が難しくなるからです。そしてFWもプレーしやすくなります。一方で、見落としていることはないでしょうか?日本が守備に入るときに守備の得意な巻が最前線で相手の攻撃を遅らせたりボールを奪ったりする、彼の献身的なプレーは後ろの選手にとって大きな助けになっています。それから役割分担の話になると我那覇も、もうちょっと守備をやってくれればいいんですが、まあ、タイプの違うこの二人を強引に比べたくはないんですがね。二人がこの番組を見ているなら、得点力不足で、そんなに心配しなくてもいいと言いたいですね。なぜならチームが得点力不足に悩んでいるというのは簡単ですが、そういう際に全員が、その理由を自問するべきです。GKまでもが「自分がどうして得点力不足なんだ?」と自問するべきですよ(笑)
Q 最初の就任の時から長い目で見ているようだが、その長い目について話してください。
O 多くの人は、すぐに目に見える形での進歩を求めます。でも、そうした考えはサッカーにとって不都合なのです。サッカーにおける進歩というのは、たまに見る人にしか気がつかないものなのです。いつも側にいて、注意深く観察している人にはチームの進歩が見えないものなのです。親が子供の成長に気がつかないものと同じことですよ。成長に気がつくのは久しぶりにその子を見た人です。選手についても同じことが言えますね。ある選手を毎日観察してきた人は、たぶん、その成長には気がつかないでしょう。例えば、15日に一度、選手を見る人の方が、他の人よりも成長に気がつきやすいものです。日本代表については一歩ずつ前進しようとしか言いようがないです。そういうことはトルシエ監督も言ったでしょうし、ジーコ監督も言ったことかもしれません。将来の監督も私と同じことを言うでしょう。
Q 試合の中で90分をどのように考えるのか聞かせてください。
O 全て試合に勝つことができるという自信を持たせることが必要です。そうふるまうことが必要です。どんな方法で勝つかは様々ですよ。第一にしなければいけないことは選手に「チャンスはある」と信じさせることです。次に考えることは「勝つ手段」です。どうやって勝つか、どうチャンスを作るかということです。次にすることは対戦相手についてよく知ることです。選手によくアドバイスすることですが「対戦相手の立場から自分のチームを眺めてみろ」ということです。敵が我々のチームをどう見てるのか、それをイメージさせるのです。例えば、サウジ戦では、私自身もそうしたし、選手自身もそうさせたのですが、「ある場面で相手が日本のプレーに関してどう考えるかイメージしろ」と言いました。加えて監督が何を考えてくるか、それをイメージしろとアドバイスしました。それに「失うものは何もない。アジアカップの予選は必ず通過できるだろう」と励ましながら、サウジはこうやってカウンターを仕掛けてくるだろうが、こういう攻撃パターンもあるかもしれないということについて話合ったのです。サウジは日本に何ができて何ができないか知っているとも話しました。こうした作戦がどれだけ成功したかは分かりません。個人的には成功したと思っていますがね。大事なのは、選手が、監督に頼り切る状況をなくすことです。選手に自分の頭で考えさせること、それが一番大事な点です。監督の中には、「自分が全部の選手のために考えてあげているのだ」と思いこむ人がいるからです。そういう考えの人に私は与することはできません。私のやり方とは違います。本来、クリエイティブなプレーは選手自身から生まれるものです。そのために選手の自由を尊重しなければいけません。そうした自由抜きにはいいサッカーはできません。将来に向けて大事なのは、一歩一歩前進しようということです。つまり選手達に上達の余地があるということを分からせることですねえ。例えば、試合中に、ちょっとした変化が見られるようになりました。具体的に選手の名前は言いたくはありませんが、何人かの選手は、ある試合で私の要求に応えられませんでした。フィジカル面に問題があったのではなくメンタル面での準備ができていなかったのです。しかし、次の試合では。ある程度順応できるようになりました。選手によって、話し合いで解決することができますが、選手によっては、より厳しい対処が必要な場合もあります。それはつまり、その選手を次の試合に出さないこと。前の試合での出来が悪かったと分からせるためにです。そうすれば、その選手が次の機会に与えられた時に、その要求に応えるのは確実です。選手のパフォーマンスを改善するためには二つの方法がある訳です。話し合いを通じて適切な指摘をするか、「あなたは次の試合には出さない。次は呼ばない」という不愉快な態度を取るのか、どちらかです。私は、このやり方が好きではありませんが、たまには選手に改善の必要を理解させるため、監督はそんな方法も取らないといけません。もちろん、私はチームから誰も閉め出すつもりはありません。選手達にそういう厳しい対処法があることを意識して欲しいのです。
Q ベンチでは、結構、「何やってんだ?」という表現をしているが、記者会見では、あまりないが、それはどうしてか?
O 私のポリシーというわけではないですがね。自分のポリシーを貫くのは政治家だけでは十分ですよ。自分の振る舞いを説明するのは難しいですね。なるべく自分をコントロールするようにはしてますよ。選手はメディアからのコントロールを嫌うものです。ここ日本では特にそうですね。もちろん日本だけの問題ではないと思いますが、公の場で、誰かを批判することが好きなひとはいません。そのことはジェフ時代から分かっていました。プレーやピッチでの態度に関して、批判されたら、誰だって不愉快になるでしょう。そういった批判は公になる前に、チームの中で解消すればいいのです。難しいことではありますがねえ。私自身の旧ユーゴ代表での経験に関して、選手に話したいと思っていました。できるだけ直接的な方法でね。でも通訳を介してしか説明できないのはもどかしいです。日本の選手はみな批判に関してはナイーブですから。その批判がどれだけ真剣な批判であっても。また批判を受ける選手がどう解釈するかに関わりなく、通訳が私の批判を正確に通訳したかに関係なく、日本の選手は批判に関してはナイーブに反応します。私は、そういうことを日本で学んだのです。だから、私は選手にとって不愉快な批判はできるだけ直接その選手に伝えるようにしています。選手が喜ぶ方法なら、どんな方法でも良いと思いますが、不愉快な批判には説明を要するのです。そうした批判は結局、本人のためでないといけません。
Q アジアカップに向けて
O 今年はアジアカップ本大会でできるだけ長く戦えるよう願っています。いいプレーをして、一次リーグを突破して先に進むことができればいいですね。でも敗退することもありえます。15日間で決着がつくかもしれないし、30日間戦い抜くことができるかもしれません。それは誰にも分かりません。大会に備えて親善試合ができるといいのですが、日本に来てくれる相手チームのために十分時間を作ってやらないといけませんよね、ですから大会に備えて、これだけの期間で十分だということはありません。アジアカップが行われるベトナムで最初のカタール戦の前に1週間程度の合宿をする時間は取れるでしょう。また7月、J1のリーグ戦は中断していますから、その時に親善試合ができるかもしれません。そうすればベトナムで戦う一次リーグの準備ができるでしょう。まとまった時間が取れるのは、その期間だけですね。状況は改善されていますよ。選手のことをよく知ることができましたし、選手にしても、私のことをよく知ることができたと思います。問題は選手自身のメンタル面の管理です。代表選手は二つの義務を負っています。一つは大会に向けての準備です。代表選手が大会を無視することはありえません。また所属するクラブでのプレーや練習もおろそかにはできません。そしてもう一つの義務はアジアカップが終わり、その先に待ち受けているW杯に向けて心の準備をしておくことです。全ては自分自身で準備をしなければいけないのです。以上が私の言う二つの義務。つまり私の二つの要求と言ってもいいのではないかとよいでしょうか。選手が、それに応えることができるかどうかということですが、私はできると思います。
Q 2010年のW杯について
O 目標は、そうですねえ、遠くもあり、近くもあります。目標を達成することは難しくなっています。なぜなら、全ての国が進歩を遂げているからです。「自分達こそが本命だ」と思っていても、手強いライバルチームがあることを認める必要がありますね。もし、W杯出場を決めることができた場合でも、それで終わりではありません。新たな目標設定に迫られるのです。ドイツ大会を例にとれば、最初は予選突破そのものが目標だったのですが、出場を決めた時に、その目標が変わりました。日本代表と国民はW杯での成功を期待するようになったのです。ですから、ドイツ大会の一次リーグで敗退が決まったときに、多くの日本国民は驚くと同時に不愉快な思いをしたのです。次のW杯では、こうした経験をしないようにする必要があります。まず何より、南アフリカ大会への出場権獲得を何よりも大事な物として目標を設定すべきです。そして目標を達成した後に、冷静に考えていくべきだと思います。つまりW杯には二つの段階があるわけです。その段階を飛ばさないようにしましょう。
Q 「サッカーは人生と似てる」と言われますが、どこかどう似ているのか?
O 人生がサッカーを創造したのであり、その逆ではありません。私はサッカーを愛していますから、その逆だったらいいのにと思うことがありますが、人生がサッカーを創造したのです。サッカーができる時間は限られています。その短い時間の中で学ぶことはたくさんあるだろうし、学べないこともあるでしょう。人生にもサッカーにも成功や失敗があります。栄光もあれば耐え難い挫折に襲われることもあるでしょう。でもそれが人生というものでありサッカーというものであります。サッカーは集団スポーツです。自分を犠牲にしてピッチを走り回る選手がたくさんいるという事実が、今、忘れ去られているようですね。そうした選手は人々の話題にはなりませんが、それでも彼ら走ってプレーし続けているのです。ですから何であれ、何かの役に立ちたいと思ったときに、私が今言ったことを思い出してください。脚光を浴びる人もいれば縁の下の力持ちの人もいるということです。サッカーは人生そのものだと思いますね。

我々は皆、成功を望んでいます。それだけの能力があると思います。果たして成功するかは、また別の問題ですが...。我々が最大限尽くすことを約束いたします。

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