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2011年1月 6日 (木)

*「0円移籍への危惧」、記事(ほぼ抜粋)、週刊SM:2010年12月28日号、西部謙司

・ある代理人「Jリーグでは、もう契約切れの選手しか移籍しない」。Jリーグには、すでに移籍金が存在しなくなった。あるのは違約金で、これは契約期間中の選手が移籍する場合に発生する。昨年(2009年)からFIFAの基準に合わせて、Jリーグも契約切れの選手は移籍金なしで移籍できるようになった
・ヨーロッパではボスマン判決が出た95年からすでにそうなっている。移籍の自由化は、有力選手のビッグクラブへの集中をもたらし、かつてない「格差社会」に至っている
・Jリーグは1年契約が主流でシーズンが終わる頃に来季の契約について話し合うという慣習。契約の優先権が所属クラブにあり、移籍する場合でも移籍金を取ることができた。だから、複数年契約で縛る必要もあまりなかった。しかしヨーロッパのクラブへ移籍する場合はルールが違ってくる。当時のJの移籍係数は日本のローカルルールにすぎない。ヨーロッパからの引き抜きを防ぐには、複数年契約を結ぶ必要があった。Jクラブはエース級の選手をタダ同然で引き抜かれる危険があった。その意味で、いずれはヨーロッパの移籍ルールが日本にも波及する。そうなると、複数年契約が主流になるだろうと予想していた。しかし、予想に反して、Jの契約は1年契約に傾いている。

・ヨーロッパへ移籍する可能性のある選手は、最初から違約金が発生しないように長期契約を避けている。さらに国内の移籍市場が予想外に活性化していない。違約金を払ってまで他チームの選手を獲得しようという動きがほぼゼロだ。
・クラブ側は必要な選手に複数年契約を提示するが、有力な選手ほど移籍を視野に入れて単年契約を希望する。良いオファーがあれば違約金なしで移籍できる。結果的に意外なほど優秀な選手が契約切れ状態になっていて、彼らはより年俸の高い、予算規模の大きなクラブに吸収されていく流れになるだろう。多少、緩やかながら、Jリーグもヨーロッパと同じように、ビッグクラブへの人材の集中が起こるわけだ

★しかし、大きく違う点がある。ヨーロッパと違って、Jでは違約金が発生しないまま移籍が行われてしまうことだ。0円移籍が主流である限り、選手を放出するだけのクラブは全く潤わない。育てて売るの「売る」が成り立たない。
・レアル・マドリッドや一時期のチェルシーのように欲しいモノは金に糸目をつけずに、すぐに手に入れようとするクラブが複数現れれば状況は変わるかもしれないが、現状では望み薄である。
・そうなると、予算規模の小さなクラブは、どうやって生き残りの戦略を立てればいいのだろうか。とりあえず育成に力を入れ、自給自足体制を整えておくのがベストだが、それにも案外、金がかかる。
・上位クラブであぶれている人材を借りて戦力を整える手はある。特に若手を預かって試合経験を積ませる方法は貸す、借りるの双方にメリットがあるはずだが、直接利益につながるわけではない。
・あとは有力な若手やブラジル人選手などと複数年契約し、契約が切れる前に、ヨーロッパや中東へ移籍させて違約金を取るやり方。これならば、戦力にもなるし利益も生み出せる。ただし、そういうサイクルを確立する必要がある。また、現状ではブラジルの景気がいいので、かつてほど有力選手を獲得できなくなっており、外国人選手に関しては他国に目を向けた方が良いかもしれない。
・いずれにせよ簡単ではない。ただ、このままではかなりまずいことになりそうだ。

「サッカー最強の戦略・戦術論、西部謙司・著」
クラブのフロントにとって必読なのは、「4章:巨大化するクラブの戦略論」と「5章:大中小クラブの最強戦略」だろう。その他は、西部氏の記事を結構、読まれてる方ならば、既出部分が多い本ではあるが、読んでない方には、4章と5章は、世界のクラブの現状が、簡潔にまとめられていると思う。

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