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2008年2月10日 (日)

安っぽいプロレス、インチキ格闘技団体になってしまったK-1(&HERO’S

2004年10月頃に出た「紙プロ79号」の堀辺正史インタビューに、「なぜKー1はダメになってしまったのか」ということが、かなり理論立ててあった。それをまとめてみたい。(*の部分は筆者の個人的な解釈です)

K-1創生期:
・正道会館がUWFの影響を受けて、空手を巨大なイベントにしたものがK-1である
・「素手の顔面無し」のフルコンタクト空手から、「グローブをつけて顔面あり」と変える
・流血しやすいヒジ打ちの禁止。ムエタイの首相撲も部分的に制限。ヒジ打ちによる出血という不透明な決着をなくし、なおかつ打ち合いになりやすい(KOが生まれやすい)ルールに改正。そのことで試合の流れを変える。
・ヘビー級中心のマッチメイク。(ムエタイとキックとの差別化)そして日本人エースは佐竹雅昭。
*スポーツライクな真剣勝負を大衆娯楽として確立したのがK-1だった。佐竹やアンディ・フグ(全盛期のアーツやホースト、ベルナルドもいた)が活躍していた時代。
そこには「一般人と差別化された鍛えられた肉体美」と「機能的な肉体美、訓練された人だけが発揮できる技術の美しさ」を持つK-1。ルールに従った訓練をあらかじめ積んで、技術を十分に身につけた人達が上がってくる場だった。選ばれし者たちが闘う素晴らしい場だったのだ。

K-1の変化(安っぽいプロレス団体化)
(*K-1の変化はボブ・サップの成功から始まったと思う)
・確かに身体はでかい。しかし、そこに機能的な肉体美はなかった。どちらかというとUWFが否定的だった既成のプロレスラー的な体系というものに退行していった。一見すると「えっ、何だ?」と興味を引くようなものだが、実際に闘ってみると「何だよ!」という底が割れてしまうものだった。その象徴が曙だったと言えるだろう。K-1は、昔のプロレスの時代、マクガイヤーブラザーズやグレート・アントニオがいた時代のプロレスに退行してしまった。K-1は興行的なおもしろさを優先させたのだ。そのことにより一時的な興味は引くが、スポーツの持つ競技性を損なっていった。カンフル注射を打って視聴率を取ることによって、同時にK-1という競技の権威性を、自分達で破壊していったのだ。昨今のK-1は単にK-1を破壊してるんじゃなく、格闘技が流行してきた現象を壊す要因にもなっている。もっと「格闘技界にとっての害悪を流さないで欲しい」という声が格闘技ファンから起きてこなきゃおかしい。
*ボブ・サップは時代の寵児となった。もちろんK-1の技術はない。だが、その巨大な肉体とパワー、そしてアドリブの効く愛嬌が、視聴率を呼んだ。K-1は、第2、第3のサップを発掘しようと、さまざまな「怪人」たちを導入した。その成功の象徴が大晦日のダイナマイトでの「サップvs曙」での「紅白越え」だった。
K-1には競技性がなくなり、そこに「スターシステム」が跋扈した。その維持のために使われたのが、主催者のさまざまな方法による勝敗操作だ。それを推し進めたのが谷川貞治だ。それは「石井和義館長の刑務所入り」という「パワーバランスの空白」をついて行われたように思う。
谷川貞治は元格闘技通信の編集長でありSRS・DXという雑誌の編集長でもあった。だが、雑誌を捨てて映像の方に走り、そして運営の方に回った。同じマスコミとはいえ、雑誌とTV局では、使われる経費がかなり違う。その中で、谷川はTV局主導のやり方に染まり、競技よりも「視聴率」を優先するようになっていったのだろう。あの「紅白越え」の時には「TV界の殿上人」にでもなったような扱いを受けたと思う。
かつて(まともだった頃の)ターザン山本は「谷川は戦術・戦略には長けてるけれど、欠けているものが一つある。それは哲学だ」と言ったことがあるが、その言葉は全く正しいと思う。谷川には「格闘技をTV局から守る」という哲学、もっとも大事な哲学が欠けていた。そして「視聴率」という悪魔に「魂」を売り渡してしまったのだ。悪魔によって一時的な快楽と栄誉を受けることはできたが、K-1の魂は抜け落ちてしまった。それを取り戻す方法は、昔のK-1に戻ることしかない。だが谷川は、過去の成功体験にしがみつき、迷走し続けるだろう。K-1は求心力をなくし視聴率をなくし、TV局によって、いずれ捨てられる。悪魔に魂を売ってしまった人間の最後は、どこの世界でも哀れなものだ。その歴史の過程を我々は見ることになるのかもしれない。(ちなみに、谷川によって運営されるHERO’Sの運命も同じであることは言うまでもない)

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