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2008年2月29日 (金)

リティ・アビスパ2007総括、番外編、犠牲にされたスカウト・育成部門

2006年度、Jリーグ31クラブの営業収入順番
1位:レッズ約71億、2:マリノス約46億、3位:名古屋約38億、..20位:アビスパ約16億、26位:鳥栖約7億

(これはあくまで2006年度の資料だ。スポンサー3社が離れた2008シーズンは、収入自体も順位もこれより落ちているだろう)
・クラブの経済力と、その戦力はほぼ比例する。ただし単年度の成績は必ずしも正しく経済力を反映する訳ではない。

それぞれのクラブには、それぞれの経済力に合った強化方法が存在する。
1:経験のある即戦力の有名選手を高い金をかけて補強する方法:代表例としてはギャラクティコ時代のRマドリッド、Jリーグで言えばレッズが、それに近いだろう。
2:充実したスカウト網で全国(ヨーロッパだと世界各地)から、素質のある若い選手(10代後半~)を獲得し何年かかけて成長させていく方法:海外だとウディネーゼや、アーセナル(やり方は強引だが)などが該当するように思う。
http://tifosissimo.8m.com/blog/B1848614205/C1679742675/E20080217134029/index.html
http://tifosissimo.8m.com/blog/B1848614205/C262811813/E20080221010828/index.html
Jリーグだと鹿島あたりが近いような感じだろうか。
3:自前のユース育成部門を充実させ、10代前半から「生え抜き」の選手を育てていく方法:例としてはオゼールやナント、アタランタあたりが挙げられるだろう。
http://tifosissimo.8m.com/blog/B1848614205/C1679742675/E20071024001913/index.html
現在のJリーグでは広島やガンバ大阪が近いように思う。

松田-中村体制下でのアビスパは、「素質はあったが最初に入ったチームで結果を出せなかった若い選手」を獲得し鍛えていくことでチームを強化していった。それはアビスパというJ1ではほぼ最下位クラスの経済力を持つクラブにとっては、ふさわしい強化方法であったように思う。中村氏によるスカウト力と育成能力のある松田監督の二人が揃って初めて可能となる方法だった。
いずれにせよ、アビスパの経済力からいけば、高い金をかけて選手を補強するという方法はふさわしくないだろう。ピッコリ時代は、2000年は補強したベテランが機能したが、一年で選手達の力が落ち、そしてJ2に降格してしまった。そして全く補強能力がなかった長谷川治久時代も、それに近いだろう。ピークをはるかに過ぎたバロンの補強を筆頭に、中途半端な選手を、中途半端に取ってきて借金を残してJ2に降格させたことは記憶に新しい。アビスパの経済力では、よそのチームから即戦力の選手の補強するという方法は、ふさわしくないように思う。アビスパがJ1に居続けるためには、やはりスカウトと育成部門の充実が絶対に必要なのだ。

田部GMがやってきて、所属選手の大半を放出した時には、長谷川時代やピッコリ時代が、また繰り返されるものと思っていた。だが、現時点においては田部GMの「トップチームの編成」に関しての手腕には、一応、納得させるものはあるように思う。これで2008年にJ1昇格できれば、田部GMの手腕に対する評価は上がるだろう。だが、ここで一つだけ言及しておくべきことがある。それはスカウト・育成部門のリストラだ。
小林元統括は長期的視野に立ち育成部門とスカウト部門の充実を図っていたように思う。しかし、その「試み」は田部GMが沖野育成統括と中村スカウトを切ったことにより、完璧に中断してしまった。アビスパの近未来を大きく左右する部門を切り、その分のコストをトップチームの戦力充実(リティのリクエストに応えるため)に、注ぎ込んだのだ。それは間違いなくギャンブルであるに違いないだろう。

何度か書いたことがあるが、個人的にはリティは育成型の監督ではなくセレクター型の監督であると思う。Rマドリッドのようなビッククラブ、高い金で選手を買ってこれるクラブの方に適性があるのだ。それは日本代表監督時代のジーコもそうだった。ジーコがトルシエが残した代表チームを消費したように、リティは松田氏が残したアビスパを消費していった。そして彼を監督に残すことにより、アビスパの未来をも消費しようとしている。
その懸念は依然として消えていないように思う。

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