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2008年1月29日 (火)

岡田ジャパンに対する不安 高くなったW杯予選落ちの可能性

「三崎vs秋山」反則騒動が自分の中で終了しないまま、第2次岡田ジャパンがチリ戦で出発した。内容や結果については、いろいろ書かれていて、おそらく出尽くしていると思うのだが、苦戦の最大の原因はやはり
・Jリーグがまだシーズンに入ってない選手のコンディション・試合勘の問題
だろう。

後藤健生氏が言うように
http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2008012800080902.html
>今の段階で岡田監督の功罪を論じるのはまったくの時期尚早と言わざるを得ない。
全くの正論ではある。

岡田武史は、ラグビーの名監督であった故・大西鉄之祐氏が練り上げた「接近、展開、連続」をテーマに掲げた。
http://www.sanspo.com/soccer/top/st200801/st2008012707.html
この大西理論はオシムも目指した「人もボールも動くサッカー」と似てる部分が多いだろう。(この大西理論がサッカーにおいても有効かどうかは勉強不足のため分かりません。おそらく方向性は間違っていないとは思いますが)そして、それを実践するために大木武を招聘した。
この辺は、日露戦争において、秋山真之が留学していた外国の海軍ではなく主に「伊予水軍の海戦兵法書」を参考にしてバルチック艦隊との日本海海戦の作戦を立てたことを想起させた。ドイツにコーチ留学し、イタリア人のリッピやアンチェロッティと毎年、情報交換している岡田だが、世界を相手にした場合に取り出してきたものは、日本ラグビーの古典とも言える「大西理論」だった。この理論の運用でW杯で「何か」を起こす可能性は確かにあるだろう。

だが、不安を感じたのも事実だ。
それは岡田武史が、「人もボールも動くサッカー」で結果を残していないことが最も大きい。岡田武史の中にあるものは札幌やマリノス時代のような「リアリズム」だ。その辺は以前書いた
http://nettaro.way-nifty.com/nettaro_blog/2007/12/post_b605.html 

「人もボールも動くサッカー」、これに適性があるのは大木武の方で間違いない。もちろん大木はいい監督だとは思う。あまり戦力的に恵まれていない甲府をJ1に昇格させ1年目は台風の目になり、無事に残留させた。だがJ1の2年目はバレーを失い、さらに研究されたことで甲府のJ2降格を防ぐことができなかったことも事実だ。オシムの言葉に「リスクを冒せ」という言葉がある。だが同時に「リスクは計算されていなければいけない」とも言っていた。それはサッカーの局面のことも指しているが、リーグ戦全体を通したことにもあてはまるだろう。その面で大木にはリスク管理がまだ不足していた。そして何より国際的な経験がない。さらに岡田にも。この「人もボールも動くサッカー」をやる場合のリスク管理のディテールは不足している。

もちろん両者がうまく欠点を補い合い、化学反応を起こす可能性もあるだろう。その場合は、W杯本大会で「何か」を起こす可能性も高くなるだろう。一方、このサッカーではW杯予選を通過できないという可能性も高くなったのは事実だと思う。
トルシエはナンバー(No696)のインタビューで
>岡田はオシムのコピーをすべきではないし、ミニオシムになるべきでもない。彼が選ぶ日本代表は岡田のチームであってオシムのチームではない
(おそらくトルシエは大木武のチームであってもいけないと言うことになるだろう)
>岡田のノルマはW杯予選を突破することだ。そこを見誤ってはいけない。そのためには1試合5得点する必要はない。これからはじまるアジア予選でも着実に勝って本大会出場を果たすことである
>優れた監督とは、勝てる監督-結果を得ることのできる監督だ。そしてその過程で、自らの痕跡を残せる監督だと私は思っている。

岡田武史が代表監督に就任した時に、南アフリカW杯は、「ジャパニーズカテナチオの可能性と限界」を見る大会になると想像していた。だが岡田武史は、さらに上を目指すことを決断した。日本サッカーの方向性としては間違っていないとは思うが、岡田にその資質があるかどうかは分からないし、岡田&大木で、そのリスクを管理できるかどうかは分からない。個人的には、どこかでバランスを現在の「大木色の強いバランス」から「岡田色の強いバランス」に傾かせなければいけないタイミングが最終予選でやってくるように思っている。(もちろん選手の質の違いで、バランスを変えないで済む可能性も高いのだが。こういう点でアジアのレベルの低さは功罪があると言えるだろう)

あともう一つ不安要素がある。オシムは「段階」を踏んで「人もボールも動くサッカー」を組み上げてきた。今の岡田ジャパンは、オシムが、代表に踏ませるべき予定だった段階を「1つ」か「2つ」飛び越えて本大会に望むような気がしている。それは些細なことだが、本大会では、そのディテールの違いが岡田ジャパンの命取りになるだろう。

南アフリカW杯は、「日本人監督の可能性と限界」を見る大会になるのかもしれない。

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