« オシムと準備不足のアジアカップ | トップページ | 日本vsサウジ、払わされた代償 »

2007年7月23日 (月)

ニコライ・フォルクアーツの言葉

現在、Jリーグに来ているデンマーク人の国際審判員フォルクアーツ氏のインタビューがサッカーダイジェスト906号とサッカーマガジン1145号(松崎審判委員長との対談)に掲載されていましたので、内容を抜粋してまとめてみました。

*SD
・スタジアムを含めた環境は素晴らしい。特に芝の状態が良い。選手は敏捷性に優れた選手が多い
・接触プレーが起こった際、過度に痛がったり必要以上に処置を求めたりする。これは北欧ではあまり見かけない。
・シュミレーション。ファウルを受けてないのに倒れたり、時間を稼ぐために大げさに痛がったりする。これは世界中で見受けられる問題だが、特に日本では頻繁に起こっている
・昨今のサッカー界の潮流として、審判を欺くようなこういが蔓延している。この問題には、サッカーに関わる全ての人々が向き合わなければならない。観客はそうした行為を観に来ている訳ではなく、良いゲームや素晴らしいゴールを観に来ている
・(日本人審判へのアドバイス)審判にとって最も大切なことは試合の流れです。選手がプレーを続けたいと思われる時は、なるべく試合の流れを切らずに続行させるべきだと。審判が多くの笛を吹き、必要以上に何度もプレーを中断させる姿など、誰も見たくないはずです。私にとって良い試合とは、審判が目立つことなく良い流れでプレーが進むこと。市パンはその陰で必要なだけゲームをコントロールすればいい。逆に、主審が何度も笛を吹き鳴らし、選手達が罵り合うような場面が多い試合を見ると気分が悪い。日本人審判とは、このような意見を交換しました
・第4審判も、もっと能動的に試合に臨んで欲しい。
・(Jリーグの誤審について)まず言わなければいけないのは、審判もひとりの人間だということ。だから、当然、間違いを犯すこともある。審判は、大きなミスを一つでも犯してしまえば、集中砲火を浴びることになる。もちろん、ミスをしていいというわけではない。ただ、多くの試合の中で、それを起こりうることだ。
・ビデオカメラなどを導入して、判定の度に試合を止めたりすれば、サッカー本来の面白さがなくなってしまう。ボールの中にゴールの判定ができるチップをいれるなど、試合そのものが面白さをなくさないものであれば採用してもいいと思う。選手がプレーでミスをするように審判が間違いを犯すことも試合の一部なのです。現在の4人という審判の数は、このままでいいと思っている。
・(レフリー無線システムについて)既にヨーロッパでは実際に使っていますが、無線を通して他の審判とコミュニケーションを取れるので悪くない試みです。ただ、これに頼りすぎてはいけない。結局のところ、レフリングはポジショニングが最も重要なのです。無線を使っても、適切な位置にいなければ、プレーを裁くことはできない。審判はポジショニングと身体的充実がすべてなのです
・職業審判になろうと思うのであれば、毎日のトレーニングは欠かせないことであり、精神的にも充実していなければいけない。プロの選手も毎日試合のために準備しているのだから、審判も同様に専念できた方が良い。しかし、審判にお金を払おうとする人がどれくらいいるかは分からない。
・(文化の違い。ヨーロッパでは試合後のテレビ番組なので審判のミスジャッジのリプレーを何度も流すことがあります。しかし、日本には一切存在しない)デンマークにもそのような番組がある。それは議論の場になっている。疑わしいシーンのリプレーを流してジャーナリストが審判に質問する。そして審判は実際にその質問に答える。時には、本当にミスをしてしまって単に誤ることもありますが、その反対にTVカメラよりよく見える、適切な位置にいたことを話して「あれは正しいジャッジだった」と主張することもあります。全員が納得するかどうかは別として、やはりこのような場があるのは審判にとっていいことだと思います。また試合を見ている人にとっても説明がないよりあった方がいい。ここでは、ひとつの場面を長々と話すわけではなく、疑問を投げかけ、それに答える対話の場なのです。デンマークでは4年前に始まりましたが、これまでのところ、とてもポジティブな効果が得られている。審判にとっても、それを観ている人々にとっても、お互いを尊重した上で議論する大切な場なのです。日本でも検討されてもいいものだ。ただし、日本の文化にそぐわなければ、無理に導入する必要はないでしょう。

*SM
・イングランドのプレミアとポルトガルでもメンタリティーが違う。ポルトガルの選手達は審判をなんとか騙そうとしますが、イングランドでは選手達は死ぬまでプレーを続けようとします。これはメンタリティーの問題なのです。決してヨーロッパとアジアの間にだけある問題ではない。
・もっとフィジカルを強くしなければいけないという認識を協会が発信すれば審判や選手達にも伝わります。そうすれば変わっていくでしょう。デンマークでは、トップリーグではありませんが、いくつかのクラブが選手がシュミレーションで警告を受けた場合、経済的な制裁を加えることがある。どうしても必要な場面でハードタックルをして警告を受けるのは試合の一部ですが、シュミレーションはだましです。
・日本の審判は試合後にメディアと話す機会がない。デンマークでは、試合後に、審判が自分のジャッジに関して説明することができます。それによって観客や選手達もなぜそのような判定を下したのか説明ができます。また観客やクラブが競技規則を正しく理解していないこともあります。彼らに直接規則を伝える機会にもなるわけで、非常に有効だと思う。
・(松崎)審判がインタビューを受ける際に、メディアを含む関係者が審判をリスペクトし、正しい態度で臨んでくれないと、コメントはできない。(ニコライ)デンマークでは、最低でも2時間が経ってからインタビューを行います。冷静になる時間が全員に与えられるのです。
・(松崎)日本ではプロサッカーの歴史は浅く、すべてのメディアがニュートラルな観点から審判に「何が起きたのか」という質問にならず、一部からは攻撃的な質問を受けるかもしれません。また審判も自分の大きなミスに対して、冷静さを保てず、質問に対して過剰に反応してしまう
・審判が説明することで、新しい視点をもつことできる。彼らは審判の視点も理解できるようになった。

|

« オシムと準備不足のアジアカップ | トップページ | 日本vsサウジ、払わされた代償 »

審判問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/172163/15852873

この記事へのトラックバック一覧です: ニコライ・フォルクアーツの言葉:

« オシムと準備不足のアジアカップ | トップページ | 日本vsサウジ、払わされた代償 »