ベガルタ 1-0 アビスパ、理想主義者同士(?)の戦い
アビスパ
リンコン
久永 アレックス 田中
久藤 山形兄
柴村 長野 川島 宮本
GK神山
控え:GK六反、本田、大塚、鈴木、林
仙台
中原 関口
ロペス ジェニウソン 田村 ヤン
田ノ上 渡辺 千葉 菅井
GK小針
控え:GK萩原、木谷、磯崎、冨田、中島
審判:フォルクアーツ、22.4℃、79%
得点:52分、菅井、1-0
★サッカーとは戦術が一番だと思っている監督がいるかもしれない。しかし私はムービングこそが最も重要だと思っている。(「オシムの言葉」より) この試合、アビスパのサッカー自体は前節のセレッソ戦に比べると決して悪くはなかった。リティの強烈な守備への意識付けが浸透してきたことを実感させる試合だった。リティは「次の試合では不安は消えている」と思ったかもしれないが、 具体的には アビスパはリンコン、アレックス、田中、久永の主に4人で攻撃し、その他の7人で主に守るという戦いになっている。そしてチャンスは田中と久永の突破かクロスしか可能性がない感じになってしまった。さらにはクロスの時にゴール前に入っていく選手やこぼれ球に詰める選手の数も少ない。この仙台戦で第1クールにはなかった無失点試合が2試合続いたが、これは偶然ではなく、アビスパの攻撃力はかなり落ちてしまったのだ。田中(右サイドウィング)や久永(左サイドウィング)の対面選手の守備力が落ちる相手では点が取れるかもしれない。だが今回の仙台のようなJ1昇格のライバルのようにウィングの1対1がそんなに勝てない相手では点が取れる雰囲気が出てこないだろう。攻撃に必要な「ムービング」がなくなったからだ。守備はともかく第1クールの攻撃はJ1でも十分通用するレベルだったと思う。だが、今の攻撃ではJ1どころかJ2上位にも通用しない。 この試合、勝者と敗者を分けたのは仙台の右サイドバック菅井のオーバーラップによる得点だった。サッカーの神様は「このサッカーではJ1に上がれない。必要なのはムービングなんだよ」と今回の敗戦で教えてくれたのかもしれない。だが、リティがそのことに気が付くには、かなり時間がかかりそうなのだが...。
http://nettarosouko.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_d07a.html
個人的には去年(J1)の博多の森での京都戦の後のような気分だった。
http://nettaro.way-nifty.com/nettaro_blog/2006/08/post_fe90.html
去年の川勝体制の時は「守備から攻撃へ」とバランスをシフトさせていき、そのバランスの完成形が、あのノーガードの殴り合いのような京都戦だった。リティの場合は「攻撃から守備へ」とバランスをシフトさせている。リティの修正が、おそらく完成形が、この試合には出ていたと思う。だが大事なモノを失ってしまったような気がする。その一番大きなものが「ムービング」だ。
・前線の動きだしのなさ
・攻撃する選手と守備する選手の固定化(ポジションチェンジ)
・それに伴うパス回しの矮小化
リティはおそらく札幌を参考に修正を図ったようだが、今日の仙台あたりを参考にすべきだったのかもしれない。(仙台の望月監督はJ1に上がった時にも対応できるサッカーを目指しているようだ。彼もリティと同じようにどちらかと言えば理想主義者かもしれない。この試合、望月監督は理想と現実のバランスを取りながらも理想に邁進させた。一方、リティは現実にのまれ理想までも失ってしまった。理想主義者同士(?)の戦いは「理想」を貫こうとした方に女神は微笑んだということなのだろう)
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