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2007年2月 7日 (水)

フットボールカンファレンス#1(非常におおまかな抜粋)

2007年1月大阪にて開催
*AFC会長ヴェラパンの挨拶
2006年、アジアは世界のレベルに達していなかった。30年間、アジアのサッカーに関わってきた者として涙が出そうだった。プロとしての準備ができていなかったのでしょう。これを2010年に繰り返してはいけません。こういう場でしっかり総括しましょう。

*小野剛
・まず「知」を共有しましょう。「我々の」代表なのですから。
・エメ・ジャッケ「フランスのW杯での成功は30年間にわたる努力の成果である。一つの国がサッカーで成功するためには、ユースの育成と指導者の育成が鍵である」
・アンディ・ロクスブルク(UEFA技術委員長)「選手は勝手に育たない。タレントが偶然育ってくるのを待つのもいいだろう。しかし、それでは永遠に待ち続けることになるかもしれない」
・知識を共有する。ビジョンを共有する
@アンディ・ロクスブルク
・大きな大会でも小さな大会でも分析を行っている。その理由は人に「モチベーションを与える」ということです。若い選手やコーチ、プロの人々に刺激を与えるために、分析を行う。それは育成のためでもあります。そこでは一つ難問があり、「これからどうなるのか?」が見えにくいということです。
・トップレベルを考えると「スピードとスキル」、この2つが一つになっている。技術的な質が非常に重要になっていて、これからその比重は増すでしょう。
・例えば固いDFラインを突破する場合、個人技が必要でしょう。ここで中村俊輔の例を挙げます。非常にいいパスをしますが、その前にきちんと目で見てる訳ですね。オジェックは「中村はパスの先が見える選手だ。タックルはできない。ヘディングもできない。しかし天才だ」と。育成という観点から見てみると、1対1で非常に優れたプレイヤーがいるかもしれません。そこから非常にいいパスを出せるかもしれません。こういうセンスが非常に重要なのです。スピード、テクニック、技術、これを全て合わせてコンビネーションプレーができなくてはいけません。
・次は、基準、スタンダードを作らなくてはいけません。どのようにボールを保持するかなど。どのようにカウンターアタックをするかなど。
・ある一つの点でなくてはいいですが、ある一つの方向性に向かうこと。これがテクニカル・レポートの役割です。
*小野剛
・「2015年に世界のトップ10」:日本は、ここ10年20年の努力により、急速に「世界」に近づいてきた。しかし、ここから先は「世界に近づく」という意識から「打って出る」意識で立ち向かわなければ、上記の目標は達成されないだろう。そのためにはコピーでなく、日本人の良さを生かした日本方式の強化策「Japan's Way」を確立していかなくてはいけない。
・UEFAとFIFAのカンファレンスでは「日本は世界の中で最も成功している国の一つ」という認識があり、いろんな人から日本の事について聞かれた。
・さまざまなルートの中で選手が育つ環境~日本全国で一貫指導~選手の成長を第一に考えたフィロソフィー
・向かうべき方向性を決めるものは何か?
唯一、その方向性を決めることができるものは「世界のサッカー」。だから我々は「世界のサッカー」を分析しなくてはならない。少なくとも方向性だけは共有して、あとはそれぞれの個性を生かしましょう。
・選手が育つためには「ハングリー精神」が最も効き目があるものだ。だが、今の日本の状況ではそれは期待できない。

*オジェック(2006W杯について)
1:戦術的フォーメーション
・リッピ「自分が呼んだプレーヤーに自分の戦術を合わせなくてはならなかった」。我々が選手に要求を出しても選手が、それに必ず応える訳ではありません。戦術は選手に左右されるわけです。選手が戦術に左右されるわけではありません。
・大会中に使用されていたフォーメーションではトレンドは4バックになっている。5つのチームが3バックを使っている。日本と韓国は、大会中にフォーメーションを4バックに変えました。オーストラリアもメキシコも変えた。だいたいが4バックになっている。
・中盤の組織の立て方、MFを4人にするか5人にするか、これは監督の哲学によります。
4人の場合、センターに二人、ワイドに二人置く場合もあります。またダイヤモンド型に置く場合もあります。
・ゾーンの4バック、フラット4がほとんど。完全な形のスィーパーがいる場合はほとんどない。
・スクリーンプレーヤー、守備的MFのことです。DFラインの前でプレーしています、2人もしくは1人の選手がDFラインの前にいます
・ワイドMF、リッピのような監督は、サイドに選手を置く場合は、ちゃんとボールも取って攻撃もできてディフェンスもできなくてはいけないと言っています。ポルトガルのようなチームは、ロナウドやフィーゴのような典型的なウィングがいます
・クリエィティブなMF、通常、前面にいます。このドイツ大会では、このクリエィティブなMFはちょっと後退してました。イタリアの場合は、トーナメントの最初ではダイヤモンド型をとっていました。ピルロは重要な選手ですが、こちらは前面でプレーしていて、右、左のプレーヤーを補助していました。攻撃的なトッティは攻撃的な担当をしていて、クリエィティブな担当ではありませんでした。ピルロがアイデアを出していたわけです。ガーナでもそうです。
・準決勝に残ったチームは、FWはほとんどがワントップでドイツだけが2トップでした。
4-4-2か4-5-1でした。しかし、構成は違います。
・4人のGK(ブッフォン、レーマン、リカルド、ツェフ)、非常に優れています。能力として足を使って仕事をすることができる。非常に重要な事です。ラインに対しての反射がよい。ボックスの中で仕事ができて、ボールを受けることも蹴る事も出来る。これが今のGKの傾向でしょう。今までのようにボールを止めるだけではなくて、もっと進化した形のGKでしょう。もちろん小さいときから、こういうトレーニングをやらないといけない。28歳からやってもダメです。ドイツのGKカーンがいます。世界的なGKです。でもこのドイツ大会では、カーンではなくレーマンを正GKにしました。レーマンの方がピッチ上でうまく足を使えるのです。つまりGKではなく選手の一人としてあてにすることができる。これが今のGKとして最高のレベルかどうかの違いになっています。
・DFの話、準決勝に残った4つのチームDFラインは似たような構成をしています。まずセンターは、全部似たような能力を持っています。まず足技が良い。試合をストップすることができる。ボールを勝ち取ることもできる。空中戦も強いということです。それから攻撃になった時にCKから点を取ることができる。イタリアのマテラッツィなどcKから2点挙げています。4バックのサイドのプレーヤーも似ています。非常にディフェンスが組織化していてうまい。スペースを殺す。攻撃してる選手にスペースを与えないということ、サイドのディフェンスがうまい。ビルドアップもうまい。GKからボールを受け取ったら、すぐパスをすることができる。ボールを使ってゲームに参加することができる。あとはフィジカルも強い。とにかく相手選手の邪魔するだけではない。
・MF、スクリーンのペア(イタリア:ガットゥーゾとピルロ、マケレレとビエラ、フリングスとバラック、コスティーニャとマニシェ)、これは本当にお互いに補間しあって機能していました。ペアが優れていました。一人がホールディングプレーヤーとして動きました。DFラインの前で、動いたりしていました。もう一人がMFとして、建設的に攻撃に動くことができる。ダイナミックにボールを攻撃陣に渡すことができる。例えばビエラやバラック、マニシェ。
・シングルMFスクリーン(マスチェラーノ、エシエン、パルド、ヨーク、リンデロート、シャビ・アロンソ)、マスチェラーノは、特に彼の仕事としてはスィーパーの仕事がありました。とにかくDFラインの前でディフェンスをする。クリエイティブなリケルメのバックアップをする。パルドやアロンソは上がっていって、ビルドアップの面に関わっていきました。
・ワイドMF、ここは構成が監督によって違います。ワイドMFを使うところがあります。イタリア、カモラネージとペロッタは本当に戦闘的な選手で、一生懸命仕事をします。ペロッタが77分ぐらいで交代するのは疲れ切ってしまうからです。ドイツの場合はシュナイダーが右サイドでクリエィテブな役割をしていました。様々なバリエーションがあります。ブラジルのカカとロナウジーニョは素晴らしい選手ですが、ウィングの様なプレーはできないでしょう。非常に創造的なプレーヤーです。他のチームではポルトガルのようにウィングを使ったチームもありました。
・クリエイティビティ、チームの流れを変えるのは誰か(ジダン、デコ、リケルメ、トッティ、中村、アッピアー)、明らかにジダンです。ゴール数を見ると必ずしも、こういった選手が多くのゴールを挙げているわけではない。どちらかというとパスを出す役割でしょう。
・ストライカー、2トップ(クローゼ&ポドルスキ:5/3ゴール、アドリアーノ&ロナウド:2/3ゴール、トレース&ビジャ3/3ゴール、クレスポ&サビオラ3/1ゴール)。ドイツの二人の場合、二人で8ゴール挙げている。ディフェンスが非常にタイトだった。またFW以外の選手が多く点を取ったことを考えると、ドイツの場合は非常に凄いことだと思います。ワントップの場合(アンリ3ゴール、ルカ・トーニ2ゴール、パウレタ1ゴール、ドログバ1ゴール)よりも2トップの方がFWがより多く点を取っていたと思います。アンリは非常に危険なプレーヤーです。また特殊でもあります。自分の隣に人がいるのを好まないんですね。スペースを使って、例えば左サイドからスペースを使っていく、これが彼のプレースタイルです。
・トーナメントが進むにつれて4-4-2から4-5-1に変える。FWを一人削ってその代わりにDFラインの前にアンカー(を置きディフェンスを安定させたようにMFの構成を変えた所もあります。例えばイングランドです。(アンカーはハーグリーブス)最終的にこれはうまく行きませんでしたが。ブラジルもアンカーにジウベルト・シウバを入れています。こういう風に試合中やトーナメント中に構成を変えるということに対して私には答えはありません。それはみなさん指導者が決めることです。
・イタリアはダイヤモンド型から4-5-1に変えて成功しました。リッピ「4試合を終えて、システムを変更した。新たにより安全なシステムにしてプレーヤーに自信を与えた。彼らは勝つことができると確信を持ち始めた」。トッティをワントップの後ろに置いてMFを安定させた。トッティが2人のストライカーの後ろで試合をするとストライカーは増えるけれども守備がおろそかになります。そこで脆弱なスペースができます。もっと安定させるためにシステムを変えたわけです。「これでいいんだ」と納得していれば、それに信念を持つことができます。そして実現することができます。それが大事なことです。
・どのような形でゴールが取られたかということを分析しました。
・コンビネーションプレー(少なくとも3人の選手が関わる)18点、
ウィングプレー(サイドから攻撃)20点、非常に面白いのは右サイドからは16点で左サイドからは4点しか生まれませんでした。
スルーパス18点、DFとDFの間を通り抜けるボールです。トーナメントの初めの方はラインが高かったのでDFラインの後ろに非常にスペースがありました。
ソロ15点、
ダイアゴナル7点、コンパクトなディフェンスを破るには対角線を使った長いボールを出す必要があります。
ロングシュート12点、
ミス/オウンゴール10点、
速攻(カウンターアタック)18/4、ボールを奪ってから非常に早いタイミングで攻めること。全部で18点ありましたが、決勝トーナメントでは4点しかありませんでした。これはカウンターアタックの数が減少してるということです。
・コンビネーションプレー:玉田のブラジル戦でのゴール。
・サイドからの攻撃:非常に固いディフェンスがあって左側からの攻撃があって、確実なタイミングを使ってボールを通し、そこからゴールを入れる。そういう流れです。こういう形でたくさんのゴールが生まれました。
・スルーパス:どのような形でディフェンスの裏をつくかということです。片方にディフェンスを寄せて逆側からオーバーラップを仕掛けて、パスを出しディフェンスの間をついて点を取る。これも練習の成果だと思います。
・ダイアゴナル、ゾーンのディフェンスが多かったので、その仕返しがきたというところですね。
・カウンターアタック、ボールを奪ってから「こうするんだ」と決めて、それをスピードを持って実行することが大事。
・セットプレーからの得点、直接FK6点、間接FK13点(左7/右6)、CK12点(左7/右5)、PK13点、スローイン2点
直接FKはスペシャリストがいるということです。間接FKではバリエーションがありました。重要な点では左サイドからFKを蹴ってる選手は右足で蹴ってるという点です。ゴールに向かって内側に曲げるシュートですね。そういったシュートです。右サイドでは右効きの選手がゴールから離れていくパスを出してニアポストに一人選手が向かって行く。もしくはそこを越してファーサイドに向かっていく、そういう形、バリエーションがあります。
・先制点の持つ意味
先制点を取った場合
2006年、41勝、15分(7試合は0-0)、8負(2点差からの逆転は1試合、準々決勝以降は逆転なし)
2002年、39勝、16分(3試合が0-0)、9負(準々決勝以降は逆転1試合)

試合終盤の得点、76分~90分+延長戦での得点
35試合/44点の終盤の得点
*勝っているチームによる点差を広げる得点:20試合/22得点
*追っているチーム:7試合/9得点(1勝オーストラリア対日本、3-1。4引き分け、点差が縮まったケース2試合)
*同点のチーム:8試合/13得点(2引き分け、チュニジアvsサウジ、スウェーデンvsイングランド、7勝)(2得点4試合)
負けているチームが勝っているチームに対して得点を取ったケースが少なかったことです。負けているチームが点を取ろうとしているときに、後ろのDFラインがオーガナイゼーションが取れていなくて点を取られることが非常に多かったのです。

決定的な判断:交代、戦術上の変更
交代選手による戦術変更
・ポジションvsポジション(フレッシュな戦力の投入、同じポジション選手)
・より攻撃的に
・得点差を守る/試合を落ち着かせる(例:決勝でトッティに替えて、より戦闘的でディフェンスのできるデ・ロッシを入れたこと)

交代選手による得点
147点中23点(2002年、161点中21点)
勝ち越し点5点
ゲームを動かす、得点差を守る
アシストや中盤で決定的なボールを奪うということは数値化できにくいので、どうしてもゴール数ということになりますが、この大会においては交代選手の役割は大きかったと言えるでしょう。

全体的な考察と推奨
*戦術とチームフォーメーション、
アセスメントと示唆
攻守のコーディネーション

個人として何を達成したいか考えていかなければいけません。みなさん自身のおかれた位置、選手の質を理解していく必要があります。

*個人トレーニング、目的と内容
スピードとテクニック
ボールスキル
体とボールのコーディネーション
ボール有/無しで加速
方向転換/フェイント

アンリの例もありますが、トップリーグで活躍してい選手を見るとスピードとテクニックを兼ね備えています。

次に心理的な側面ですが、メンタル面で強くなくてはいけない。
メンタルの強さ、決断力、自信。
ドイツはPK戦の時に「絶対に入れるんだ」という気持だった。スイスは対ウクライナ戦の時に自信なさげにしぶしぶ蹴って、とても緊張してPKで1点も入れることができませんでした。こういう点はトレーニングして強くすることができます。

ベストヤングプレーヤー、1985年以降のプレーヤー、41人(16人は試合出場なし)、21チーム。(21歳以下)
41人しかいなかった。ドメネク「今回のW杯では、生まれながらの素晴らしい若いプレーヤーはほとんどいなかったと言わざるを得ない」
1位:ポドルスキー、2位:Cロナウド

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