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2006年12月29日 (金)

12/29、天皇杯の後での記者会見

パウロ・アウトゥオリ記者会見

──前半から果敢に飛ばしたが、決定力の差が最後に出ましたね。
パウロ シーズンを通して抱えてきた、我われの課題が出たゲームだったね。立ち上がりから主導権を握り、自分たちがボールを保持していたにもかかわらず、自分たちのミスから失点してしまう。そして自分たちの流れに加え、自信までも失ってしまうんだ。たしかに運もあるさ。だけどポンテのように、一度手に入れたチャンスを確実に決めていかないと。今日の試合だけでなく、今シーズンのレッズはミスが少なかった。だから彼らは、リーグタイトルを獲得できたんだと思うよ。
──「確実性」は日本サッカー全体に不足しているものだと思いますが。
パウロ 日本のサッカーは、まだ若いということだね。ボクは就任当初から「確実性」や「効率性」「集中力の維持」などを選手たちに説いてきたんだけど、こうしたことを一つずつ積み重ねていけば、やがては解決できることだと思うね。今はまだ、「過程」の段階なんだ。もし日本のクラブが世界を目指すんであれば、選手の移籍など世界に合わせた改善が必要だと思う。日本のクラブには「競争力」が不足している。それが、ボクがアントラーズに残らなかった原因の一つになったんだ。だってボクは、ここにいる皆さんがびっくりするような改革案を考えてたから。プロチームとしてのオーガナイゼーションを考えれば、もっと早い段階から取り組むべきことはいっぱいあったと思う。たとえば、選手の補強だね。ただ、それを実現するにはサッカーの現場だけでなく、現場を管理していく部署も変えていかないと。まぁ、これはあくまでもボク個人としての意見だけど……。
──「びっくりするような改革案」とは、具体的に何ですか。
パウロ Jリーグ、ナビスコ杯、天皇杯……、それぞれを制するチャンスがありながら、シーズンを通して我われに欠けていたのはメンタル面の弱さだったと思う。だからボクは、「選手の大幅な入れ替えが急務だ」とフロントに進言したのさ。それは国内の選手について言ってるんであって、外国籍の選手を対象にしたわけじゃない。外国人プレーヤーを補強したからといって、チームがすぐに強くなれるわけじゃないからね。競争に打ち克つ判断力、知識、そしてメンタルの強さは全世界的に求められてるものだろ。だったら、それと同じものは日本人プレーヤーにも求めるべきなんだ。
──シーズン当初と比べると中後雅喜選手や田代有三選手の成長があったし、守備面での改善も見られたと思いますが。
パウロ 人生にも波があるように、すべてが悪いと言ってるわけじゃないよ。将来に向けての明るい材料は、もちろん少なからずあった。だが残念ながら、「決めきれない」という課題が最後まで残ったままだったんだ。各選手の評価評を提示して、チームにとって本当に必要な選手と不必要な選手を篩いにかける必要があった。新しい外国人監督や、新しい外国人選手だけで改善しようとすると、やがて限界がくると思うからね。つまり、クラブとしての発展性がないのさ。アントラーズが過去4年間タイトルから見離されたのは、その点が手付かずだったのがおもな原因になってるんじゃないかな。
──メンタル面の強化は、一クラブのなかだけで解決できる問題ではないと思います。日本の社会文化自体がブラジルとは大きく異なるのでは?
パウロ わずか1年間日本に滞在しただけで日本文化について言及できるほど、ボクは出しゃばりじゃないよ。だけど日本の企業のなかにも競争はあるし、それらの企業は等しく優秀な人材を集め、彼らにいい仕事をしてもらうための環境作りに努力している。そして、彼らを効率よく動かす人間もいる。そうした企業ができることを、なぜサッカーのクラブができないのかね。これは大きなクエスチョンマークだよ。クラブが成功をおさめるためには、現場を仕切る上の人間が正しい判断を下し、迅速に行動を起こすことが肝要だ。現場のコーチと選手だけで競争を高めるのは困難だからね。クラブ全体の競争力を高めなければ。たとえば「長年クラブにいる」という理由だけで選手を残す。「試合に出てない」という理由だけで選手をベンチに置く。これではクラブとしての競争力をつけるのは難しいと思うんだ。ある選手を実際に試合で使ってみて、そのパフォーマンスが正当に評価されるべきじゃないのかな。その評価のなかに、
「メンタル面」という条件が含まれていると思うんだ。ヨーロッパの選手を見てごらんよ。技術的にそれほど優れていなくても、その選手の努力、クラブに献身しようとする能力……、そういった選手が実際に起用されているじゃないか。これは世界的な傾向だよ。ボクは今シーズンの開幕戦でまだ17歳だった内田篤人をデビューさせ、周囲から大きな反響を呼んだよね(=3月5日vsサンフレッチェ戦。4-3で勝利)。だけど、それは彼を正当に評価した結果だったし、ボクにとっては当たり前の決断だった。
司会 そろそろ時間がきましたので、ここで会見を終わりたいと思います。
パウロ あ、ちょっと待ってください。最後に皆さんに言いたいことがあります。短い期間でしたが、各メディアの皆さんに感謝したいと思います。ボクは本当に素晴らしい人間に囲まれ、アントラーズという組織のなかで精一杯いい仕事ができました。たしかにやり残したことがありましたけど、この1年間の自分を誇りに思ってます。また機会があれば、日本でお目にかかりましょう。

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