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2006年9月10日 (日)

PRIDE無差別級グランプリ2006決勝戦

PRIDE無差別級グランプリ2006決勝戦PRIDE無差別級グランプリ2006決勝戦

さいたまスーパーアリーナ、現地観戦

第1試合、ワンマッチ、西島洋介●-○エヴァンゲリスタ・サイボーグ(1R、3分24秒、裸絞め)、スタンドでの打撃で打ち負けた西島、テイクダウンされてパウンドからバックマウントの状態になったところを絞め落とされて終了。PRIDEに上がり続けるために最低限必要な技術(ムエタイの技術、テイクダウンされないための技術、グランドでのディフェンス技術)を全く覚えようとしていないかのような試合ぶり。ボクシングにこだわるのはいいが、あくまで違う競技であるということを理解できてないような悪寒がしている。

第2試合、無差別級GP準決勝 、ミルコ・クロコップ○-●ヴァンダレイ・シウバ(1R、5分22秒、KO)「グッドシェイプ!」というだけあって、ミルコの打撃が近年で一番鋭い状態だ。シウバの打撃をすべて見切っていた。ミルコは、スタンドでパンチ、グランドでパウンドをシウバに加え続ける。そしてシウバが右目を負傷、ドクターチェックの後、再開されたが、そこでミルコの宝刀左ハイキックが炸裂。ミルコの底力を思い知らせる試合となった。しかし、これでシウバのUFCでの対チャック・リデル戦はなくなったんじゃないだろうか。(もし強行したとしても、この後遺症の影響でシウバはリデルに完敗するような気がする)

第3試合、無差別級GP準決勝 、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ●-○ジョシュ・バーネット(2R判定、1-2)。ジョシュの左フックからノゲイラがダウンしたところで、試合は動き始める。それにしても素晴らしい攻防だった。特にノゲイラは1R終了間際の腕ひしぎが惜しかった。あまりに高度すぎて、素人の目からでは、ビデオでじっくり分析したいところだが、残念ながら、スカパー!を見ることができない。確かにかなり微妙だったが、試合終了後は「ノゲイラの勝ち」かなと思っていたが、判定はジョシュだった。内容は今年のベストマッチだが、この点は、全く納得がいかない。(個人的にノゲイラの方を応援していたということもある。しかし、試合終了後5時間後でも、わずかだがノゲイラの方が上回っていたという印象は変わらない)

第4試合、無差別級GPリザーブマッチ、セルゲイ・ハリt-ノフ●-○エメリヤーエンコ・アレキサンダー(1R、6分45秒、KO)。スタンド中心の展開で、押していたのは間違いなくハリトーノフの方だった。だが、右ストレート2発でアレキが逆転、ダウンしたハリトーノフにパウンド、ひざを入れまくったところで、レフリーがとめる。しかし、これでロシアントップチームのヒョードルへのリベンジはかなり遠くなった。ハリも3試合連続ふがいない試合をしたことで、かなり崖っぷちになってしまったようだ。ハリは、今の技術のすべての面で上乗せしない限りトップ戦線に返りざくことは難しいかもしれない。

第5試合、ワンマッチ、イ・テヒョン●-○ヒカルド・モラエス(1R,8分8秒、TKO、セコンドタオル投入)PRIDE進出発表から、わずか1ヶ月で総合に臨んだシルム(韓国相撲)の横綱イ・テヒョン。スタンドから相撲で投げ飛ばしテイクダウン取るまではいいが、その先は勝つための技術がまだなかった。そのうち、両者のスタミナが切れて、パンチも動きもスローモーションを見るような試合に(苦笑)。DSEとしては、かなり楽な相手を用意したのだが、どうやら彼も、総合のリングに相撲をしやってきたようだ。まあ、初戦だから、これで総合格闘技に目覚めるのかもしれないが..。とにかく、初戦だけみれば、二匹目のチェ・ホンマンを狙ったDSEの戦略は失敗だったようだ。(逆にいえば、いかにK-1が、そういうプロテクトしたカードを組んでるのかといこと実証されるのだが)

第6試合、ワンマッチ、中村和裕○-●中尾“KISS”芳広(3R判定、3-0)、とにかく眠かった(苦笑)。

第7試合、ワンマッチ、マウリシオ・ショーグン○-●ザ・スネーク(1R、5分29秒、KO)198cmと長身なスネークのスタンドを警戒したショーグンは、組み付きからグランドでの展開を選択。復帰戦のため、去年のGPの時ほどの出来ではなかったが、ショーグンが完勝した。ランデルマン戦では、もっと復調するはずだ。

第8試合、ワンマッチ、ヒカルド・アローナ○-●アリスター・オーフレイム(1R、4分28秒、タップアウト)、テイクダウンとった後、アローナがガード上やサイドポジションから、アリスターに細かい打撃を当てまくる。アリスターは、バックからたこ殴り状態になった時にあきらめてタップ。試合後の様子だと、足を試合中に痛めていたことで、心が折れてしまったようだ。

第9試合、無差別GP決勝、ミルコ・クロコップ○-●ジョシュ・バーネット(1R、7分32秒、KO)。ここでもミルコのスタンドの鋭さを感じさせた。ジョシュもかなりミルコのパウンドに耐えて、ガード下から関節を極めようと試みたが、最後は、ミルコの鬼パウンドにジョシュの心が折れた。ミルコの初戴冠だ。スタンド席から見るとミルコは少し男泣きしていたように見えた。「ハッピー・バースディ!」との声がミルコにかかる。個人的には、ノゲイラ対ジョシュの勝った方が、このGPの覇者と思っていただけに、この結末は意外だったが、今までのミルコの軌跡が思い浮かんで、なかなか感動的であった。ジョシュもノゲイラとフルラウンド戦ったことの影響もあったはずだし、次は結果がひっくり返っているかもしれないが、とにかく今日は「ミルコ、おめでとう!」という感情しか思い浮かばない。

核となるGP3試合がすべていい試合だったので、かなりいい興行だったように思う。2時すぎに開始して表彰式まで終わったのが6時半すぎ。やはり9試合は多かったようだ。第5試合と第6試合はなかった方が良かったが、まあ、抱えてる選手の量からいけば、1試合でも多く組みたいというのが本音だろう。これで、ミルコとヒョードルの男祭りでのタイトルマッチはほぼ決定だろう。前回の対戦では、ヒョードルは完璧なミルコ対策を見せた。だが、2回目は、同じ作戦は通用しないはずだ。またヒョードルは、今度はスタンドを磨く物理的な時間が少ない。それでもヒョードル有利だが、この日のミルコのスタンドなら、ヒョードルに勝つことも可能だろう。

他の点に関しては、シウバ対リデル戦とジョシュのPRIDEラスベガス大会への参戦が難しくなったことが悪影響だろうか..。(ともかく、このGPは、1日のうちにハイレベルの試合2試合をこなすのは、選手をかなりの程度で消耗させる。K-1が、GP決勝大会で1日3試合やってるのが、いかに選手に負担を強いているのかが実感できる。その点でミルコはトーナメントでは運に恵まれていなかった)ともかく、アビスパや馬鹿会長のことを忘れられた幸せな時間だったように思う。

試合後のコメント:

■ミルコ「人生最高の日です」

――今どんな気分ですか?


 人生最高の日です。人生最高のバースデープレゼントをもらった気分です。

――クロアチア出身のスポーツ選手として、テニスのイバノセビッチ選手らとともに世界のトップアスリートとして肩を並べたんじゃないですか?

 そうなってくれればうれしいです。

――今日は過酷な2試合でしたね

 1日に複数試合するトーナメント、足や脛(すね)にアイシングをして、マッサージを受けて、ストレッチをして次の試合に整えるという基本的にはいつものルーティンワークでした。

――今までのベルト挑戦と今日は何が違いましたか?

 2003年11月に東京ドームでノゲイラと対戦した時は、1ラウンドは僕が圧倒しましたが、2ラウンドで、まだあの頃はグラウンドに慣れていなくてノゲイラに決められたので、ノゲイラの技術に敬意を表したい。次の挑戦が去年のヒョードルとのタイトルマッチで、あの時は試合前のコンディションニングでとても大きな間違いを犯し、ああいう結果になってしまいました。でも今日は“僕の日”だったんでしょう。自分が世界最強であることが間違いない事実であることを世界中の皆さんに証明したかった。もちろんヒョードルがこのGPに参戦していなかったので、必ず彼とはまた試合をして決着を付けることになるでしょう。でも、もし今日、彼が4強にいたとしても僕が勝ったのではないでしょうか。今日はとにかく神様から与えられた“僕の日”でした。

――表彰式で流した涙の意味は?

 僕だって人間だから涙だって流すさ(笑)。

――決勝戦の相手がジョシュ選手になったのは予想通りでしたか? またどんな対策を練っていたんですか?

 どちらも世界最強の1人、どちらが上がってきても自分の戦いをするだけでした。

――ジョシュ選手の粘りを感じましたか?

 彼も勝利に執着していたのをひしひしと感じました。彼のファイトスタイルは好きです。リングを降りればいい友だちです。彼とは人間的にウマが合います。でも「もう3回も試合をしたから、もう試合をするのはやめよう」と試合後に話をしました。今日は勝てたけれど、彼がベストシェイプだったら、彼に勝てる選手はいないんじゃないかという気がします。彼とはもう試合をする必要がないかもしれないから「クロアチアに来て一緒にトレーニングをしないか、僕のジムの扉はいつでも開けておくよ」と誘いました。

■ジョシュ「体が動かなかった」

――今日の結果を振り返っていかがですか?

 残念でした。本当にキツい夜でした。自分の思う流れになりませんでした。

――まずノゲイラ戦を振り返っていかがでしたか?

 どうしても体にギアが入らない感じで、今日のトーナメントを通して体が動かなかった。もっとアグレッシブにいきたかったのに、いけなかったです。あの男に大して関節技を試みたのは自分だけです。次回は必ず決めてみせます。

――ミルコ選手が「ジョシュ選手とクロアチアで一緒に練習をしたい」と言っていましたがどうですか?

 興味深い話です。彼との対戦は3回目なんですけど、2回目にやって敗れた時に「何としても倒したい」と思いました。相互に尊敬しあってることを思えば変なことかもしれませんが、ファイターとして最高になるためには敗戦した彼を負かさないといけなかった、それだけのことです。これからも自分がタイトルホルダーになるにはおそらく彼を倒さなければならないでしょう。でも今夜は彼のための夜でした。あの調子の彼でしたら、誰でも彼を倒せなかったでしょう。あの調子を維持してほしいと思います。そうすれば、このジョシュ・バーネットがなぜ敗れたのか理解してもらえると思います。
「クロアチアに来ないか」という誘いは光栄です。ぜひとも受けてみたいと思います。そのことで私が彼に対して持っている友情と敬意を表したいと思います。

――最後にタップアウトした瞬間はどういう状況だったんですか?

 あれはアクシデントでした。ミルコにレッグロックを掛けようとしたところ、ミルコがそれを止めようとして出した指が私の目の中に入ってしまったのです。それで何も見えなくなり、ミルコがどこにいるのか分からなくなってしまいました。そういう状況で頭をミルコに蹴られたくなかったのでタップアウトしてしまいました。でもあれは絶対に故意ではないことは分かっていたし、練習でも起こりうることなので仕方がなかったと思います。
 ノゲイラ戦のダメージは回復していましたが、今日は思うように体が動かなかったのは事実で、うまく反応しませんでした。それがどうしてなのか分かりませんが、また研究して次に向けてトレーニングで改善していきたいと思います。
 スイマセン オツカレサマデシタ。

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