« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月

2006年8月30日 (水)

大宮対アビスパの感想

さいたま市で仕事があったこともあり、終了後、そのまま駒場へ向かう。駒場のアウェイ自由席(出島)は非常に見にくいため、メインスタンドのカテ2アウェイ席に入る。入ってみてびっくり!。客がいない!レッズの試合で駒場は10回ほど来たことがあるが、あまりに違いに愕然とした。特にカテ2、アウェイ側には、客は16人しかいなかった。警備員やボランティアスタッフなどを入れても30人いない状況だ(苦笑)。約5000人、1/4しか入ってない閑散としたスタジアム。平日とはいいながら、まだ夏休みのこの時期にこの入りは、まるでJ2の試合を見に来たような感じにおそわれる。あくまで他人事ながら、大宮の将来がかなり心配になってしまう客入りだった。

前半は、大宮が寝ていたかのような出来でアビスパがリードして折り返す。川勝は試行錯誤の結果、結局、松田時代と同じバランスに戻したようだ。そのことが前半、無失点で折り返せた最大の要因だ。しかし、このことは松田から川勝への監督交代が、全くの無駄だったことを重ねて証明したに過ぎないようだ。城後は開始早々、見事なミドルシュートを決めたが、あとはポストとしてはまったく役に立っていなかった。ヘッドでは競り負け、足下ではキープできない状態だ。もともと、ボランチの選手で、ほとんど前を向いてボールをもらっていた選手に、いきなりFWでポスト役をやれと言われても、すぐに結果を出すことは難しい。ポスト役としてだけならば、やはりバロンの方が、まだなんとか役に立っていた。久藤、布部、藪田のJ1残留のために呼ばれたベテラン組は、揃って存在感を示すことができなかった。佐伯は走り回っていたが、やはりあのポジションはホベルトと城後を使う方が機能するような気がする。田中は、スピードで大宮DFを攪乱してはいたが、攪乱しただけで決定的な仕事はできなかった。相棒がもっときっちりポストのできるFWであれば、もっと決定的な仕事ができるのだろうが、城後かピークの過ぎたバロンでは厳しいだろう。

アビスパの試合運びぶりからは、全体的に経験が不足しているように感じる。DFラインの中心である千代反田は、やはりまだJ1での経験が不足している。またキャプテンのホベルトは、ボール奪取能力は素晴らしいが、展開力や、ゲームを読む能力、ここぞという場面でのリーダーシップは不足しているという感じがした。J1でキャプテンやるにはホベルトでも経験が不足しているのだろう。さらにホベルトには勝者のメンタリティーがない。歴代のJリーグの中で、これを持っていたのは、間違いなくドゥンガと(鹿島の)ジョルジーニョの二人だろう。だが、かつてアビスパにいたフェルナンドも持っていた。今シーズンのアビスパは取られてはいけない時間に点を取られ、そして僅差の試合を落とすことが多かった。それは経験不足ということが大きいが、そういう経験を補えるような「勝者のメンタリティー」を持った経験のある選手がいないことが、最大の原因だろう。そういう意味で、今シーズンの補強は、ポスト役のFWと共に、全く機能しなかったと思う。

最後、大宮のチーム状態もあり、なんとか同点に追いつくことはできたが、今の状況では、勝点1は、負けに等しいだろう。夏休みの終わりの試合、駒場には秋風が吹いていた。中村はサポに挨拶した後、頭をかきむしりながら、ピッチを後にした。このままでは間違いなく、J1で最も早く博多の森は厳しい冬になってしまうだろう。だが、アビスパには無能は統括と無能な監督しかいないのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

J1第21節、大宮 2-2 アビスパ

さいたま市浦和駒場スタジアム、入場者4873人、曇り、ピッチ:不良、乾燥、主審:穴沢。得点:3分、城後3号(右足)0-1。57分、小林慶2号(CKよりヘッド)1-1。89分、森田2号(右足)2-1。89分、中村3号(右足)2-2。シュート数:大宮8(3)、アビスパ7(2)。支配率:大宮52%、アビスパ48%。

(大宮)先発:GK20荒谷、DF4トニーニョ、5冨田、18西村、22波戸、MF8小林大、16久永、19片岡、32小林慶、FW9吉原、14森田。交代:46分(ハーフタイム):DF3三上←波戸、64分:MF15斉藤←片岡、83分:MF24橋本←久永。警告:久永(3)、斉藤(1)。ベンチ控え:GK21江角、DF13平岡、MF6デビッドソン、FW27若林。監督:三浦俊也。

(アビスパ)先発GK1水谷、DF15吉村、5千代反田、2宮本、3アレックス、MF22中村、8ホベルト、13佐伯、10久藤、FW26城後、27田中。交代:60分MF6布部←久藤、64分MF9薮田←田中、85分FW19バロン←城後。警告イエロー:佐伯(3)、千代反田(4、次節欠場)。ベンチ控え:GK16神山、DF4金古、21山形辰、FW18有光。監督:川勝良一

三浦俊也監督(大宮):
前線でもっとボールをキープすること。
相手よりハードワークして流れをかえよう。

川勝良一監督(福岡):
カウンターを狙っていくように。
ディフェンダーは集中して声をかけ危なくなったら立て直していけ。
今から45分、きついけど頑張って集中していけ。

試合終了後

三浦俊也監督(大宮):
「まず、前半立ち上がり失点、課題はそこにあるにも関わらずあまりにも簡単に失点したという印象です。相手のシュートが良かったのもありますが。そこで一時ガクっとなりがちだが、時間帯が早いこともあってそこは普通に進めたと思います。ですが、なんと言っても前半の内容が悪かったと思います。ゲームで、守備は大きく破綻はしなかったんですが、攻撃はどこも収まりどころがないんでどうやって点を取ったら(いいのかと)?一人一人ががんばっているけど、バラバラという印象を受けました。
後半になって、波戸がダメだということで、三上を入れて少し様子を見ようと。で、そしたらまあ、負けてるからなのか、三上が供給源となっていいところにフォワードを走らせて少し流れが出てきて、その中で同点に出来ました。まあ、後は負けるリスクを出来るだけ抑えながら2点目が入る交代をしましたけど、実際には決定機の数などからいって、失点したのが必然の部分があったと思います。ただ、最終的にあそこで逃げ切れないところに自分も含め、まだまだ甘さがあると感じました」

川勝良一監督(福岡):
「城後の早い(時間帯の)シュートで、少し全体の統一感が逆に無くなった。攻撃を続けようとするグループと慎重に経過したいグループと。その慎重さが相手のラインを上げさせて、逆に中盤をうまく使えなくなった。勝ってないということで選手から感じることは、早い得点で消極的になったかなと。特に後半に関して相手は当然出てくるので、中盤でスピードのある二人で勝負しながら、逆にプレスをかけて全体のビルドアップを助けたいとそのへんの話をしたんですけど、出来てるときとうまくできてないときがあった。
課題の失点に関しては修正できてない。チームとして考えると。最後の最後で追いついたのは、選手の戦う意志は感じるので修正したいです」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アウトゥオリの話

鹿島vs名古屋戦後、審判・家本に対しての鹿島・アウトゥオリ監督の記者会見での言葉

http://www.jsgoal.jp/news/00037000/00037464.html

★★★サッカーは5つの要素から成り立っている。1つが選手、2つ目が現場スタッフ(筆者注:おそらく監督やコーチのこと)、3つ目がフロント、4つ目がレフリー、5つ目がメディアだ。この5つの要素からサッカーというスポーツが構成されている。1つ目の選手と連動してかかわり、醍醐味を増すのがサポーターだ。それが6つ目になる。この中で、周囲から分析され評価されるのは選手とスタッフで、それ以外が評価されないのはおかしい。日本サッカー向上のためには全てが評価されなければいけない。

単純に金言だと思う。現在の日本サッカー界の中で最も分析され評価されていないのは、フロントとレフリーの2つだろう。その結果、日本サッカー協会では川淵キャプテン、(最下位の)アビスパ福岡では長谷川統括長という無能な人々が権力を持ち、それぞれの代表、クラブをダメにしている。審判では、家本と上川(W杯とJで笛の基準が違う)だ。しかし、それを分析・評価すべきメディアは成熟せずに、現在のスターシステムの標的・オシムだけを追い続けている。

日本サッカーが向上するために、批判するべきものは、きっちり分析した上で批判していきたいと思う。単なる一個人のブログの及ぼす影響は、おそらく巨大な岩に一滴の水滴が落ちるようなものかもしれない。だが水滴も数多く長期間落ちることで、いつの日にか巨岩をも砕くことができるはずだ。そう信じて書き続けていきたいと思う。(あくまで仕事の合間をぬってですけどね..)
全文引用
2006年8月30日、J1:第21節】鹿島 vs 名古屋:パウロアウトゥオリ監督(鹿島)記者会見コメント

●パウロアウトゥオリ監督(鹿島):
Q:メンバーを大幅に入れ替えて、実質的に今までと違うチームで戦い、苦戦したわけだが、今日の評価は?
「深井はずっとハーフでやっているから違和感はない。野沢はそれだけの戦術眼と知識を持っているから、ハーフでもボランチでも使えると考えている。その他のいくつかの選手を変えたのは土曜日の試合(ナビスコカップ準決勝)も考えたメンバー変更だった。
全体的に若いチームになり、フレッシュさがあったと思う。最後まで諦めずに戦い、グランパスのような最近勢いのあるチームにあれだけの試合ができたことを評価しなければいけない。
 
***試合についてだが、サッカーは5つの要素から成り立っている。1つが選手、2つ目が現場スタッフ、3つ目がフロント、4つ目がレフリー、5つ目がメディアだ。この5つの要素からサッカーというスポーツが構成されている。1つ目の選手と連動してかかわり、醍醐味を増すのがサポーターだ。それが6つ目になる。この中で、周囲から分析され評価されるのは選手とスタッフで、それ以外が評価されないのはおかしい。日本サッカー向上のためには全てが評価されなければいけない」

Q:小笠原がチームを去ったが、今後の戦い方は見えたのか?
「どんな監督でも小笠原のような能力を持つ選手を失うのは痛手だ。特にナビスコカップ準決勝の近い日程で失ったことは痛い。ただ小笠原は海外移籍を志願したと聞いているし、チャンスがあれば送り出すべきだと思う。他の選手に彼と同じことをやってほしいとは考えていない。野沢を小笠原のところで使うとすでに私は選手全員の前の発言している。試合をこなすごとに彼はよくなっていくと思う」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月27日 (日)

PRIDE武士道-其の十二、観戦記録

PRIDE武士道-其の十二-ウェルター級グランプリ2006 2ndROUND

愛知・名古屋市総合体育館レインボーホール

*武士道挑戦試合1、池本誠知●-○中村大介(1R、3分12秒、腕ひしぎ十字固め)*武士道挑戦試合2,阿部祐幸△-△松下直揮(2R終了、引き分け)

第1試合、ライト級ワンマッチ、日沖発○-●ジェフ・カラン(2R判定、3-0)、スタンドの能力で上回った日沖が柔術ベースのカランの持ち味を出させずに完勝

第2試合、ライト級ワンマッチ、青木真也○-●ジェイソン・ブラック(1R、1分58秒、三角絞め)、現・修斗ミドル級(76kg以下)世界チャンピオン青木が武士道初参戦。現役修斗王者の力を見せつけた一戦。破壊力のある関節は見事。現ライト級チャンピオンの五味にとっては嫌な相手だろう。

第3試合、ライト級ワンマッチ、帯谷信弘●-ギルバート・メレンデス(2R判定、0-3)、五味の弟分・帯谷が武士道初参戦。メレンデスの驚異のスタミナに帯谷が力負けした試合。元が柔術ベースとは思えないメレンデスのすさまじいまでの打撃の嵐でした。1年後には、この大会は青木とメレンデス、ライト級の主役となる二人が登場した大会として記憶されているかもしれない。

第4試合、ライト級ワンマッチ、川尻達也○-●クリス・ブレナン(1R、0分29秒、KO)、「川尻完全復活!」と思わせる完勝劇

第5試合、ライト級万マッチ、石田光洋○-●クリスチャーノ・マルセロ(2R判定、3-0)、シュートボクセの柔術師範代を務めるマルセロ。途中、石田を腕十字に極めかける。石田はスタミナとテイクダウンで上回る。インパクトは残せなかったが、相手も強い選手だったので、しょうがないだろう。個人的にはメレンデスとどちらがスタミナあるのかが見たい。

第6試合、ライト級ワンマッチ、桜井・マッハ・速人○-●ルシアノ・アゼベド(1R、6分35秒、TKO)、マッハは夏バテなのか、グランドの展開に持っていこうとするアゼベドに苦戦。最後は、マッハのひざ蹴りでカットしてTKOだが、チーム茨城の総大将としては、すっきりしない勝ちだった。

しかし、12試合は長い(苦笑)、眠いので後日更新します。

第7試合、ワンマッチ、美濃輪育久○-●バター・ビーン(1R、4分25秒、腕ひしぎ十字固め)、「新型ヘブン」に進化した(?)美濃輪が80kgほど重いバター・ビーンを一蹴した試合。勝負論が優先されるPRIDEという舞台で1人だけ治外法権状態の美濃輪。しかし、最初のドロップキック2連発には驚きました。ウェルター級という階級で勝負論中心のカードを組むには美濃輪の実力では厳しいので、彼はこの路線でいいのかもしれないですねえ。バター・ビーンはアメリカでの知名度はおそらく現ヘビー級チャンプのヒョードルより上の有名なボクサーだ。おそらくラスベガスではカードが組まれるだろうなあ..。

第8試合、ウエルター級GP2回戦、デニス・カーン○-●アマール・スロエフ(1R、4分10秒、チョークスリーパー)、前回GP準優勝のブスタマンチに勝ったスロエフをスタンド、グランド共に圧倒したカーン。前回のニンジャ戦が秒殺KOで、あまりに試合が早く決まりすぎて実力がつかめなかったが、強いですね、この選手は。

第9試合、ウエルター級GP2回戦、長南亮●-○パウロ・フィリョ(1R、2分30秒、腕ひしぎ十字固め)、フィリョ相手に何もできずに負けた長南。しかし、フィリョも強いですねえ。GPは日本人同士を準決勝で当てない限り、間違いなくカーンとフィリョの決勝になります。この二人を見ると、総合という競技で日本人で勝てる可能性のある階級は、76kgまでのような気がします

第10試合、ウエルター級GP2回戦、郷野聡寛○-●ゲガール・ムサシ(2R、4分17秒、腕ひしぎ十字固め)、入場で沸かせた郷野。2回戦に残った中では、最もやりやすい相手に完勝した試合だった。しかし、2年後に対戦した時の勝敗は分からない。ムサシにはまだ総合の経験値が不足している。試合終了後のマイクパフォーマンスでは、前半、かなり滑ったが(苦笑)、後半はやや持ち直す。

第11試合、ウエルター級GP2回戦、三崎和雄○-●ダン・ヘンダーソン(2R判定、3-0)、TVで見る限り名古屋には「ダンダンダン、ダダンダダン!」のコールをする男(さいたまなどでは必ず出現する)は遠征していなかったようだ。わずか4ヶ月での再戦となったが、結果はひっくり返ってしまった。三崎は前回の反省(特にスタンドでの)を生かしたが、ダンは前回よりも明らかにコンディションが落ちていた。(特に後半はスタミナ切れしていた)それがひっくり返った最大の要因のように思える。試合後、三崎は「日本人は強いんです」とマイクしたが、三崎と郷野の両人とも、次は間違いなく苦しい試合になるだろう。この段階では、カーンとフィリョの二人の実力は抜けている。焦点は、両外国人が準決勝を、どれだけダメージを負わずに通過できるかだろう。ただし、本人達が準決勝を戦う時に、決勝戦を念頭に置きすぎた場合にだけ両日本人には数少ない勝機が訪れるかもしれない。

第12試合、ライト級ワンマッチ、五味隆典○-●デビット・バロン(1R、7分10秒、チョークスリーパー)、アウレリオ戦での敗戦から4ヶ月、やっとモチベーションを取り戻した五味が修斗ミドル級欧州王座を持つバロン相手に完勝した試合。完勝は完勝だが、さすがに10連勝していた時の神がかったような強さには戻っていなかったように思う。相手が寝技が強いタイプなので、慎重な戦いぶりだったのかもしれないが。五味は自分のジムを開いて4週間後の試合なので、調整も難しかったのだろうが..。11/5の横浜での武士道ではライト級の初防衛戦が行われる予定だ。今のところ、相手はアウレリオが有力らしいが、次の試合で、木口道場を離れて独立したことが五味にとってどうだったのかという真価が問われるだろう。さらにアウレリオにリベンジしても、メレンデス、青木、石田、さらには川尻やマッハなど、対戦相手にはことかなない。どこまで五味のモチベーションが維持できるのか、それが一番心配なのだが...。

今回の武士道では、去年の「五味対川尻」のような、もの凄く良かったカードこそはなかったが、全体的にはいい興行だったと思う。しかし、カード数が多くて、終了まで5時間かかる興行では、客も疲れただろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月26日 (土)

PRIDE武士道観戦

本日は、アビスパの惨状から逃れて(苦戦)、PRIDE武士道を観戦しました。場所は新宿のスポーツバー、生中継ではなく(仕事が開始までに終了しなかったため)録画再放映分を観戦しました。しかし、16:00~21:00まで5時間の長時間興行になるとは...。(録画放映分では21:00すぎから24:40まででなんとか収めてくれました)やはり、12試合に挑戦試合2試合の合計14試合は多すぎです。内容と質は、8月頭のHERO’Sを圧倒してますが、さすがに疲れました。簡単な感想は、明日、UP予定です。

それでは。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月23日 (水)

国立に行けなくて良かった..。

仕事が早く終わったら、今日の東京対アビスパは国立で観戦する予定でしたが、自宅に帰宅できたのが、18:57頃。結局、Show TimeでのネットPPV観戦に切り替えましたが、いやあ、国立に行けなくて良かったです。もし行っていたら、国立の椅子が2個ほど壊れていたような気がします(苦笑)。

今のアビスパは、パンチ力のないアウトボクシングタイプのボクサーが、馬鹿なトレーナー(川勝)の指示でノーガードで打ち合いに出ているようなものです。それでも、相手のディフェンスが弱い場合(京都やセレッソなど、ほんの一部)は、ある程度、有効打は入れることができるでしょう。しかし、相手がまともなディフェンス力を備えたチーム相手では、今日のように、ぼこぼこに打たれまくって終わってしまうでしょう。川勝のコメントでは、「11人の時点での守備は機能していた」ということですが、藪田が退場する前でも、両サイドを再三突破されて決定的なシーンをいくつも作られていました。ちなみに(退場まででシュート5本、うち枠内3本も打たれています)。川勝は現場から離れていた時に、イタリアに行っていろんなクラブの練習や試合を見てきたようですが、どうやら、それは無駄だったのかもしれません。この状態では、このシーズン、アビスパは他のJ1チームの単なる噛ませ犬で終わってしまうでしょう。最終節を迎える頃にはもうズタボロで、1年でJ1に復帰できないほどのダメージを受けているかもしれません。ここで京都や名古屋のように金持ちのクラブであれば、2度目の監督交代に踏み切るはずですが、アビスパにはもう資金がないでしょう。しかし、長谷川統括と川勝がいる限り、アビスパは、悪い方向に行くしかありません。現実的には、この二人を切って、中村氏を臨時監督にして立て直すのが、金銭的にもいいかもしれません。(個人的には監督には原博実氏(第一希望)か小林伸二氏を希望ですが、火中の栗を拾いに行くようなもんですからねえ、ほとんどの有能な監督候補は、オファーしても受けないでしょう)

まだシーズンは終わった訳ではありません。あと10試合以上も残っているのです。あきらめるわけにはいきませんが、今の体制では無理です。光が全く見えません...。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

J1第19節、東京 5-1 アビスパ記録とコメント

国立競技場、19:04キックオフ、主審:吉田寿光、天候:曇、気温28.6℃、湿度%、入場者18533人。得点:35分、藤山1号(東京、左足)1-0。52分、OG徳永(東京)1-1。64分、赤嶺3号(東京、右足)2-1。66分、石川3号((東京、右足)3-1。76分、伊野波1号(東京、CKよりヘッド)4-1。89分、阿部2号(東京、CKよりヘッド)5-1。シュート数:東京23(16)、アビスパ9(1)。CK:東京10,アビスパ2。支配率:東京56%、アビスパ44%。

(東京)先発GK1土肥、DF25徳永、3ジャーン、2茂庭、8藤山、MF7浅利、23梶山、18石川、20川口、FW24赤嶺、9ルーカス。交代:66分、MF19伊野波←川口。79分、FW11阿部←梶山。86分、MF14馬場←赤嶺。警告:川口(3)。ベンチ控え:GK22塩田、DF5増嶋、MF16宮沢、27栗澤。監督:倉又寿雄

(アビスパ)先発先発GK1水谷、DF15吉村、5千代反田、2宮本、3アレックス、MF22中村、8ホベルト、13佐伯、9藪田、FW19バロン、27田中。交代:43分MF26城後←バロン、66分MF6布部←田中、75分FW18有光←佐伯。警告イエロー:佐伯(2)、アレックス(1)、ホベルト(2)。イエロー2枚(レッド)、藪田(22分退場)。ベンチ控え:GK16神山、DF17川島、23柳楽、MF11山形恭平。監督:川勝良一

ハーフタイムコメント

倉又寿雄監督(F東京)・DFラインでボールを持っているとき、リズムを遅らせない。・FWの動き出しを速く。
・うまくいかなくても焦らない。
川勝良一監督(福岡):後半システムを変更していくので対応していくように。・相手もひとり少ない方が攻めづらい。・チャンスは必ず来る。点を取りにいけ。

試合終了後:倉又寿雄監督(F東京):
「すいません、声が出なくなってしまって。(今日の試合は)全体的にはよくできたと思う。ただ、前半もう少し前からプレスをかけたかったが、中二日というスケジュールの中で、疲れもあって、なかなかプレスがかけられない状態で前半を終えたというような状況だった。ただ、そのなかでも藤山がああいう形でロングシュートを決めてくれたので、1対0で折り返すことができた。
後半に向けて相手が10人になったが、後半の立ち上がりからもう少しアグレッシブにいきたかったが、なかなかうまくいかなかった。ただ、最後に福岡が少し体力的に落ちてきてくれたので、サイドから攻撃することができた。そういうなかで、ゴールという結果が得られたと思う」
Q:前節に続いていい試合ができたことの意義は?
「今まで、いつもいいゲームをやった後、中だるみじゃないが、意識の問題というところで少し欠けているような状況の試合があった。だから、その辺のところは試合前にまず気を引き締めてやらせた。そういう意味でも、千葉戦でできたようなことをもう一度この試合でもやろうと選手に伝えて、試合に入った」

Q:相手がひとり減ってから攻めあぐねたようにも見えたが?
「そうですね。相手の4バックのサイドに対して、両サイドがもう少しプレスをかけたかったのだが、なかなかかけ切れずに押し込まれて、最後は徳永のオウンゴールという形になってしまった。もう少しプレスをかけたかった」

Q:プレスをかけられなかったということだが、純粋に体力的にということなのか、あるいは監督が就任する前の状態が尾を引いている状態なのか?
「体力的な問題だと思う。もう少しいけるかと思ったが、なかなかいけ切れなかったというのが現状で、やっぱりそこは体力的な問題だと思う」

Q:過密日程が続くが、このあとの2試合に関しては?
「まだ何も考えていない。清水のゲームを今年まだ1回も見ていないので、これから見て検討したい。ただ、また中二日でやっていかなければならないので、コンディションは維持できるように調整していきたいと思う」

●川勝良一監督(福岡):

「最近、失点が前半の早い時間帯に多かったので、DFの方を少し修正して、前半(得点が)ゼロでもゲームを早く崩さないようにした。ただ、25分に退場者が出たということで、今のチームの状態でひとり退場者を出したことは選手に相当負担になった。
後半追い付いたところまでは、選手もよくがんばった。後半3-4-2に変えて、中盤の外を(中村)北斗とアレックスで、中盤のマークと、サイドの裏のケア、両方を指示した。外はある程度取られるので、中の放り込みに対して、中央のマーキングで対応するようにした。カウンターに対して狙えるチャンスがあったら、それを狙っていこうということで、田中、特に城後辺りには指示をした。今は厳しい状態だが、ケガ人等、チームに出れない選手がいるが、サポーターにはいつも応援してもらっているので、それに応えられるように修正していきたいと思う」

Q:今日は10人になったこともあったが、11人で戦っているときも中盤の守備が機能していなかったように思うが、その辺の修正は?
「いや、11人のときは別に悪くないと思う」

Q:ケガ人が多いが、帰ってくる目処は?
「今のところまだ無理だ。報告では、近い試合はちょっと無理と聞いている」

Q:ケガ人が多いなかで退場者が出たが、その辺りは?
「久藤が今日は累積で出ていないので、単純に薮田の分は久藤でまかなえる。ただ、後ろの控えの層もどんどん薄くなっている。選手が一番集中してゲームをできる状態というのは、(失点が)ゼロの時間帯。チームには積極的に攻撃面で意識付けしてきたが、今の置かれている状況を考えると、早い時間帯での失点、特に前半の早い時間帯での失点というのは、相当全体の水準を下げる原因になってしまう。その辺を修正して、少ないメンバーでも、プランを早めに崩して集中を切らすような展開にならないように。その辺を考えていきたい」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月20日 (日)

PRIDEのタイソン招聘とアビスパ

http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1156068800

榊原代表はタイソンが会見に出席した理由を、次のように語っている。
「PRIDEとタイソンがアライアンスを組んで、世界の格闘技界に向けて、格闘技の魅力が詰まったプロジェクトを作り出します。タイソンは単なるゲストではなく、我々とともに格闘技界に革命を起こすパートナーです」と、タイソンがPRIDEのスーパーバイザー的なパートナーになったことを明かした。またカード2試合が決定した。

エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル)VSマーク・コールマン(アメリカ/ハンマーハウス

マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)VSケビン・ランデルマン(アメリカ/ハンマーハウス)

DSE(PRIDEを主催する会社)はアメリカ初進出となるラスベガス大会を成功させるために、タイソンの知名度を利用することにしたようだ。タイソンの方も、ボクサーとしてはほとんど引退状態ではあるが、かなりの借金が残っており、少しでも金が欲しい状態だ。両者の利害が一致したのだろう。また発表したカードも、アメリカで知名度のあるアメリカ人を起用している。さらにJ・バーネット、フィル・バローニのアメリカ人もラスベガス大会のカードに名を連ねるはずだ。DSEは何年も前からアメリカ現地事務所を置き、マーケティングを行ってきた。榊原DSE代表は、「紙プロ」インタビューでは「PRIDEの世界観を、そのままアメリカに持ち込む」と答えていたが、この2つのカードからは、アメリカ向け仕様に変えていることは間違いないだろう。PRIDEは、現在、ヘビー級(93kg以上)とミドル級(93kg以下)では世界最高レベルの選手たちを抱えている。ただし、地上波という資金がなくなった現状では、その陣容をキープするのは容易ではない。アメリカ進出はDSEにとっては、成功しなければいけない事業なのだ。タイソン招聘にはかなりの大金が投入されたことだろう。DSEにとっては、ある意味、ギャンブルと言っていい。

前日のエントリーでは、アビスパのギャンブルの仕方と、それが間違いなく失敗しそうな悪寒について書いた。アビスパの最大の弱点は、フロントが関連企業と役所からの出向でしめられており、唯一、サッカー界に詳しいはずのGMが全くの無能であるということだ。現在、日本サッカーで最も有能なGMは、ジェフの祖母井氏と横浜FCの奥寺氏だろう。(アビスパはJ2に落ちて、その無能GMを追い出すことによって、はじめて再出発できるのかもしれない)個人的にはDSEの榊原代表は、この二人に遜色ない優秀な代表だと思っている。(現在の世界最高峰の格闘技イベントに成長させたのは彼の手腕によるところが非常に大きいのだ)だが、彼をもってしても異国アメリカでPRIDEが成功するかどうかは分からない。だが、今回、失敗したとしても、2回目のチャンスには成功させるだろう。賢者は失敗から学ぶのだ。しかし、アビスパの無能GMは、これまでに2つのチームをぼろぼろにした後、アビスパにとりついたという。そして3度目のこの事態。彼には失敗から学ぶという能力はないのだろう。だがフロントが親会社からの出向者で占められるJクラブがなくならない限り、この無能GMは、どこかのクラブに取り付き、生き延びていくだろう。

しかし、アビスパのことを考えると元気がなくなるなあ...。この無能GMがいなくなるまで、サガン鳥栖のことだけ考えようかと思う、今日この頃だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月19日 (土)

バランスが崩壊したアビスパ

アビスパ対京都、Show  TimeのPPVをPC画面にて観戦(通信速度約790K、525円)

前節の3バックから4バックに戻して臨んだ降格候補同士の非常に重要な試合。(どうやら前回の3バックは単なる川勝氏の苦し紛れの思いつきでしかなかったようだ)。川勝体制に変わって、点を取るために全体的に前がかりになることを意図したバランスを取ることを模索していたが、それが実現した試合となった。その結果、バイタルエリア付近のスペースが空きまくり、失点に失点を重ねた。松田体制で築き上げた強固なディフェンスのディシプリンは、完璧に崩壊した。

Jリーグ中断前に、思うように得点を上げられず、組織的なディフェンスにも多少緩みがでて、何かを変える必要に迫られていたアビスパは、松田監督を解任し川勝体制に変え、そしてJ2でレギュラーでもない選手3人を獲得し、代わりにJ1昇格に貢献したグラウシオ等を放出した。結果、川勝氏はチームバランスを崩壊させ、獲得した選手は、バロン、佐伯と全く役に立っていない。(飯尾は、まあまあだと思うが、あのレベルなら経験は少ないが今の田中でも十分可能だろう。むしろアビスパの将来のためには田中を使うべきだ)アビスパフロントはJ1残留のため賭けに出たが、それはことごとく裏目に出たようだ。川勝氏には、もう残留のための手段は残っていないだろう。そしてフロントにも、救世主となるようなFWを獲得するような資金も残っていないはずだ。結局、小金を小刻みに使って、フロントはチームを崩壊させた。このままいけば、これからのシーズンで、アビスパは松田監督時代の約2倍以上の失点率のチームに変貌し、入れ替え戦にも残れずにJ2に降格するだろう。その後には、アビスパは、J1(と資金力に恵まれたJ2)チームによる若手有力選手の草刈り場化と化すはずだ。(柏との入れ替え戦に負けた後、増川と米田が引き抜かれていった。今回は、中村北斗、田中、城後あたりだろうか)

確かにあと16試合あるのは事実だ。攻守のバランスを取り戻し、FWの誰かが爆発すれば、可能性は残ってはいる。だが川勝体制で狂ったバランスは、彼を解任しない限り戻ってはこないだろう。すべてはフロントの無能さが招いた悲劇に違いない。フロントが無能な限り、アビスパは地方のエレベーターチームから抜け出すことはできないだろう。

熱帯夜なのに、もうすでに冬を迎えたように悪寒で寒い夜になった。そんな試合だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

J1第18節、アビスパ 4-5 京都、結果とコメント

博多の森球技場、19:00キックオフ、主審:岡田正義。天候曇、気温24.0℃、湿度85%。入場者10387人。得点:7分、アンドレ3号(京都、ヘッド)0-1。29分:飯尾2号(アビスパ、右足)1-1。41分:久藤1号(アビスパ、左足)2-1、44分:パウリーニョ8号(京都、FK直接)、2-2。46分:藪田、3号(アビスパ、右足)3-2。47分:パウリーニョ9号(京都、左足)3-3。58分:中払3号(京都、左足)3-4。79分:城後2号(アビスパ、右足)4-4。83分:加藤1号(京都、左足)4-5:シュート数:アビスパ10(6)、京都10(5)。CK:アビスパ6、京都8。支配率アビスパ47%、京都53%。

(アビスパ)先発GK1水谷、DF22中村、5千代反田、17川島、3アレックス、MF10久藤、8ホベルト、13佐伯、9藪田、FW19バロン、34飯尾。交代:57分FW27田中←飯尾、69分MF26城後←久藤、76分FW18有光←バロン。警告イエロー:ホベルト(1)、久藤(4、次節出場停止)、千代反田(3)。ベンチ控え:GK16神山、DF15吉村、MF6布部、14古賀誠史。監督:川勝良一

(京都)先発GK1平井、DF33角田、19登尾、7児玉、6三上、MF18米田、16斉藤、27加藤、14中払、FW10パウリーニョ、9アンドレ。交代:65分FW20林←パウリーニョ、67分FW30松田←アンドレ、86分MF17石井←米田。警告:中払(3)、アンドレ(3)。ベンチ控え:GK26西村、DF23大久保、MF15中山、11星、監督:柱谷幸一。

ハーフタイムコメント:川勝:相手の最初の起点をはずすように。後半、焦らずに攻撃を仕掛けていけ。柱谷:攻めているときの残っている選手のマークをしっかりすること。バックラインのラインコントロールは最後までしっかりしよう。カウンターが決まったとき、必ずゴールを決めよう。

試合終了後コメント
川勝、「この間のダービーに続いて、今日は同じ勝ち点の京都ということで大事な試合に選手たちは気持ちを入れてくれてスタートはできたんですけれど、早い失点で、また少し落ち着きがなくなってしまいました。
前半でうまく逆転はできたんですけれど、ロスタイムで追いつかれ、後半の頭でまた引き離して追いつかれた。その感の時間の短さというか、全体で落ち着く時間帯が取れないときに同点ゴールを決められ、中が混乱している時間が続いたりとか、得点でいい効果が生まれる前に先に失点をしてしまうと。DFラインのところでの混乱はあったかなと思います。相手は3-5-2に近く、ボールを受けるときに変則的に動くということも前半の途中から伝えて、ハーフタイムにも、両サイドが引っ張られたときの対応を指示したことで落ち着きが出て、攻撃にも出られるうになり、同点の後も前に出られる時間もあったんですけれど、ただ、DFとして踏ん張る時間帯をうまく作れませんでした。でも選手たちは最後まであきらめずに戦ってくれているんで、次にもう一度修正して望みたいと思います

Q:残り試合半分あるとはいえ、同じような状態にあるチームに、こういう負け方をした。それに関して、率直にどのように感じられていらっしゃいますか
「当然責任は感じますけれど、ただまだ終わっていないし、いま言われたように半分あるということで、チームとしてどこが悪いかということを、次の試合も近いので、悩むのではなくて全体で修正して、うちのスタイルではないところでの失点が多かったというところを少し整理して、次のゲームに向かいたいと思います」

Q:ここ2試合、前からの守備というものが機能していないように思うのですが
「若干、やっぱり勝ち星が欲しいからか、全体が慎重になるというか、速く相手から離れてしまうと。後ろのスペースに重心が行きやすいので、前が追ってプレスで限定したとしても、後ろが少し離していたり、DFラインが離していたり、ボールが奪うDFができていないというのは、ハーフタイムにも何人かの選手には、はずさないようにと言うことは話しました」

柱谷コメント
Q:試合を振り返って
「残りゲームが半分あるとはいえ、同じ勝ち点にあるチームとやるゲームというのは非常に大事だということで、私のほうから言わなくても、選手は非常にモチベーション高くプレーしてくれたんじゃないかなと思います。全体的な守備と攻撃という点では、今週トレーニングをやってきた形というのはみんなしっかりやってくれたんじゃないかなと思います。ただ、一瞬の隙というか、アラートじゃない部分で失点した部分は多かったんじゃないかなと思います。ただ、今日は選手たちが本当にあきらめないで最後までボールに向かってプレーしてくれたことが、この結果につながったんじゃないかなと思っています。素直に選手たちをほめてあげたいなと今日は思います。ただ、これで終わったわけじゃなくて、中3日でセレッソと試合があるわけですから、しっかりと気を引き締めて3日間でいい準備をして次の試合に臨みたいと思います」

Q:5-4という点の取り合いになりましたけれども、その点については、どうお考えでしょうか
「まず、このゲームは結果というのが非常に大事で、そういう意味で、勝ち点3を取れたというのは非常に意味のあることだと思うんですね。サッカーというのは相手より1点多く取れれば勝てるスポーツなので、4点取られましたけれども、5点取ったということのほうを評価すべきではないかと思います。失点の方は、先ほど言ったとおり、一瞬の隙を突かれた形になりました」

Q:こんなすごいゲームというのは、監督自信、経験がありますか
「僕も10何年サッカーをやっていますから、こういう点の取り合いというゲームは何度か経験していますけれども、最後まであきらめないということが大事だと思います。ただ、アビスパも非常に攻撃的にあきらめないで点を取りに来ている、そういう形があるからこそ、こういう点の取り合いになるんだと思うんですね。どっちかが完全に引き込んでしまうと、こういうゲームというのは絶対にないと思うんですね。アビスパもサンガも点を取りに行くという部分で、非常に高い意識でやったということが、この5-4というスコアに表れたんじゃないかなと思います」

Q:去年もアビスパとは4試合戦ったわけですけれども、そのときは、こういう5-4というスコアは想像しづらかったと思います。去年のアビスパと今年のアビスパの違いはどんなところに感じられますか
「前に非常に積極的に人数をかけて攻撃してくるというイメージがありますね。前任の松田監督とはかなり長くJ2時代から対戦してきましたけれど、松田監督は非常に組織、バランスというものを重視されて、その中でいろんなコンビネーションを使って攻撃していくという、組織的な整理されたチームだったと思います。川勝監督になってからは、もっと攻撃的に、アグレッシブに、多少のリスクがあっても点を取りに行こうという、そういう違いはあると思います。どっちがいいとか、悪いとかじゃなくて、サッカーの違いはそこにあるんじゃないかと思います」

Q:加藤大志が久しぶりに90分戦ったわけですけれど、最後まで使おうと思われた理由を教えてください
「まず、アンドレとパウリーニョが十分なコンディションではないので、彼らのために2枚を使わざるを得なかった。それで、大志を使わざるを得なかったというところですね。それと、今日は選手たちに自分たちのスタイルで戦おうということで、非常に前半のポゼッションが良かったですね。特に斉藤が良かったですね。何度もサイドチェンジのパスが大志の足元に入って、大志が仕掛けられるようなプレーが出てきて、チームもリズムに乗ってプレーできていました。アレックスを引っ張るというか、大志がいることで引っ張り込んで相手の攻撃力を逆にマイナスさせたという部分もありますし、今日は斉藤と大志は相手に脅威を与えるプレーができていたんじゃないかなと思いますね。最後の1枚のカードは、中盤がかなり苦しんでいたんで、斉藤をサポートする意味で俊也(石井)を入れて、大志にはアレックスを見ろということでした。大志はもともとフィジカル的にも強い選手ですし、これまで故障がちだったですから長い時間、引っ張ることは少なかったですけれど、今日はいいコンディションで、一番最後までアグレッシブにやってくれたんじゃないかなと思います」

Q:次の試合に向けて修正する点はどんなところでしょうか
「ゲームの内容自体は非常にいいと思うんですね。失点した部分は、もちろん問題ありますけれども、大きくトレーニングの中で何かをやらなければいけないというものはないですし、逆に言えば3日間でそれをやるというのは難しいと思うんですね。意識さえ持てばやれると思うので、ビデオを編集して、分析して、そのビデオを見ることで十分に修正できるという部分が今日のゲームにはあると思います」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月16日 (水)

イエメン戦後、選手コメント

阿部勇樹(ジェフ千葉) :相手は引いてカウンター狙いだった。もっと早くボールを動かさないと。両サイドの高い位置を取れれば、チャンスは作れると思った。前半はリスクを冒してプレーすることが少なかった。後ろ(ディフェンスライン)に人数が多過ぎて、相手が戻ってきてしまっていたので、あまり意味がなかった。(羽生や佐藤勇が入ってきて)相手の裏やサイドに抜けて、その分、中央にスペースが生まれてボールが入れられるようになった。ゴールできたことは良かった。自分はファーでは(ヘッドで)勝てないから、タイミングを見てニアで狙った方がチャンスはあると思った。久しぶりの代表なのでちょっと緊張した。後半は相手が前に人数を残してきたので、ディフェンス3枚で守るようにしていた。その方がボールは回りやすかったと思う。

遠藤保仁(ガンバ大阪) :前半はチャンスがありながら、何度も決められなかった。2試合目ということで、まだうまくいかないところがある。ディフェンスラインで1対1の場面を作られてしまった。そこは気をつけないと。後ろから飛び出していけばチャンスは作れる。カバーリングはしっかりしたい。(今日は走れたか?)暑さはあまり言い訳にはしたくはないけれど、日程的にきつかった部分はある。気持ちは入っていたけれども、動けなかった。もうちょっとボールに絡めないと。自分では満足していない。セットプレーであと2点くらいは取れていたと思う。ハーフタイムで、オシム監督は多少イラついていたようだ。もっと速いパス回しをするように言われた。

駒野友一(サンフレッチェ広島) :交代したのは、この前のJの試合で左のももを痛めていたから。少し痛みが残っていた。前半、1対1で抜いてクロスを上げたときに、ピリッと来た。(試合前の指示は)相手が引いてくるのでサイドで数的優位を作って、高い位置を保つように意識した。(次はアウエー2連戦だが)難しい試合になるが、オシムさんのサッカーをチームとして理解し、やっていきたい。自分ではコンディションが悪いとは思っていなかったけれど、相手が引いた守りをしていたので難しかった。もっとボールを動かすサッカーをしないといけない。

佐藤勇人(ジェフ千葉) :3年間ずっとオシムに教わってきたので、どのタイミングで飛び出すか、そういったことは分かっている。ただ今日は相手にとって危険な存在にはなっていなかった。オシムもベンチでイライラしていた。(途中出場について)僕にしろ羽生にしろ多少なりとも信頼されていたからだと思う。もっとそれに応えなければならない。(オシム監督の目指すサッカーは)すぐには難しいけれども、素晴らしい選手がそろっているし、吸収力もあると思う。後ろ(ディフェンス)が気になるところがあるかもしれないが、自分が走ってチャンスが作れるなら、どんどんリスクを冒してもいいと思う。ただしリスクの掛け方は考えなければいけない。

佐藤寿人(サンフレッチェ広島) :(途中出場で)自分に求められていたのは、ゲームを落ち着かせて、1-0で終わらせること。でも、やっぱりもっと長く使ってもらえる選手にならなければいけない。(ベンチからの指示は)本来FWというものは点を取ってこいと言われるものだけれど、そういう指示ではなかった。縦に行くのではなく、(ボールを)横にはたいて、リズムを作るように言われた。(ゴールは)直接決められなかったのは、力のなさだと思う。しっくりいかない部分もある。あれだけいいボールは直接決めないと。今日のGKははじいてくれたけれど、もっと質の高いGKだったら、ゴールにはならなかったと思う。でも、こぼれ球を決められたのはインザーギっぽくて良かった。

田中マルクス闘莉王(浦和レッズ) :(惜しいシュートがあったが)遠藤のボールは良かった。こすれば入ると思った。GKがどこにいるか分からず、正面に(シュートが)行ってしまった。やっぱりなかなか入らないね。ゴールの難しさを感じた。大事に行き過ぎた部分もあった。前の人を追い抜く動きができなかったし、リズムも作れなかった。

鈴木啓太選手(浦和):「難しい試合になることはわかっていた。前半は少し足元で動くタイプが多かったけど、自分はもう少し速いタイミングでボールを回したかった。前半はうまいタイプが多いし、相手がゴール前を固めて来るとなかなかスペースが空いてこない。多少、サイドに開いて逆を狙っていくとか工夫が必要だった。僕と阿部のところで三都主とやっとさん(遠藤)を追い越してFWと前の間でボールを受ける必要もあったのかな。そういう場面をもっと増やさなければいけなかった。ハーフタイムの監督は自分たちのやるべきことをやっていないといっていた。自由を与えてもらっているけど、その中にも大きな枠組みはある。それを無視して自分たちのプレーに走っていた面はある。じれずにボールを早くを回すといったことがもっと必要だった。じれているとこういうゲーム展開になってしまう。後半修正できたように思うが、もっとボールを早く動かせばよかった。前半、1本入り込んでシュートまで持ち込んだ場面があったが、ああいうシーンをもっと増やしていきたい。ボールを動かすにしても、頭を使った回し方や強弱をつけたパスができればと思う。羽生さんが流れを変えてくれたのは大きかった。前半もいろんなタイプの選手がいて、そういう特徴を生かしながら戦えばよかったけど。さすが羽生さんは『知った選手だな』と思った。闘莉王の攻め上がりに関しては、前へいきたそうにしていたから、その瞬間は自分が下がったりしていた。前に上がるふりをしてポジションを替えたり。彼はあまりマークされることがないんで、浦和の中でもやっているし。とにかくもっとリスクを冒さないと勝てないと思った」

羽生直剛選手(千葉):「前半、ベンチから観ていて、動きが少ない印象があった。後半入るとき、監督からの指示は特になかったが、後半のアタマから入るということは、動きが少なく、チームのリズムが悪いから入れてくれたのだと思う。後半からいける準備をしろと前半のうちから言われていた。ハーフタイムは監督もイラだっていた。プラン通り行っていなかったから。本来ならもっと速いパス回しから何点か入っているはずだった。監督は「もっとリスクを負って前にでよう」と言った。そこで僕は左に入って、右の遠藤君(遠藤保仁選手:G大阪)とポジションチェンジしながら動いた。途中からは左の前に入って、点が入った後はバランスも大事なんで、啓太(鈴木啓太選手:浦和)と勇人(佐藤勇人選手:千葉)との関係を考えながらあまりポジションを崩さないようにした。チームを活性化するために、無駄走りでもいいから、スペースをあける、誰かが仕事をするスペースを作る動きを意識しながらプレーした。とにかく、足を引っ張らないように、ピッチの中に居る選手が気持ち良くプレー出来るように、(自分が入ることで)チームとしてメリットとなるように…と思いながらプレーした。無駄走りでも、長い距離を走ったことで、少しリズムは生まれたのではないかなと思う。1点目につながるコーナーを取ったシーン? 自分がつっかけてシュートまで行きたかったところで闘莉王(田中マルクス闘莉王選手:浦和)が見えて、ワンツーから勝負に行こうとした。そこでシュートに行ったらブロックされてCKになった。チームとしてはまだまだま足りない部分が多い。まだ2試合で完璧にできるはずがないし、悪いなりに勝てたことは収穫。前半からボールと人の動きサッカーをしたかったボールを持ったときのプレーはミスも多かったし、まだまだだなと思った。出来るだけ長く代表に呼んでもらえるように、Jリーグに戻ってもしっかりプレーしたい」

巻誠一郎選手(千葉):「なかなかうまくいかなかったというのが正直なところ。うまくボールを回せなかったし。相手の中の方が少し詰まっていたけど、サイドは2対1を作ることができた。だからもっと崩せたと思う。それに最後に僕が決めていたら楽になった試合。あれも自分の実力です。ヘッドの時、しっかりとボールは飛ばせていたし、ゴールを決める意識をもっと持たないといけなかった。ハーフタイムに監督が怒った? オシム監督がいつも通りといえばいつも通り。もっとボールを回してほしいと言っていた。シュートに関しては、狙ったところには行っていたから、後は決めるか決めないか。厳しい状況だった。でも日本代表の先発としてはやっていかないといけない。達也(田中達也選手:浦和)とのコンビ? なかなかスペースがなかったけど、アレ(三都主アレサンドロ選手:浦和)と遠藤君(遠藤保仁選手:G大阪)が開いて真ん中のスペースを使ってほしいと言っていたから、その意識は持っていた。でも結果がでなかった。オシムさんのサッカーはすぐに浸透できるものでもない。後半から羽生さんが入って流れが変わった、相手DFをサイドに揺さぶるようになって、達也のドリブルを出せたり、ワンツーがでたりして、スペースも空いた。非常にやりやすくなった。千葉のサッカーだともう2~3人は飛び出してくるけど、代表は違うチーム。今は初めの一歩だし、今日はまず勝ち点を取ることが一番重要だった。これからはもっと動きのある危険なサッカーをしたい。今日はみんなが自分のスペースを守っていて、リスクを冒す回数が少なかった。引いて守る相手にはリスクを冒さないと」

三都主アレサンドロ選手(浦和):「もう少し自分から勝負すべきだった。もっと高いところでプレーしないといけなかった。やっと(遠藤保仁選手:G大阪)とポジションチェンジをしたけど、引いた相手を崩せなかった。サイドでもプレーできなかった。引いた相手とやるのはこのチームでは初めてでやりづらさがあった。でもFIFAランクが下の相手をやったのはいい経験だと思う」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イエメン戦後、記者会見

――後半に羽生を投入した意図と彼への指示は?
そんなに面白い問題だろうか?
 交代した羽生のプレーは、そんなに素晴らしいものでも最悪なものでもなく、極めて平凡だった。彼に指示したのはひとつだけ、サイドに開け、動けということ。詳しく本人には言わなかったが、彼が左右に動くことで、相手の中盤がサイドに開く。相手には小さくて速い選手がいたから、羽生が入ることによって、相手がマークにつく、そして真ん中や逆サイドにスペースが生まれる。そういう狙いで羽生にはそのような指示を出した。

――公式戦初勝利おめでとうございます

選手におめでとうと言ってくれ。

――2ゴールともセットプレーだったが、そこに至るまでの過程が大事と言っていた。今日の試合では満足できるものだったか?

 つまりFKまでにどういうプレーがあったか、ということか。それは、審判がプレゼントしてくれたFKだったのか、それともわれわれがいいプレーをして相手がやむを得ずファウルしてFKを得たのか――後者のようなプレーをすることが大事だ。そこに至るまでのプレーはまずまずだと思うが、FKについては満足していない。キッカーが事前と違う蹴り方をしてしまったからだ。もっと力のある相手だったら、そのミスで取り返しのつかないことになっていた。FK、CK合わせて20回以上のチャンスがあったが、日本のように高い技術を持つチームであれば、最低5本に1本は決めていなければならない。つまり阿部や遠藤やアレックス(三都主)、闘莉王といった素晴らしいフリーキッカーがいるわけだから、もっと確実に決めてほしかった。代表ではセットプレーの練習をする時間が取れないので、彼らにはクラブに戻って十分に練習してほしいと思う。

――最初の試合と比べて進歩があったか?

 それは私のことか、チームのことか?
 守備面については、いくつか改善が見られた。規律、組織、忍耐といった部分で前進があった。ただし攻撃面では、もっと改善の余地があると思う。もっとも、現在の強いチームというものは、守備がしっかりしている傾向があるから、ディフェンスをしっかりすることを基礎としている。だからその点では進歩がなかったわけではない。

 率直に申し上げて、今日の試合はスポーツジャーナリストである皆さんには不満の残る試合ではなかったかと心配していた。ところが、そういう内容の質問が出てこないことが不思議で仕方がない。私は決して逃げることはしない。(会社などから)聞けと言われた質問ではなく、皆さんが聞きたい質問をしてほしい。堂々巡りではなく、率直な質問をぶつけてほしい。日本のサッカーの何が一番面白いのか、それを書くことを皆さんは仕事にしているのではないのか?

――この合宿ではスピードの緩急をつける練習をしていたと思うが、前半はスピードが上がりきらないうちにクロスを入れてしまうようなケースが見られた。どう思ったか?

(質問には答えず)それでは皆さんに代わって、私が(今日の試合の)不満な点を申し上げる。私は不満だ。それはディフェンスでのボール回しが非常に遅かったことだ。しかも各駅停車並みだった。だから相手の陣形を崩すことはできなかったし、相手のディフェンスラインを左右に動かすこともできなかったし、スペースができない。ボールが相手陣内に到達すると、もう相手は戻ってきている。味方はそのときにフリーであっても、数的優位を作ることができない。それというのも、ディフェンスラインのボール回しが遅かったからだ。だから中盤で不利な状況が生まれた。それが一番の不満だ。

 以上が私の考えだが、皆さんの考えはどうか? まあ、目指すところはもっと高いわけだが、(イエメンより)もっと強いチームがもっと守備的な戦いを仕掛けてきたらどう対処すべきか。そのときに、もっと早いサイドチェンジやもっと早いリズムを作ることができなければ……まあ、言葉にするのは簡単だが、そこは技術やテクニックの問題であり、一晩で解決できるものではない。
――日本サッカーの長期間の強化について質問したい。日本は地理的に孤立しているし、選手は厳しい環境でプレーしていない。そうした中でどういう強化を考えているのか。もっと海外遠征をすべきだと思うか?

 最初の質問だが、地理的ではなくサッカー的に孤立しているのだと思う。これまでも何度も触れてきたが、地理的に遠いのはもちろんだが、強いチームとコンタクトするのが難しい。この夏、欧州の強豪チームがいくつか来日したが、彼らのプレーは疲れていたり、バケーション気分だったりして、欧州サッカーの現在を伝えるというには程遠いものだった。あまり言いたくないが、お金を払って見に来たファンには申し訳ないチームがあったことは事実だ。

 日本は豊かな国だから、ハングリー精神は育ちにくいのかもしれない。しかしそれなら、ヨーロッパで経済的に成功している国、例えば英国やドイツのサッカーが弱くないのはなぜか、ということも考えないといけない。つまり経済的ではない動機、サッカーを強くしたい、サッカーを普及させたいというモチベーションを作ることは可能だと思う。それは誇りであったり、名誉であったり、楽しみであったり、お金では計れないもの、そこに自身のエネルギーを投入したくなるような環境を作ることが大事だ。私自身はそれほど経済的に豊かでない国の出身だが、サッカー選手というのは非常にリッチな存在だった。そういう意味では、日本のサッカー選手に「もっとハングリー精神を持て」と批判することはできないのではないか?

――国内で意味のない親善試合をするよりも、もっと海外で試合をすべきだと思わないか、という質問のつもりだったのだが

 一般論としては、選手や単独クラブが海外に行って、強い相手と試合するのは強化につながると思う。しかし代表チームの場合、相手はそれなりのメンバーがそろったチームであるべきだ。一番手っ取り早いのは欧州に遠征することだろうが、向こうも欧州選手権やワールドカップ(W杯)予選などで過密日程だ。その中で日本国内でも日程のやりくりをして代表を集めるのも難しいのに、欧州のどこかのチームの日程が空いているところを探すのは、もっともっと難しいことだ。これは日本だけの問題でないが、代表にはそうした日程面の問題がある。それに加えて、コストの問題もある。各クラブとの折り合いをつけなければならないので、手間とお金がかかる。そういう問題をはらんでいることを理解してほしい。

 地理的に遠いことは、それほどの問題ではない。飛行機がもっと早く飛ぶようになれば解決できる話だ(笑)。例えば日本やオランダの大企業が、早い飛行機を作ってほしいということではなくて、W杯やアジアカップのような公式戦ではないかもしれないけれど、何カ国かが集まって試合ができるような大会のスポンサーになって、欧州やアジアで開催されるようになるというのも、アイデアとしてはあるだろう。親善試合はあくまで親善試合であり、何らかのタイトルが掛かった試合であれば、例えばトヨタやフィリップスのような大企業に賞金を出してもらって、そうしたタイトルを懸けた大会を主催できれば、モチベーションも上がっていくことだろう。地理的には遠いかもしれないが、お金の行き来は可能だと思う。
――今日もスタメンは浦和の選手が半分くらいで、後半は千葉の選手を多く起用している。同じクラブの選手を起用するのは、コンビネーションでのメリットがあるかもしれないが、今後もその方針で行くのか?

 それは選手のプレーによる。今日のようなプレーが続くのであれば、ひとつのチームから選手を選ぶという方針を捨てなければならない。同じクラブでプレーしているから、コンビネーションが優れているという保証はないのだが。皆さんに見てほしい。私が少し前まで指導していたジェフの選手たちを。皆、素晴らしいプレーをしただろうか? もしそれでうまくいくのであれば、私は代表選手全員をジェフの選手にする。だが、浦和と千葉の選手には、正直なところを申し上げた方がいいだろう。それは、たまたま同じクラブにいたからではなく、代表にふさわしい力を持っていたからだ。だから代表の一員であるということを強調しておきたい。

 皆さんとは事前に「こういう記事を書いてください」とお願いすることはできないが、日本のサッカーをもっと強くするためには、もっと走る、もっとアグレッシブなチームをもっと(Jリーグで)増やさなければならない。そのためには、ある部分を犠牲にする必要がある。例えばそれは、プレーのエレガントを犠牲にしなければならない。エレガントであることと、効果的であることは両立しないことが多い。それが両立しているのは、多分バルセロナだけだろう。

(プレスオフィサーが「次で最後の質問に」と言って)以前にも申し上げたが、それを決めるのは私だ。

――あれだけエリア内でチャンスを得ながらシュートを決めきれない。これを是正するには、どのようにすればよいと思うか

 話が長くなるが、よろしいか?
 昨日の会見でも申し上げたが、ディフェンスラインを固めて、そこからスタートするのはたやすいことだが、得点を挙げるためのアイデアを作るのは難しいことだ。そういう話はしたと思う。それを実現させるために練習をしているが、トレーニングと試合とでは違う。プレッシャーも違うし、満員のお客さんも見ている。ここで自分がゴールを決めたら全員総立ちでスタンディングオベーションが起こるのではないかと想像する選手もいるかもしれない。そういうことを考えると、たいていは失敗するものだが。だからトレーニングの場でこういう状況を作れたら――マスコミもたくさんいて、テレビカメラもたくさん入って、きちんとした審判がいて、しかも対戦するイエメン代表と練習で試合して、それからまた同じイエメン代表と本番の際ができればいいのだが、もちろんそんなことは不可能だ。そんな答えでいいだろうか?

 こちらからひとつ、申し上げておきたい。今の話とはぜんぜん違う話だ。来月またイエメンと対戦するが、まったく違うチームになっている可能性がある。ギリシャ神話にも似た話があるが、自分の土地に再び踏み出したときに、エネルギーが大地から湧き上がって兵士の体を満たすということが、もしかしたらホームのイエメンに起こるかもしれない。だから今日の試合で勝っても、また次の試合で楽に勝てるとはまったく考えていない。今、こういう話を申し上げた方が、皆さんはがっかりしないだろう(笑)。

――エレガントと効率性は両立しないということだが、エレガントなプレーをする日本の選手についてはどう考えるか?

 意味は分かる。あまりにもエレガントなプレーヤーは難しいかもしれない。普通に美しいプレーヤーはどうか? 格好いいかもしれない。美しいプレーをして、その結果はどうなるか? その結果を考慮したい。美のために死を選ぶという選択はある。だが、死んだ者はサッカーができない。美しさを追求して死ぬのは自由だが、そうなるともうサッカーではない。現代サッカーのトレンドはそうではない。今はどんなに美しいプレーをしたかではなく、何勝したか、それが求められる。残念ながら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年以降のJリーグ放映権について(2)

http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20060815044.html

スポニチの記事を読む限り、個人的には、そこまでひどい事態にならなそうでちょっと安心している。(自分は環境として、BSとWOWOWを視聴できる環境です。何年か前に、WOWOWがブンデスリーガとセリエAを放送してた時に、スカパー!が放映権を取っていたセリエAの方は、全く「人気クラブや優勝争いの試合など」を放送しなかった記憶があります。Jで、それをやられたらまずいなと思ったので書いたのです)

BS-1は減るみたい(自分の現在の環境では痛いのですが)だが、「地上波ローカルで放送する試合数が増えること」と「注目カードは地上波でより多くの人に見てもらった方が、長期的にはスカパーの利益になる」という点で、Jリーグ事業部は、スカパー!との交渉で頑張ったなという感想だ。(最初の報知の報道では地上波ローカルがどうなのか、もしこれまで優先権の影響を受けるようだと、やばいよなと思ったので..)

2004年の統計(ネットで「CSメディアパワーの検証2004」から参照)では、契約世帯数はCATV:490万、スカパー!:368万、BS(NHK):1184万(受信料を払ってない世帯もいるはずなので、実数はもっと多いでしょう)、地上波:4706万

この数字だけを見ると、来年からJの試合を見ることのできる視聴可能世帯が減ることだけは間違いない。今年の春頃からNHKと交渉していたのは、JリーグとしてはBSで放送してもらった方が、より多くの人に見てもらえる可能性が高いからだろう。しかし、放送権料が減るということは各Jクラブに分配できる金も減り、一部のクラブには、それが原因で経営危機にも直面しかねない。そういう意味で苦渋の選択だったことは間違いない。

自分が心配していたのは、コアファン、コアサポ(有料放送に加入しても試合を見たい人)だけでは長期的には先細りしてしまうということだった。そんなに視聴率はなくても地上波(特にローカル)やBS1は、将来のサポを確保するためには重要な要素だと思っている。(自分の中で、サッカーというスポーツが特別な地位をしめるきっかけになったのは、たまたま見た、1986年メキシコW杯のブラジル対フランス戦だった。あの試合を見てなければ、ここまではまること「W杯に2度も現地観戦すること」はなかったような気が今でもしている)。ちょっとだけサッカーに興味を持った人でも、いきなり「スタジアムに金を払って見に来る」とか「スカパー!に加入する人」は少ないだろう。クラブが、いろいろ集客努力(もしくはクラブがリーグ戦で快進撃をした場合など)をしても、いきなりスタジアムに来る人は少ないに違いない。TV観戦というワンクッションを置いて、おもしろかったら「じゃあ、スタジアムに行こうかな」と思う人が多いような気がしている。そこでスカパー!の優先権に邪魔されてBSや地上波ローカルの放送がない場合は、「集客努力や快進撃」の効果が少なくなってしまい、将来のサポーターを失ってしまう可能性は、やはり高いに違いない。

ジーコジャパンの4年間でメンバーを固定してしまったため、次の南ア大会で主力になるべき選手はほとんど経験をつめずにアジア予選とW杯を迎えることになってしまいました。2006年の主力の何人かは、2010年の段階では、代表レベルの力を維持できないでしょう。世代交代、入れ替えは不可欠なのです。同じように、今のサポの中でも、生きている間ずっとサポでありつづける人は必ずしも全員ではないはずです。新しいサポを取り込まなければ必ず先細りします。報知の記事を読んだ時点では「スカパー!による優先権」は、サポの固定化と新規参入への障壁になる可能性を秘めているような気がしました。(今でもスカパー!の優先権の運用次第では、その影響は大きくなりそうな気もしてますが..)

あとはJリーグ事業部が将来を見据えて舵取りをうまくやってくれること祈るばかりです。

PS.なお、スカパー!に対しては悪い印象は持っていません。某九州のクラブの試合や、PRIDE(格闘技)の試合をスポーツバーで見ることができるのは、スカパー!のおかげですから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月15日 (火)

イエメン戦前日記者会見

イエメン戦AFCアジアカップ2007予選 第2戦前日 オシム監督会見

こちらから特にコメントはない。皆さんの方からサッカーに対する意見がきちんと出たらコメントするようにしたい。スポーツジャーナリストとしてのレベルに達するまで、私は辛抱強く待つことにしたい。

――今日、新潟スタジアムからこの陸上競技場に練習会場の予定を変更したのはなぜか?

 昨日もここでやっている。変える必要性を感じなかったからだ。

――試合会場のピッチ状態の確認は?

 選手たちは、Jリーグでいつもプレーしているから問題ないだろう。ジェフの選手たちも3日前に(新潟スタジアムで)やったばかりだ。それに(あえて練習することで)ピッチの状態を崩したくない。

――イエメンとの対戦で注意すべきことは?

 対戦相手の情報を多く集めておくことは重要だ。日本サッカー協会のルートで集めた情報以外に、私個人のルートで集めた情報もある。イエメンはしっかりとしたチームで、アグレッシブでテクニックもある。点差が開いても決して試合をあきらめることなく、走るチームであるともいえる。現代サッカーではボール扱いがうまいことは当たり前の話だが、その中でもイエメンは優れたチームだ。こちらが不注意なプレーをすれば、取り返しのつかない結果を招きかねない、リスペクトに値するチームである。カリスマ性のある選手はいないが、警戒するに越したことはない。日本はバーレーンやオマーンと対戦して、結果は接戦だったわけだが、イエメンはそれらと(実力的には)変わらないと考える。

――初の公式戦だが、プレッシャーは感じているか? また大勝しなければならないというプレッシャーは?

 プレーするのは選手たちだ。私は特にプレッシャーは感じていない。選手、もしくはジャーナリストの皆さんは感じているかもしれないが。
 試合結果を予想するのは、相手に対して失礼なので、ここでは何も答えるつもりはない。もし質問された方が、日本の勝利は当然で何点差で勝つのか? という考えから言っているのであれば、それは相手に対して大変失礼というものである。向こうにも勝つ可能性はある。いずれにせよ明日、ピッチの上ですべて決まる。

――宮本を招集しないのはなぜか? 彼は過去2回のワールドカップで主将を務めていたのだが

 宮本が日本サッカー界で最も優れたプレーヤーの1人であることは私も十分に認識している。ただしこれは、私と宮本との関係ではなく、宮本とガンバ大阪、さらにいえば西野監督との関係が重要である。宮本はJリーグの試合では、常に試合には出ていない。

――今後、招集する予定は?

 分からない。選手としては高く評価している。ただし考えなければならないのは、彼の年齢だ。今は優れているかもしれないが、2年後、4年後はどうなっているのか、考える必要がある。もちろん(宮本にも)チャンスはあると思う。

――イエメンはあまり大きな選手がいないが、アドバンテージととらえるべきか?

 そうだろうか。日本も向こうの平均身長より低い選手が6人くらいいたと思う。圧倒的な身長差があればセットプレーで有利だが、果たして明日はそのようになるだろうか。サッカーはセットプレーだけではない。セットプレーに至るまでの流れがむしろ重要だ。むしろ、そこまでのプレーをしっかりやる必要がある。いい場所でセットプレーのチャンスを得るためには、そこまでのプレーが重要だ。だから私は、むしろ流れの中のプレーを重視する。

――今日の紅白戦で田中隼が攻め上がったとき、6人くらいの選手がゴール前に攻めていった。これはポジションに関係なくチームが連動する練習だったのか?

 最後の紅白戦は実戦的なものではなくレクリエーションである。それから、これはもう何度も話していることなので正直うんざりしているのだが、私はどこにどう動けとか動くなとか指示するかわりに、選手たちに自由を与えている。もちろんその中には、ゲームの流れの中で守るべき原則というものがある。プレーのタイミングや、何をすべきかということは考えなければならない。

――今日は練習前と練習中にアレックス(三都主)と遠藤を呼んで長い話をしていたが?

 もっと走れ、という話をした。


――今日は数的優位を作る練習を多くやっていたが、日本の選手が数的優位を作る瞬間の判断力というものは低いと思うか?

 質問の翻訳が正しくないようだ。問題は、日本人が早く判断する能力を持っているかどうかではなくて、早く自分で考えることが一般社会で許されているのかどうか、だ。そういう習慣があるのだろうか。どうなのだろう、逆に聞いてみたいのだが?

――一般的には教えられて育つことが多いので、自分で判断して行動を起こすことに慣れていないと思う

 残念ながらサッカーとはそういうものではない。ピッチで指示を待ち続けていたら、試合には負けてしまう。私が何を言うか待っているような選手はいらない。サッカーは自分でプレーするスポーツである。対戦相手に「待ってくれ」と言ってタイムアウトを取って、監督の指示を仰いだり、ピンチヒッターやピンチランナーを投入して局面を変えるようなことはできないスポーツだ。だからサッカーは自分で判断しなければならない。私からはなるべく多くの情報を選手たちに与えている。選手たちはその情報を元に、プレーしながら考える。サッカーは非常にクリエーティブなスポーツである。だから、アイデアのない選手は、サッカーには向いていないのだと申し上げておきたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)